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Imager マニア

デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)

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NAB show 2014で発表された4Kカメラたち ~備忘録と個人的所感

NAB show 2014 が、4/6に始まり、4/10に終了しました。

これは恐らく世界最大の放送機器展なのですが、過去

CINEMA EOS C500の発表や、
REDのDragonセンサの発表や、
Blackmagic Design社(BMD社)が初めて作ったカメラ”Blackmagic Cinema Camera”の発表や、
CMOSISセンサ搭載のBlackmagic Production Camera 4kの発表

などが行われたshowです。


 基本は”放送機器展”なのですが、
割と新しいハイエンドなイメージャーが投入されたカメラが発表されがちというimagerマニアとして外せない側面と、
それ以外にも、最近日本や韓国では放送が4Kにシフトしていく過度期であり、そのため機器的な側面ではリプレイスが進みやすいということで盛り上がりを見せている業界という意味において、
個人的に興味を持っている展示会です。


 今回、ざっと情報収集が終わりましたので、私自身の備忘録メインで、今回のNABで”新たに”発表された4Kカメラのリストと所感をまとめたいと思います。
普段よりも更に自己満足的な内容であることご容赦願います。
また、カメラのスペック等誤りがあれば、それもご容赦と是非ご指摘お願いします。



↑ 今回のNAB2014で新たに発表された4Kカメラリスト(私の把握する限り)

※上段の表のカメラが、年内発売を予定する、”ほぼ発売されることが間違いの無い”カメラたち

※下段の表のカメラは、展示会でのいわゆる”参考展示”的な色合いの強いと思われるもので、恐らく発売はいつかされるが、その時までに外観やスペックには変更が加えられる可能性が高いカメラたち

拍手[2回]

注:上記ジャンル分けは私の主観です。


↑ パナソニック Varicam35
※後ろの青○があるユニットは、後付けの他社製rawレコーダー。

もう2年前のNABや日本で行われるinterBeeにおいても、ずっと”モックアップで”展示され続けてきたもの。
ついに本年NABにて正式発表。
今回発表されたカメラの中では、間違い無く最も本格的にシネマ運用を想定した(V-RAW、V-LOGと彼らが呼ぶraw、log収録も可能)、パナソニックのフラグシップ機(になるはず)。
価格は¥600万($1=¥100のざっくり換算。以下同様)ということで、SONYのCINEALTA F65とガチ勝負の機種。

2年の沈黙の理由の一つに、”イメージセンサ(撮像素子)の新規開発”があったらしいので、恐らくイメージセンサは完全新規で、
かつ最近のパナソニックは、オリンパスのフラグシップミラーレスカメラの搭載撮像素子の座をソニーから取り戻すなど、イメージャー部門も元気が出てきているようなので、恐らく自社製素子でくるのではないでしょうか。

※もしそうなったとしたら、私の知る限り、パナソニックがフォーサーズサイズ(1.33型)以上の撮像素子を製品化するのは初で、そういった点でもどんなセンサか興味深いです

spec的にも、ダイナミックレンジ14stopのフレームレート120pは立派。
ここ数年この分野で沈黙を守り続けていた古豪PANASONIC復活となるか!?
問題は、業務用途ですらここ最近の低価格化の波は激しく、価格の¥600万がプロにどう受け止められるのか、興味深いところです。




↑ AJA CION (サイオン)

こちらも、PLマウントで、記録画素数がDCI規格の4K(横解像度が4096)対応、撮像素子フォーマットがAPS-C(≒super35mm)ということで、間違い無くターゲットメインは放送では無く映画やCM、PV、MVの分野を狙ったと思われるもの。
(片乗せも想定されているデザインなので、TVドラマやドキュメンタリー、ENGも想定されていると思いますが)

 しかしターゲットはパナソニックと同じでも、お値段は全く異なる¥90万。

そもそも、AJA社は、KiProに代表される映像記録用のレコーダーを商品の主としてきた企業で、カメラ製品の発表は初
つまりある意味カメラという観点では異業種からの参入ということになります。

 丁度2年前のNABで、Blackmagic Design社(以下BMD社)が、ブラックマジックシネマカメラを引っ提げてカメラ分野に初参戦で衝撃を与え、
その後、昨年のNABでブラックマジックプロダクションカメラ4K、ブラックマジックポケットシネマカメラ発表、
そして今年のNABで2台の放送用カメラの発表
と、デビュー2年ですっかり”カメラメーカー”として認知されたことを彷彿とさせる流れを予想させます。

