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Imager マニア

デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)

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本年IISWでCMOSISが発表したひとつのセンサの搭載カメラ ~Adimec

ちょっと今週は備忘録的に簡単に。

以前、今年2015年のIISWのプログラム内容の個人的注目件をいくつか挙げた時、←この最後の方の20)のCMOSISが発表したセンサ。

恐らく適用先のカメラがわかりました。

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↑Adimecという会社の、非破壊の、干渉計光学顕微鏡検査(?具体的な方法は私は知らない検査ですが)用のカメラに搭載されている気配です。
具体的な用途は、癌検査用(体の中に入れるカメラでは無い)を想定しているものの様です。

上記カメラにCMOSISの素子が使われているのではないかと思う理由は、
以下のカメラスペックが、CMOSISの発表したセンサの仕様と合致するからで、
そしてそれらの仕様に珍しいものも含むためです。

 画素数:2Mpix (1440×1440 ←アスペクト比1:1のカメラ)
 飽和電子数:2Meln (200万電子)
 画素ピッチ:12um□
 フレームレート:最大720fps
 グローバルシャッタ機能搭載

カメラの詳細仕様は以下


 何故この用途がグローバルシャッタでなければならないのか?またフレームレートが速いことが求められるのか?私には分からないのですが(もしかしたら、その点の仕様に深い意味は無いかもしれません)、
飽和電子数が求められるのは、どうやら映像のコントラストによって判定結果の精度が左右されるからで、飽和電子数が多い方がコントラストを細かく(≒正確に?)表現できるからの様です。

 また、この200万電子という飽和は、一般的なハイスピードCMOSセンサの100倍から200倍であるとのこと(←恐らく画素ピッチの大きさは考慮しておらず、12um□ピッチ同士で比較すれば、ここまでの差は無いと思いますが、同じ画素ピッチの他のセンサと比較しても、10倍程度このCMOSIS製グローバルシャッタセンサの飽和は大きいように私の感覚では思えます)。

 また、1画素のトランジスタ数が6T(トランジスタ)であることも上の仕様書からは読み取れます。
2013年にCMOSISが同じくIISWで発表していたこのセンサは、6.5Tでしたが、これと同じ画素等価回路でしょうか?それともこの0.5トランジスタの差は丸めたためではなくて、異なる回路方式なのでしょうか?

 しかし残念ながら(?)以下に列挙する仕様から、シネマカメラやましてや一般的なコンパクトデジカメや一眼レフカメラに搭載出来そうなセンサではなさそうですね(^^;)
 ・正方撮像素子 (撮像領域のアスペクト比1:1)
 ・分解能8~11bit
 ・モノクロ (←これはカラーフィルタをつけるmodifyだけでなんとかなりますが)
 ・電源:24V
 ・消費電力:7W以下 (←7Wは恐らく720p時であるため、フレームレートと落とせば消費電力は抑えることが可能だとは思いますが)
 (また、入出力I/FのCoaXPressも、産業用途向けにあるかというもので、普通民生カメラには使われていないと思います)

 私はこの手の医療分野(?と決まったものでも無いですが)のカメラマーケットにとんと疎いのですが、こういうカメラって利益出せるんもんなんでしょうか?
(もちろんメーカーが発売するくらいなので、損はしないのだろうと思いますが・・・)
もちろんカメラの値付けによるのでしょうが、当然高ければ売れる台数も減るのでしょうし、
いったいこういうカメラが月に何台くらい掃けるものなのか全くイメージ出来ません。

つまり儲かるのか?ということに疑問を感じているのですが、もしかしたら、その他のシステムメンテ・維持サービス料や、その他のオプションとの抱き合わせ販売的なビジネス手法で儲ける世界なのでしょうか?
ご存知の方がいらっしゃいましたら是非教えてください。お願いします。



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干渉顕微鏡とカメラヘッドの価格

CMOSISのセンサーが利用されるであろうLight-CT Scannerの簡単な説明です。
http://www.lltechimaging.com/products-applications/technology/

エーテルの存在を否定したマイケルソン・モーリーの実験で使用された干渉計を生物試料の観察に応用した干渉顕微鏡で、手術中の組織診断への利用を目標にしているようです。

この干渉顕微鏡では、試料からの反射光と照明光を干渉させてコントラストを作ります。さらに、焦点位置をZ軸方向に移動させながら数百枚の画像を連続して撮影し、3次元再構成を行います。その際に、試料表面からの反射光は強く、試料内部では光が試料に吸収されるため反射光が弱くなります。また、反射率の高い部位や低い部位もあります。画像の歪みも好ましくありません。したがって、歪みの無い電子シャッターが可能で、ダイナミックレンジの広いセンサーが必要になります。迅速な診断のためには、高速スキャンも必須です。CMOSISは、そのような条件を満たすセンサーの開発を担当したようです。

