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Imager マニア

デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)

NHK技研公開2015 その3 ~光電変換膜積層型固体撮像デバイス ~高感度な8Kスーパーハイビジョンカメラの実現を目指して~

チップワークスでのイメージセンサの解析結果発表(?)はまだの様ですが、
代わりに(?)アプリケーションプロセッサ(?)のA9の解析結果が発表されてますね。
なんと、驚きなことに、”SamsungとTSMC双方のFab製の2種類のチップが出てきた!”という内容になっています。
これはココでレポート(?)されている通り、”iPhoneの出荷量がハンパでは無い&最先端の14nmなり16nmなりのFinFETのラインの起ち上がりがそこまで急にはいかない”という致し方無い事情によるものだろうという見解通りなのではと私も思います。
 ↑公にはどなたも触れませんが、これは手にするiPhone6sにどちら製のチップが入っているかで、わずかではあるかもしれませんが、処理速度が異なってくるということがあり得るのでは?と思うのですが(^^;)
ダイサイズはSamsung製の方がTSMC製に対して8%ちょっと小さい様ですので、その分微細化度合いが上?と考えるとすると、定性的にはSamsung製のA9チップの方が極僅かに処理速度が速い可能性がある?
 ↑もしくは天下のアップルは、こういうところの処理速度まで(エンドユーザーにクレームされないためにも?)揃えるように機器設計されたりしているのでしょうか?(^^;)

 過去、GalaxyS6においては、カメラモジュールのイメージセンサが、SONY製と自社Samsung製の2種類が混在するという例が存在しました。
今回のiPhone6sとPlusもリスクヘッジ及び数量確保のために、例えばソニーとサムスンの2社からイメージセンサを調達していたりするのでしょうか?はたまた工場に追加投資を決め続けているSONYが、iPhoneの初期出荷量に打ち克って(?)一社による独占供給を果たしているのでしょうか?
 楽しみです(^^;)


 さて、今週の本題に入りたいと思います。
今年6月に技研公開のエントリを立てていたのですが、本当は3部構成にするつもりでした。
で、”その3”を書こうとしていた週末前に、いきなりソニーからα7R2とRX100M2という大物カメラ機種が海外発表されたため、どうしても私の興味がそちらに引っ張られてしまい(^^;)内容変更してしまいました。
 以来書く機会を逸してしまっていたのですが、今回IISW2015でも発表されていた件でしたので、この機会に”その3”を書こうと思います。

 内容はタイトル通りで、ここのところNHKが毎年技研公開において最低ポスター展示はしているもので、
現状の撮像素子のフォトダイオードに変わり、受光部をSIGSや結晶Seといった光電変換膜に置き換えたものになります。
 ちょっと話が長くなってしまいますので、NHKがこの研究テーマを選んで進めている背景や動機、またここ数年の研究進捗の概略については(拙くて恐縮ですが)幣blogの昨年のエントリを参照願います。





↑今年5月最終週の技研公開において展示されていたポスター写真
(クリックして拡大して頂ければ文字も読めると思います)

 毎年ちょっとわかりにくいのは、この研究テーマ、NHK技研が二種類の光電変換膜候補を持っており、まだどちらが本線か絞りきれていないようで、毎年その2種類の膜の進捗が報告される点です(^^;)
 上の写真で言うと、最初の写真が、双方の膜共通の、研究の背景、増倍の方法の説明。
中段写真が”CIGS”と呼んでいる銅、インジウム、ガリウム、セレンまたは硫黄の化合物膜の説明。
一番下の写真箇所が、結晶Se(セレン)の説明になっています。

 今年、説明員の方に質問したりして私が理解したつもりの内容等を、以下なるべく箇条書き形式でまとめたいと思います。

①現在も、結晶SeとCIGS膜双方の研究を続けている
②昨年、結晶Se膜の方のみの展示としたのは、結晶Seの方はCMOSプロセス半導体上に既に膜積層出来ていたから
 
↑CIGS膜の方は、現状500℃の熱を掛けないと半導体上に蒸着出来ない
  →プラズマアシストして400℃以下で蒸着するなど、現在あらゆる方式を模索中
③CIGS膜の結晶Se膜に対する現状のメリット or デメリットは以下
 