 BMD社もそうですが、AJA社も間違い無く自前で撮像素子を製造できる会社ではありません。
今回のCIONに搭載の撮像素子の以下スペックを眺めるに、
 ・APS-Cサイズ
 ・4K解像度
 ・フレームレート最大120p
 ・グローバルシャッタ機能搭載
BMD社のブラックマジックプロダクションカメラ4K搭載撮像素子と同じ、CMOSIS社の”CMV12000”という撮像素子が使われているのではないでしょうか。

 上記全く予想でしか無いのですが、
しかし、上記4条件を満たすセンサは中々お目にかかることはありませんし(私が知る限りは、ソニーのCINEALTA F55搭載撮像素子のみ、上記4条件にあてはまります)、
こんなカメラ初参戦メーカーカメラ用に、何台カメラが売れるかも分からない状態で撮像素子を新規に開発協力してくれる酔狂な撮像素子メーカーというのも容易に存在するとも思えません。
(いたとしたら撮像素子1チップのお値段は相当額になると予想されますが、もしそうであれば、このカメラ本体の¥90万という価格はまず実現不可能と私は思います)

 結局、完全にプロ向けの製品なので、最後は画質が一番重要で、それはこの製品が実際出てきてみるまできっと何とも判断不能な話で、つまりこのAJAという会社がカメラメーカーとしてやっていけるかはまだ分からないと思う訳ですが、
 しかし、最初はRED社に始まり、最近のBMD社と本年のAJA社のカメラの発表・発売を見るに感じるのは、
”カメラもpcや液晶TVに近くなってきて、随分コモディティー化が進んでるな~”
というものです。
自分のところでは筐体だけ用意して、中身は部品メーカーからモジュールで買ってきて、下手をしたら生産委託会社に委託して組み立てまで行わせるという。
特にコンパクト化の要求度合いが民生機に比べて大きく無い、この分野においては専用品を用意する要求度合いが低いと思われるため、汎用品を買ってきて組み立てるというのは特に開発コスト低減には有効な手法に思えます。

 4K撮影可能なカメラで¥90万というと、日本メーカーのカメラであれば、価格的にはCanonのEOS 1D Cあたりになる訳ですが、ターゲット層が半分くらいずれているので、
このAJAのターゲット層とかぶるカメラで言うと、
CANON C500(¥220万)、SONY F55(¥290万)あたり・・・
 う~ん、他の電気製品分野同様、こだわり過ぎてコスト競争で敗北する轍を踏まないでもらうことを願うばかりです(^^;)





↑ 共にBMD社の新規発表4K (←UltraHD)カメラで、
 左:Blackmagic URSA Camera
 右:Blackmagic Studio Camera

 今回、双方のカメラ共、BMD社としては初の4Kで60pが出せるカメラたち。
他国はともかく、日本の放送規格においては、最早4Kで30pというのはあり得ず(恐らく他国でも4K放送する時には30pはあり得ないと思います)、4Kで60p出せるというのは放送用途のカメラとして採用されるためには恐らく必須の性能になると思われます。
そういった意味では、今年、BMD社は4K放送カメラ機器メーカーとして初めて土俵に上がったということになるのではと思います。

(ちなみに余談ですが、この分野にあまり詳しく無い方にフォローしますと、現在のフルHDの地デジ放送まではインターレース60iですが、今後4K、8K放送へ移行していった際にはもう”インターレース”という規格は一切無くなり、全てフレームレートと言えばプログレッシブ方式での話に自動的になることになります)

まず、左。
仕様の多くを見るに本気の制作系を狙ったカメラだと思うのですが、
センサ画素数(映像記録解像度)がUltraHDの横3840。
また記録媒体がCFastカードというあたり、
映画の頂点を極めている方々には訴求しない製品に思えます。
実際にはやはり放送用途を想定しているように思え、TV放送用のCM、PV、ドラマ制作を睨んだものなのかもしれません。
 またお値段がBMD社の専売特許の価格破格で、EFマウントモデルで¥60万、PLマウントモデルで¥70万。

 そして何と言っても驚きなのが、”HDMIモデル”となっているコレ↓

このBMDのカメラはマウントと撮像素子を取り替えることが可能なのですが、それが更に”撮像素子とマウントを取っ払って”映像信号入力用のHDMI端子を備えたモデルがラインナップされました。
上の写真は恐らくCanonのデジタル一眼レフを例として装着した写真だと思うのですが、撮像はデジタル一眼レフに任せ、そこからHDMI経由で映像信号を出してもらい、それを”記録する”という、
誤解を恐れずに言うと、最早カメラではなくて”単なるレコーダー”になってしまっているモデルです(^^;)
 これはきっと純粋なカメラメーカーからすると青天の霹靂で、もしこんな製品を出してしまったならばカメラメーカーの自己否定につながるので、まず間違い無くカメラメーカーから企画されない製品形態でしょう。
今後このカメラ(?)が、業界でどう評価されるのか、興味深いところです。


