先週触れませんでしたが、行っていなくとも備忘録として残しておきたく。
CP+2018で初展示された各社の新カメラとしては以下。
【キヤノン】
EOS Kiss M
EOS Kiss X90
【ソニー】
α7Ⅲ
【オリンパス】
PEN E-PL9
【パナソニック】
Lumix GH5S
Lumix G9 PRO
【富士フイルム】
X-H1
レンズ固定式カメラは割愛。また、真面目に調べた訳では無いので抜けがあるかもしれません・・・が抜けていてもそれは恐らく私の興味外のカメラです(^^;)
上記のカメラの中でも、
KissX90は多くの日本人には、
そして
PEN9も多くの男性には、
あまり興味を持たれないカメラであろうと予想しますが、少なくとも私は興味は湧きませんでした(^^;)
そしてCP+2018のカメラグランプリ?は、ソニーのα7Ⅲが獲得した様で、個人的には妥当な結果だと感じます。
画素数2400万画素と変わらずのフルサイズカメラなれど、遂にα7無印もセンサが裏面照射化。
フルサイズ2400万画素というと、α9と同じで、
凡その画素ピッチは6um□計算。
今後、フルサイズは2400万画素でも裏面照射センサとなっていくのでしょうか。
別件になりますが、2月、私がblogをサボっている間の
WMC(ワールドモバイルコングレス)にておいて、SamsungよりGalaxyS9/S9+が発表。
[5回]
搭載カメラの画素数は、共に
リアカメラは1200万画素と変わらず。
しかし、他社に対して遅れを取っていた?
Dualカメラ化は、”S9+”の方のみ対応
そしてカメラとして逆に他社に先んじたこととして、
遂にリアカメラの方は”機械式の絞り”機構採用。対応絞りはF1.5とF2.4。
対応絞りが少ないとは言え、これでまた一つ、スマホではできず、カメラ専用機のみの特権だった領域が消滅ですね(^^;)
そして私は詳しく無いですが、恐らく開放絞り?のF1.5の方は、スマホでは最小絞り値なのではないでしょうか?
また、SONYから遅れること約1年?、HD960fps、0.2秒のスローモーション撮影にも対応。
この機能の実現のために、
どうやらソニーに頼ること無く、Samsungも自社でソニー同様のDRAM込みの3層積層型イメージセンサを開発した様です。
↑これは絵だと思いますが、上記リンク先のSamsung公式より
恐らくこの12MpixセンサがGalaxyS9のリアカメラに採用されているのだと予想しますが(
ここ数年数機種そうですが、S9も恐らくイメージセンサを2社調達しているのだとすると、ソニー製のものが搭載されているGalaxyS9も存在するとは思いますが)、
広報文を読むと
搭載DRAM容量は2Gbitの様で、
ソニーに1年遅れた分を、容量倍返しで鬱憤を晴らした?様です^^;(ソニーのDRAM積層型センサのDRAM容量は1Gbitだった)。
あれ?しかし、もし本当にイメージセンサを2社調達するのであれば、GalaxyS9のカメラスペック自体はSamsung製センサ搭載機でもソニー製センサ搭載機でも変わらないはずでしょうから、
Samsungのセンサ側だけ2Gbitに増量する意味は無いということになりますが、そこは果たして・・・?
可能性としては以下の様なことが考えられるでしょうか?
・今回は2社調達では無くSamsung製センサonly
・ソニー製センサ側もGalaxyS9用のものは2Gbitに増量させてある
・Samsungセンサの方が処理アルゴルなどがいけてなくて、DRAM容量が倍無いとソニーセンサと同じことが出来ない
また、上記”絵”と広報文の”
DRAM attached below the analog logic layer”を信じるとすると、
SamsungのDRAM込みの3層積層センサは、DRAMウェハの位置は、3ウェハの内の最下層(フォトダイオードでは無い光入射側の反対側)ということになりますね。
(ソニーの3層積層センサはDRAMウェハは、フォトダイオード基板とロジック基板の間にサンドイッチされていた)
これは
SONYの3層積層センサと、読み出し信号のデータの流れが同じであるならば、
出力インターフェース回路が、サムスンの場合はDRAM基板に配置されているということを意味しそうでしょうか?