少し古いですが、浜松ホトニクスのORCA-Flash4.0に関する報道記事が公開されていますので、ご覧ください。価格と販売台数が分かります。
http://www.businesswire.com/news/home/20111128006421/ja/#.Va2s2-KvEos
尚、ORCAはこの手のカメラヘッドとしては高価ではありません。

Adimecのカメラは単体ではなく、顕微鏡システムの一部として販売されるでしょうから、利益は出ると思います。

Re:干渉顕微鏡とカメラヘッドの価格

>CMOSISのセンサーが利用されるであろうLight-CT Scannerの簡単な説明です。

>hi-lowさん
 相変わらず最近リアクションが遅く申し訳ありません。
簡単な原理説明ありがとうございます。
それでも100%理解したとはとても言えませんが(^^;)、hi-lowさんの説明文言と紹介リンク先の図を交互に見ると、なんとなくはイメージできました。


>少し古いですが、浜松ホトニクスのORCA-Flash4.0に関する報道記事が公開されていますので、ご覧ください。価格と販売台数が分かります。
>尚、ORCAはこの手のカメラヘッドとしては高価ではありません。

 ありがとうございます。こちらもおかげさまで何となくイメージ出来ました。
私の場合、感覚をつかむために身近なものと比較しようとすると、どうしても対象が民生のデジタルカメラとなってしまいます。
そうすると(当たり前かもしれませんが)分が悪い(?という表現が適切か?)ですね(^^;)

 昨年のCP+でフェーズワンの方に聞いた中判デジタルカメラの国内出荷台数が、凡そ年間100台程度↓
http://imager.no-mania.com/Entry/85/
とすると、ワールドワイドで年間500台くらいは売れているのでは?
と考えた時、フェーズワンの中判カメラのお値段もピンキリでしょうけれど・・・

いずれにしても通常の35mmやAPS-Cサイズの一眼レフ用のイメージセンサを作る様な感覚でポンポン新規センサを設計し続けられる様な感じでは無さそうですね。
もしくはCMOSISとしては、このAdimecを皮切りに、他のシステムメーカーへの知名度アップを元に搭載システムを増やしていく営業戦略なのか・・・

 すみません、長らくクドクドと。
hi-lowさんは既におわかりだったとは思うのですが、私はなんとなくそうかなと思っていたこの業界の価格と数量の感覚が少しリアルに感じられました。

  • imagerマニア
  • 2015/08/02(Sun.)

RE: Adimec

ここ<http://www.careioca.eu/images/newsletter_CAReIOCA_n3_-_nov_2014.pdf>にCMOSISと明記してあるので、間違いないでしょう。今のところ従来のセンサーより解像度が良くなる程度ですが、最終的には非侵襲で口腔癌や乳癌の診断に使う事を目指しているようです。

十分な照明があることが前提で、感度を犠牲にして飽和電子数を取ったのだと思います。現在の様に採取した試料を検査する分にはグローバルシャッターは不要ですが、将来的に非侵襲診断を目指しているからグローバルシャッターなのでしょう。

このようなカメラが儲かるのか?私には分かりません。現時点ではそれほどたくさん売れそうには思えないのですが、X線被曝のリスク無しに乳癌検査ができるようになったら需要が見込めるかもしれません。

hi-lowさんが紹介されているZ軸方向に動かす方法よりも一段進んだ、white光で高速検査を目指しているようです。

Re:RE: Adimec

>ここ<http://www.careioca.eu/images/newsletter_CAReIOCA_n3_-_nov_2014.pdf>にCMOSISと明記してあるので、間違いないでしょう。

>hmbさん
CMOSISセンサ搭載であるソース情報(こちらでも)ありがとうございます。
スペックからほぼほぼ確信はしていたものの、やはりきちんと公式情報で確認できるのはいいですね(^^)
 また、カメラの外観から私が漠然とイメージしていたよりも、顕微鏡自体は小さいなということがわかりました。

>十分な照明があることが前提で、感度を犠牲にして飽和電子数を取ったのだと思います。

使用条件を絞って、各特性の要求仕様にメリハリをつけてくれたから、CMOSISも200万電子という凄い飽和のセンサが作れたのですね。
本文に書き忘れましたが、電源電圧24Vという凄い電圧は、間違いなくこの飽和電子数の仕様達成のためな気がしてきました。(その分耐圧の関係で先端CMOSプロセスは使用できないというデメリットはあったと思いますが・・・)

>現在の様に採取した試料を検査する分にはグローバルシャッターは不要ですが、将来的に非侵襲診断を目指しているからグローバルシャッターなのでしょう。

ここで言う”非侵襲”というのは試料採取をせずに、たとえば生身の人間に直接white光を当てて検査するという様なイメージのことなのでしょうか?
であれば、ローリングシャッタセンサを搭載してしまうと、スキャンする機器側をイチイチスキャンする度に止めなければならなくなるので、グローバルシャッタセンサの必然性に納得です。

  • imagerマニア
  • 2015/08/02(Sun.)

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