 で、二つ上の写真の右側ですが、
これは名称の通り、完全に放送用のスタジオカメラに特化したものです。
この写真で見ると、何だかグロテスクなエイリアン風貌で、こちらも今まで見たこと無い形態です。
が、色々とスタジオカメラとして考えられているようで、詳細は説明省きますが、自社のスイッチャーと連携させると、今まで必要だったカメラコントロールユニットというハードウェアや、何本も必要であった配線が不要になり、すっきり準備も勘弁なのと、
B4マウントアダプタもきっと使えるでしょうから、¥30万という破格の値段と相まって、大いに受ける可能性があるのではないかという気がします(←TV業界人では私全くありませんので、超無責任な予想です)。

 撮像素子は、マイクロフォーサーズマウントカメラなのに1インチということで、(こちらは本当に何の根拠もありませんが、)Aptinaの1インチセンサが使われていたりする可能性もあるのではないでしょうか。


 4Kがシネマから始まったということで、このNABまでは放送スタジオ専用の4K60pカメラは存在しなかったため(←私の知る限り)、
RED、ソニー、キヤノンなどが、シネマ用の4K60p以上のカメラを無理矢理(?)放送にも使えるように工夫したデモ展示などを行っていたと思うのですが、
こういうスタジオ専用カメラが低価格で出てきてしまって、その取り回しの良さげな感じと比較すると、”やっぱ専用機には色んな意味で敵わないよな~”などと思った次第でした。





↑ SONY α7s

 こちらは民生機ですので、もう皆さん良くご存知だと思います。
35mmフルサイズ撮像素子搭載
1200万画素
設定可能ISO:200から 何と409600

ただ、個人的所感で結論を先に述べると、動画記録用途のカメラとしてはどうなんだろ?
というのが正直なところです。

 まず痛いのが、”外部レコーダーを用いないと4K記録が出来ない”というところ。
このカメラを動画用途で欲しいというユーザーは、当然4K記録を視野に入れている方だと思うのですが、
きっと小型であるというところもポイントだと思います。
が、外部レコーダーが必要&ちょっと真面目に映像記録しようと思ったら、最低でも上記写真くらいのセットにしないとまともに撮れず、小型であるメリットが若干スポイルされてしまいます。
 また、フルサイズというのも魅力ではあるのですが、動画用途の方が皆フルサイズを求めているかとういうと、案外そうでは無い面もあると思います。
このカメラで映像記録される方は、基本ワンマンオペレートなはずで、”フレーミングもフォーカシングも(場合によってはズーミングも)自分で行う”ことになるはずです。
そんな折、フルサイズの被写界深度の浅さでピンを持ってくるのは容易では無く、さりとて絞りっぱなしで撮るのであれば、あまりフルサイズの恩恵は受けられず。

 上記の様な理由により、トータルで見ると、”4K動画を手頃な値段の一眼タイプのカメラで撮りたい”という向きには、パナのGH4の方が適しているのではないかというのが、私の(スペックだけで比較した)感想です(少なくともパナGH4は4K動画が内部記録も可能です)。

 そして、動画ユーザーにとって痛いのが、ソニーのAX-100も同様な様ですが、
ローリングシャッター歪み
特にコメントは控えますが、こんな最新映像も挙がっています。


 そんなこんなで、否定的なことを多く書いてしまったのですが、
ソニーの思惑とは異なり(?)、のカメラ、むしろ世の中の高感度フェチユーザーに大ヒットするのでは?というのが私の予想です(^^;) (←値段によりけりですが・・・)
動画機としての色眼鏡を外し、純粋にカメラとして見た場合、
 今時フルサイズで1200万画素の低画素数=1画素のサイズの威容な大きさ(ざっと計算するに凡そ12um 8.4um□の画素ピッチ)。
メカとしての出来が良ければ個人的にはかなりストライクゾーンな製品仕様です。