(ソニーにしろ、サムスンにしろ、信号データを最終的にチップ外部に読み出せるのは、top基板かbottom基板のどちらかしか無いはず。middle基板はサンドイッチされているので、外部と何かの信号をやり取りできないため)
もし上記の理解で誤りが無ければ、サムスンの構成の方がデータの流れとしては素直で合理的な気がします。どの程度か想像つきませんが、TSV(シリコン貫通via)の数も減らせそうですし。
あとはDRAMチップにインターフェース回路を搭載することが困難なものなのか、困難であるならどの程度困難なことなのかに依るということでしょうか。
そして、
上記カメラの分解を、相も変わらず手早くTechInsightsが行っています(まあ仕事の一部ということなんでしょうが^^;)。
また無料部分のレポートが手に入った時点でblog思ったことを書こうと思いますが、
同じtechinsightsが解析したSamsungセンサ繋がりで、
Vivo V7+ というスマホ機種に搭載された
Samsung
S5K2X7SP
という型番センサの解析結果も出しています。
(ちなみに”Vivo”は日本ではほぼ無名ですが、中国のアジアでは結構メジャーだと思われるスマホメーカーです)
↑Samsung
S5K2X7SPの顕微鏡写真と思われる外観ですが、
何故ここでこのイメージセンサを取り上げたかというと、
恐らく、このイメージセンサが、今年のISSCCのSamsungから発表のあった0.9um□画素ピッチセンサだからです。
そしてどうやら、0.9um□画素センサの量産は世界初ということの様です。
しばらく止まっていた画素微細化の時計の針が再び回り出すのでしょうか?
↑これがその画素部の断面観察結果な様ですが、
まずセンサの概要ですが、
画素数:24Mpix
画素ピッチ:0.9um□
光学フォーマットサイズ:1/2.8インチ
画素数が24Mpixあっても、画素ピッチが0.9umであれば、1/2.8インチに収まるということですね。
これはカメラモジュールのZ-Hightが抑えられて、スマホ機器の設計者は喜びそうです。
(画質が良ければですが・・・)
そして、写真の方に目を移すと、画素ピッチが0.9umであることと共に驚愕させられるのが、
そのフォトダイオードの深さとアスペクト比の大きさです。
なんとそのフォトダイオード深さ3.8umです。
私が見たことがある裏面照射型センサでは記憶にある限り最大で、また0.9umのピッチに対してもかなりなアスペクト比になります。
これも一重に狭画素ピッチでも感度などを稼ぎたいからということでしょうね。
次に、ISSCCの発表タイトルからも明らかになっていましたが、この高アスペクト比にして表面から裏面まで貫くDTI(Deep Trench Isolation≒画素分離壁)の存在です。
こちらもPDにも増して細長く高アスペクト比です。
その細さは0.1um程度に見えますが、さすがにこの高アスペクト比のせいか、断面写真からは下側が白くなっている箇所が見受けられ、またそれが画素間で不均一です。
これがどの程度画素間の特性ばらつきに影響があるものなのか無いものなのか・・・
こちらは画素間のクロストーク(≒混色)防止用ということでしょうね。
次に気になるのは下の方、カラーフィルタのところですが、
”Tetracell color filter one filter four(2x2)pixels”
の文字です。
つまり、(なんか最近もコメント欄で話題になった気がしましたが^^;)2x2の4画素に同一色のカラーフィルタが載っているということです。
実際、この断面写真のカラーフィルタの色の濃淡を見ると、そうなっていることがわかります。
昔見たiPhoneに載っていたソニー製のフロントカメラ素子とこの点は同一構造ですね。
Samsungの主張に依れば、low light時に隣接4画素(恐らく同一カラーフィルタの4画素)を加算することにより、SNを上げるのだとか(解像度は3/4の6Mpixに)。
しかし、そもそもこれでは24Mpix分の解像度が出ないのでは?と私は思う訳ですが、
日経の記事≒Samsungの主張によれば、
”デモザイク処理画像処理を利用することでフル解像度の撮像を可能にしている”
だそうです。
間に受けて良いものか・・・。
書いてはありませんが、他にこの構造で、駆動を工夫して露光時間を2x2画素で変更し、HDR画像にも利用しているかもしれません。
他に断面画像からわかるのは、プロセスは画素部で”Cu5層”ということです。
他にパッド用に+1アルミ層が存在するかもしれません。
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