※つまり、結晶Se側から見た場合は全く逆となる関係
 ・低電圧で増倍可能
 ・暗電流多い
 ・(製造工程の)熱負荷大きい
 ←②の細文字箇所の話
 ・(化合物であるため)堆積方法が複雑
④昨年からの一年で進捗した部分は、双方の膜でそれなり(4~5倍)の増倍効果を確認できたこと
 →当面の目標は10倍

 以下からは細かい話ですが、私が興味がある点について
⑤結晶Seの方の膜積層時の温度は、~210℃くらいまでが限界
 何故なら、それ以上の温度にしてしまうとセレンが飛んじゃう(≒蒸発してしまう?)から無理だから
⑥光電変換膜の積層厚を現在500nmにしている深い根拠は無い
 200nm厚まで薄く出来ることは確認しているが、以下二点が未知数のため本格的に行っていない
 薄くすると・・・
 ・暗電流が増える方向
 ・増倍効果落ちるかも
⑦結晶Seの方は、高電圧を掛けないと増倍効果が現状あまり見込めないが、そこまで低電圧化を狙っていない
 ↑まずは安定的に増倍率アップすることを優先事項として考えている
  ↑電流値としてはnAオーダーでしか流れないため、消費電力としてみた場合、そこまで問題にはならないのでは?と考えているから。←昇圧してもらえれば、例えばスマホとかでも使ってもらえる可能性はあるのではないか
⑧白キズが多い問題については、最後の詰めの段階でどうにかなると考えている
 ↑アモルファスSeのHARP管の時も同じ様な課題があったから
 →とにかく、膜質の均一性、粒径の大きさを揃えることが重要だと考えている。そうしないと電界の掛かり方が均一にならずに、電界が強いところから壊れていってしまうところが出てきて白キズになってしまうから

 と、以上までが、今年5月末のNHKの技研公開時の情報です。

 その後、6月にIISWが開催されその時のレジュメ(?)が8月に公開され、その中に、NHKのこの光電変換膜積層型センサに関する件がありました。
 ↑このIISWの報告内容は、完全に結晶Se膜の方のイメージセンサの件で、CIGS膜の方は出てきません。

今週はここで力尽きてしまいましたが、来週は恐らくこの続きで、上記IISWのNHKの件を簡単にこのblogに内容を残しておきたいと思います。




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無題

NHK技研は、イメージセンサーの感度向上技術としてアバランシェ増幅にはこだわっていますが、製造ラインを持っていないので光電変換膜の素材にこだわりはないのでしょう。

結晶セレンセンサーは、CIGSセンサーよりも消費電力が圧倒的に少ないので、ポータブルカメラ用センサー向きですね。

Re:無題

>NHK技研は、イメージセンサーの感度向上技術としてアバランシェ増幅にはこだわっていますが、製造ラインを持っていないので光電変換膜の素材にこだわりはないのでしょう。

 気づけば技研は最新号?で積層センサ特集号↓を出していました。
http://www.nhk.or.jp/strl/publica/rd/rd153/rd153-j.html

膜厚1000nm時に、可視光全域に渡って95%(だったか?)の吸収率を持つ材料

というのを基準に膜素材を選んだそうです。
先の長い研究ですので、リソースがあるなら手広く、素材にこだわらない姿勢に異論はありません(^^)

>結晶セレンセンサーは、CIGSセンサーよりも消費電力が圧倒的に少ないので、ポータブルカメラ用センサー向きですね。

 CIGSと結晶Seでそんな特徴の違いもあったのですね。知りませんでした。
CIGS膜の方が現状低電圧でアバランシェ増倍を起こせるみたいなので、むしろ消費電力差があるなら逆の関係かと思ってました。

 冒頭の技研の広報誌?を読んでいると、来年の技研公開時には再び有機三層センサの展示も復活しそうな感じです。
通常のカメラに搭載されているイメージセンサが、ひとまず東京オリンピックの頃にどういうものになっているのか楽しみでもあり怖くもあります(^^;)
(まだ東京のオリンピックの頃はシリコンベースの現状のイメージセンサの延長である可能性の方が高いでしょうか。その次のオリンピックの頃には激変してる可能性もあるような気もします)

  • imagerマニア
  • 2015/10/10(Sat.)

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