 さて、長くなってしまったので、表下段のカメラについての所感は割愛します。

最後に、技術的におもしろい内容があったので一つだけ。
ソニーのPXW-X180に搭載された
”可変NDフィルタ”機能

 液晶NDフィルタを電圧制御することにより、NDフィルタの濃度を”連続的に”変更可能

通常露出は、絞り、シャッタースピード、ISO設定の三つによって調節すると思いますが、特に動画の場合は、フリッカーや絵のカクツキなどの制約により、シャッタースピードは普通作画意図が無い限り固定です。
絞りは絞りで、これは静止画も同様ですが、絵に立体感を持たせたい場合や、手前の人物から奥の人物にピン送りしたい場合等は、あまり絞りたくないという場合も多くあります。
そんな時、屋外で日陰から日向にカメラを振った時に白飛びのオンパレード・・・

 この機種は適正露出になるように自動でNDフィルタの濃度調節を行ってくれる能力などは持っていませんが、ソニーとしては将来はAFのごとく、この電圧制御の可変NDフィルタを自動露出決定の一パラメータとして使用可能になるように考えている様です。

 民生用の個人向けカメラは小型化されていないと売り上げに響くので、この可変NDフィルタが内蔵される日がくるのか怪しいですが、こういうギミックが民生機に降りてくることを、個人的には期待しています。



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画素ピッチ

いつも興味深く読ませて頂いています。
α7sの画素ピッチですが、フルサイズ36mm×24mmで1220万画素ですと約8.4μmくらいかと思うのですがいかがでしょうか。対角線長では確かに11.8μm程度ですが、画素ピッチという場合には通常は辺の長さをいうものだと認識しています。

Re:画素ピッチ

>bergoさん
はじめまして。

>画素ピッチという場合には通常は辺の長さをいうものだと認識しています。

 おっしゃる通りです。
どう計算して間違ったか忘れてしまいましたが、確かに8.4umですね。それでも「きょうびのセンサで画素ピッチが大変大きい」という結論には違いありませんが(^^;)

今後ともよろしくお願い致します。

  • imagerマニア
  • 2014/04/14(Mon.)

機材の価格

> imagerマニア さん

新規参入メーカーの機器が安価なのは、サポート体制の違いが原因でしょう。
人件費のコストは大きいです。

ローリングシャッター歪みですが、ご紹介いただいた動画では、モニターのフレームレートが遅い可能性もありますね。
公開されているAX100の実写動画を見ると、確かに上端と下端で1/60sec程度のズレはありそうです。しかし、NDフィルタを準備してシャッタ速度を1/100sec程度に落とせば、実際には問題にならないと思います。

Re:機材の価格

>新規参入メーカーの機器が安価なのは、サポート体制の違いが原因でしょう。
>人件費のコストは大きいです。

 なるほど。
2chあたりでは、よく(本当か嘘かわかりませんが)「ブラックマジックの製品は壊れたら使い捨て。それを許容できる者だけが自己責任で使え」みたいな論調を見たことがあるように思います。
(AJAがそうであるとかそうでないとかいうのは別にして)

 そうであったとしてもこの価格差。日本メーカーがサポートとブランドイメージを重視して死滅への道を歩まないか心配です(←何故私が・・・という突っ込みはさておいて、やはり日本人なので(^^;))


>ローリングシャッター歪みですが、ご紹介いただいた動画では、モニターのフレームレートが遅い可能性もありますね。

 そうですね、確かに仰るとおり可能性としてはありますね。

>公開されているAX100の実写動画を見ると、確かに上端と下端で1/60sec程度のズレはありそうです。しかし、NDフィルタを準備してシャッタ速度を1/100sec程度に落とせば、実際には問題にならないと思います。

 こちらはどういう風に理解すれば良いでしょうか?
シャッタースピードとローリングシャッタ歪みと因果関係ありそうでしょうか?
>NDフィルタを準備してシャッタ速度を1/100sec程度に落とせば ・・・?

  • imagerマニア
  • 2014/04/14(Mon.)

Re: Re: 機材の価格

> imagerマニア さん

>シャッタースピードとローリングシャッタ歪みと因果関係ありそうでしょうか?

ローリングシャッタ歪みは、画像の両端で露光された時刻が異なることが原因です。これは露光部が移動するカメラ(フォーカルプレーンシャッタ、ロータリーシャッタ、プログレッシブスキャン等)では、シャッタ速度に関係なく起こります。その意味では、シャッタ速度とローリングシャッタ歪みに因果関係はありません。しかし、シャッタ速度が低速になると、動体の被写体ブレが大きくなり、ローリングシャッタ歪みがブレに隠れて目立たなくなります。

また、動画では動体にブレが無いと不自然に見えるため、シャッタ速度は静止画よりも遅めになります。シネマカメラで使われるロータリーシャッターでは、回転速度(=フレームレート)の半分(秒24コマなら1/48sec)程度が標準的なシャッタ速度になるそうです。

本気の動画撮影ではシャッタ速度とF値が固定になりますので、晴れの日中ではNDフィルタが必須ですね。

Re:Re: Re: 機材の価格

>シネマカメラで使われるロータリーシャッターでは、回転速度(=フレームレート)の半分(秒24コマなら1/48sec)程度が標準的なシャッタ速度になるそうです。

 ビデオ(シネマでもいいのですが)で例えば60p動画を撮っている時の標準的なシャッタ速度は1/60秒なのかと思い込んでいました。
NDフィルタの件は、「普通なら”60pなら1/120秒シャッタ速度だけど”、ND入れて1/100秒にシャッタースピード遅くすればそんなにローリングシャッター歪みは気にならないレベルかもしれない」ということだったのですね。
理解しました。ありがとうございます。

  • imagerマニア
  • 2014/04/21(Mon.)

機材の価格決定など

経験的な面で話をしますが、大手企業とベンチャーにおける価格決定で大きな要素を占めるのは間接費の割合でしょうか。かつて、ベンチャーからそこそこの規模の会社に成長したいくつかの例を見ると、間接部門にかかる経費がどんどん上がっていくのが見てとれました。会社が大きな負債を抱え(た|ている)とか、そういう場合にも間接費は上昇します。一例として、それまで原価に占める間接費が20%以下だったのに、ある日を境にして30%を超え、じわじわと50%に近づいていった例を見たことがありました。

資金調達の構造とか、ブランドイメージの面とか、他にもいろいろありますが、そういうときに米国のように広く出資してくれる社会構造があることは羨ましくもあります。いまの日本は、いろいろな面で不利ですね、、、

それと、ローリングシャッター歪みですが、AX-100の例はさすがにきついです。仕事という面で見れば、パスしたい気分になるレベルだと思います(ごまかしながら使うのは間違いを起こす元なので、他を優先するでしょう)。その意味では、使えるレベルまで持っていこうとすると高額になるα7Sも同様だと思います。

まぁ、制作側も最近では予算が下りてこないので、REDとかCANON EOSが増えてきているようです。REDなんて、最初はクセが強くて嫌だと言っていた人が多かったようですが、周りが仕方なくでも使い始めてノウハウが溜り、情報交換も(現場レベルでしょうが)活発になってくるとどんどん受け入れられる方向になりましたから。

メーカーのサポートも重要ですが、それ以上に重要なのは、使う人が増えてノウハウが蓄積されていくことなんだなと改めて感じます。

Re:機材の価格決定など

>経験的な面で話をしますが、大手企業とベンチャーにおける価格決定で大きな要素を占めるのは間接費の割合でしょうか。かつて、ベンチャーからそこそこの規模の会社に成長したいくつかの例を見ると、(後略)

 間接費っていうと、広告代とかは入るのでしょうか?基本は間接部門(営業?、人事、経理、総務とか)の人件費とかでしょうか。
必ず間接費が大企業の方が大きくなるとすれば、AJAもBMDもソニーやキヤノンほどの大所帯では(今のところ)無いでしょうから、コストは必敗の構図ですね(--;)

 話が逸れてしまいますが、この経験談を聞いてしまうと嫌ですね、大企業化・・・
一体大企業になって良いことは何なのか?とか思ってしまいます。効率も落ちそうに思いますし、意思決定も遅くなっちゃいそうですし・・・
会社の規模に比例して大きなことが出きればメリットもあるのでしょうが、現在のデジタル化の波で、優秀な人数人いればそれなりのものが設計できて、受託会社に後は個数さえまとまってオーダー出来ればそれなりの値段で抑えられそうですし・・・


>それと、ローリングシャッター歪みですが、AX-100の例はさすがにきついです。仕事という面で見れば、パスしたい気分になるレベルだと思います

http://www.dmaniax.com/2014/04/20/panasonic-gh4-v-s-gh4/

元プロのtoshiさんの目から見て、上記GH4の例はどうでしょうか?
AX-100と似たりよったりといった感じでしょうか?
もしそうなら、センサの読み出し速度で律速しての30pは、業務用動画には厳しいってことですね(GH4も4Kは30pなので)。
最低でもセンサとしては60p必須と。
しかしそうなると、現状においては民生用を視野に入れた機器には、発熱、バッテリー、記録メディア等の理由で厳しそうですね。


>(前略)周りが仕方なくでも使い始めてノウハウが溜り、情報交換も(現場レベルでしょうが)活発になってくるとどんどん受け入れられる方向になりましたから。
>
>メーカーのサポートも重要ですが、それ以上に重要なのは、使う人が増えてノウハウが蓄積されていくことなんだなと改めて感じます。

↑今回最も私にとってタメになったなと思い、また「はぁ~、なるほど」となったのはここです。(やはりnet上だけを情報収集源としている私ではたどり着けない含蓄を感じます)

 とすると、鶏が先か卵が先か?の議論になりますが、
予算が下りない世界が続く限りは、まずは安くしないと普及しないから現場レベルのノウハウが貯まらずに、より普及しにくくなる・・・という負のスパイラルということでしょうか。
まあ勿論”安かろう悪かろう”ではプロには普及しないのは前提で。
とすると、パナソニックのフラグシップ機も厳しい船出ですかね・・・

  • imagerマニア
  • 2014/04/21(Mon.)

JVCカメラのセンサーメーカー

> imagerマニア さん

JVCのSuper 35センサーはAltasensの設計ですね。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/zooma/20140416_644533.html

Webサイトでも3月24日に発表されていました。
http://www.altasens.com/

Re:JVCカメラのセンサーメーカー

>JVCのSuper 35センサーはAltasensの設計ですね。
>Webサイトでも3月24日に発表されていました。

hi-lowさん、情報ありがとうございます。
遅まきながら、やっとチラッと紹介ページの方覗いてみました。

Altasens・・・時折聞く名前の会社だったのですが、元オリンパスで現JVCの子会社だったのですね。知りませんでした。

”何かそういえばsuper35mmセンサをNAB前に発表していたところがあったな~”
”super35mmフォーマットセンサってことは、動画用シネマ用のカメラに積まれる用だよな~”
と思った覚えがあったのですが、以下サイトで見た記憶でした。
http://image-sensors-world.blogspot.jp/2014/03/altasens-announces-4k-products.html

 主要スペックが公開されていますので、今度似た類のセンサのスペックと比較したいと思います。
おもしろそうな結果だったら、本blogエントリに使わせてください。

  • imagerマニア
  • 2014/04/24(Thu.)

Re:機材の価格決定など

imagerマニアさん

> 間接費っていうと、広告代とかは入るのでしょうか?

間接費の考え方は一様ではありませんが、多くの場合は人件費以外にもオフィスの賃料とか光熱水費、果ては福利厚生費なども含みます。簡単に言ってしまうと、その製品を作る直接のコストが直接費。それ以外の、会社がその維持に必要なコスト全部が間接費として各製品に振り分けられます。研究費や広告費も間接費です。

> 一体大企業になって良いことは何なのか?

一番のメリットは、事を大規模に起こせて影響力を行使できることでしょうか。欧米でも大企業になると官僚化などの弊害が起き、小回りが利かなくなってくるという話を聞きます。ですので、新しいことを始めるためのベンチャーという仕組みを有効に使おうとするわけですね。日本の場合は、ベンチャーに対する理解があまりないので苦しいところです。

> 元プロのtoshiさんの目から見て、上記GH4の例はどうでしょうか?

ひどいです。(笑)

元プロとして簡単に言うと、仕事として映像を撮る場合には最低でもふたつのことを考えなければいけません。そのひとつが視聴者で、その人たちがどう思うかです。もうひとつがクライアントで、発注者がどう思うかです。

その両方が納得してくれれば、個人的な好き嫌いは吹っ飛びます。ですので、この質問に関してはimagerマニアさんがどう思うかにも依存しますので、「どう思いますか?」というブーメランを返してみたいな、と。(笑)

> 現状においては民生用を視野に入れた機器には

現状では、話題だけでしょう。たとえば、REDでハイビジョン映像を撮っている知人から聞いたのですが、ロケから帰ってきて最初にやる仕事が編集機器へのコピーだそうです。当然ですが、問題なのはその時間。なんと、一晩では終わらないこともざらだそうです。これ、4Kになったらどうなるんでしょう?? (爆)

> パナソニックのフラグシップ機も厳しい船出ですかね・・・

この手の機器では、プロよりもハイアマ、もしくは機器マニアのほうがメインのターゲットになるのかもしれません。ただ、このへんの(購買にかかわる)構造はよくわかりません。/(^^;

Re:Re:機材の価格決定など

>> 元プロのtoshiさんの目から見て、上記GH4の例はどうでしょうか?
>
>ひどいです。(笑)

 ですか、ですよね(^^;)

>元プロとして簡単に言うと、仕事として映像を撮る場合には最低でもふたつのことを考えなければいけません。そのひとつが視聴者で、その人たちがどう思うかです。もうひとつがクライアントで、発注者がどう思うかです。

 こちらも ”なるほど” なお話ですね。

>その両方が納得してくれれば、個人的な好き嫌いは吹っ飛びます。ですので、この質問に関してはimagerマニアさんがどう思うかにも依存しますので、「どう思いますか?」というブーメランを返してみたいな、と。(笑)

 私の場合は恐らく一般的な方よりも、許容度が逆に高い部類に入る気がします。
原理的にCMOSセンサで高解像度のまま信号読み出そうとすると、ああいう映像になるのは”仕方ない”という頭が既にあるので(^^;)
 そういう意味では”一般的な視聴者”の代表値として私をサンプリング対象にするのは適切では無いかもしれません。

 が、純粋にGH4の”あの”映像をずっと見せ続けられたら酔いそうで流石にNGです。
ただ、あんなカメラの振り方をする撮影は通常無いだろうと思いますので、もう少し現実的な作例(例えば何でしょうか?GH4でのスポーツ中継とか?)を見てからtoshiさんの問いに一視聴者として答えたいです。
(そんな映像見れる時がくるのかわかりませんが)


>現状では、話題だけでしょう。たとえば、REDでハイビジョン映像を撮っている知人から聞いたのですが、ロケから帰ってきて最初にやる仕事が編集機器へのコピーだそうです。当然ですが、問題なのはその時間。なんと、一晩では終わらないこともざらだそうです。これ、4Kになったらどうなるんでしょう?? (爆)

 4Kのコピー時間や編集負荷の話はネット世界でも(web記事等含め)耳にしたことはありました。
しかしREDのrawって(ある程度圧縮してあるフォーマットであるにも関わらず)、フルHDでもそんな重たいデータになるのですね。
インターフェースとしてサンダーボルトやUSB3.0、記録媒体・保存媒体として、SSDやRAIDのHDDなどが普及してきて随分マシになったという様なことを聞いていたのですが、まだまだ一般的な現場(?)では4Kは現実的では無いのですね。
(未だDVDにSD画質で納品なんて仕事も多いなんて話も耳にしたこともあります)

 そして全く余談ですが、REDでフルHD撮影する場合もあるのですね。
REDってモアレやジャギーを気にしてるのか単にセンサ回路の設計能力が無いのか、フルHDや2Kになると、画角が変化して狭くなるよくわかんないカメラみたいなんで、REDで撮影する人は皆4Kか5Kで撮影するものとばかり想像していました。

 逆に最新のEPIC Dragon 6Kセンサの場合は、画角がsuper35mmを超えるみたいなんで、
「おいおいsuper35mm用レンズが蹴られちゃうじゃないか。プロの人の受けはこの辺どうなのだろう?REDは商業的にこれで良かったのか?」
 とか、自分が心配することでもないことに興味を持っています(^^;)。


>> パナソニックのフラグシップ機も厳しい船出ですかね・・・
>
>この手の機器では、プロよりもハイアマ、もしくは機器マニアのほうがメインのターゲットになるのかもしれません。ただ、このへんの(購買にかかわる)構造はよくわかりません。/(^^;

 このレベルの(お値段の)機器になると、実際には購入よりレンタルの方が圧倒的なんですよね?
疑問を口に出してはみたものの、私の本質的な興味は”PANASONICがこの分野で再び存在感を示せるのか?”という方ですので、購買構造の方はひとまず置いておくということで。

 今後とも色々プロの実際のところやおもしろいお話お聞かせ下さい。

  • imagerマニア
  • 2014/04/24(Thu.)

Re:Re:機材の価格決定など

imagerマニアさん

> REDってモアレやジャギーを気にしてるのか単にセンサ回路の設計能力が無いのか、フルHDや2Kになると、画角が変化して狭くなるよくわかんないカメラ

そういうことがあるから嫌がられたんですよね。当初は。(笑)

> REDでフルHD撮影する場合もあるのですね

あ、すみません。ここは正確でないかもしれません。
お酒の席でのおしゃべりですので。(^^;

ちなみに、データ量の話に関して。プロは失敗が許されないのでものすごく撮ります。自分の仕事の額より、多くの場合、出演者のギャラなどのほうが桁違いに大きいですし、移動費とか宿泊費とか、もろもろの経費を考えたら、、、(X_X;

> あんなカメラの振り方をする撮影は通常無いだろうと

ローリングシャッター歪みは、比較的近い被写体で縦線がはっきりしている場合に目立ちます。ですので、そいう絵を避ければある程度ごまかせます。とはいえ、敏感な人が見ると像の歪みが酔いにつながったりするので、できるだけローリングシャッター歪みは抑え込む形にしてほしいです。

個人的には、動画はフルハイビジョンでもオーバークオリティ気味だと思っている(妙齢の女性から苦情になったりします(苦笑))ので、それ以上のものはハンドリングや記憶媒体、編集環境などの問題がある程度解決したぐらいでは手を出さないと思います。放送業界も、現状では電波でフルハイビジョンですら流せないわけですから投資の意味を考えてしまうでしょうね。

Re:Re:Re:機材の価格決定など

>そういうことがあるから嫌がられたんですよね。当初は。(笑)
 
 なるほど、そうだったんですね(笑)

>ちなみに、データ量の話に関して。プロは失敗が許されないのでものすごく撮ります。自分の仕事の額より、多くの場合、出演者のギャラなどのほうが桁違いに大きいですし、移動費とか宿泊費とか、もろもろの経費を考えたら、、、(X_X;

 こちらも言われればわかるのですが、言われないと気づかないですね。
確かに、私が知っているような(レベルの有名な)俳優、タレント、アイドルなんかが出演者の場合には、失礼ながら映像の撮影・編集側のギャラの方が残念ながら(?)低そうですよね。
(ちなみに移動費・宿泊費は自腹なんですか?普通?クライアント側が出しても良さそうに思いますが・・・ギャラに含まれているという感じでしょうか)

上記の様な状況や、後はクライアントからの信用等が理由だと思うのですが、例によってweb上で「仕事でハックしたGH2や5Dmark3は使えない(サブ機扱いならまだしも)」(←画質面での話では無く、もしトラブッた時にメーカー保証外でかつ言い訳も不能という理由で)という話は見かけたことがあります。


>とはいえ、敏感な人が見ると像の歪みが酔いにつながったりするので、できるだけローリングシャッター歪みは抑え込む形にしてほしいです。

 4K動画は事実上はCCDでは苦しいでしょうから、CMOSセンサ採用となり、
そしてCMOSセンサでは何もしないとローリングシャッター歪みが出る。
 解決策は、
1)人間がローリングシャッター歪みが気にならない程度の読み出しスピードでセンサ信号読み出しを行う
2)グローバルシャッタ機能を搭載する

 2)の方は静止画メインのカメラではまだ例は無いのではないでしょうか。
動画機の方では、ソニーのF55とブラックマジックデザインの4K機と、今回AJAから発表されたCIONという機体あたりでしょうか。
 ソニーのF55は既に市場に出回っていますので、toshiさんやそのお仲間のプロの方の目から見て画質に問題が無ければ、今後ソニーは(少なくともsuper35mmサイズ以上で画素ピッチが稼げる動画機には)グローバルシャッター化を押し進めるのではないでしょうか。

 個人的に興味深いのは1)の方で、どのくらいのフレームレートで読めればプロの方を含めて実用上問題無い歪みに収まるのか?
 60p(≒17mSec)? 120p(≒8mSec)? 240p(≒4mSec)?
(↑学術・科学用途とかはグローバルシャッタ無いとどっちみち駄目なんでしょうけど、普通にTVや映画で流れる映像として)

 今回、toshiさんとのお話で、少なくとも1)で30p≒33mSecは映像仕事では一般的に許容外ということがわかって興味深かったです。
1)の許容レベルがどこになるかで、今後撮像素子やカメラメーカー側は1)と2)の(コストも含めた)難易度の低い方を選択する(目指す)ことになるのではないでしょうか。


>個人的には、動画はフルハイビジョンでもオーバークオリティ気味だと思っている(妙齢の女性から苦情になったりします(苦笑))

 なるほど(笑)

>ので、それ以上のものはハンドリングや記憶媒体、編集環境などの問題がある程度解決したぐらいでは手を出さないと思います。放送業界も、現状では電波でフルハイビジョンですら流せないわけですから投資の意味を考えてしまうでしょうね。

 忘れてました。現状放送って横1440とかでしたっけ?
でも国策でドンドン押し進めてますよね、放送の4K 8K化。
まあ衛星やケーブルTVでの話であって、地上波は当面なさそうですが。
しかしお話聞いていると、やはり4Kコンテンツが最も揃えるのが難しそうに聞こえました。もし放送が可能になってもしばらくはフルHDのアップスケーリング映像が主流そうですね。

  • imagerマニア
  • 2014/04/27(Sun.)

Re:Re:Re:機材の価格決定など

> ちなみに移動費・宿泊費は自腹なんですか?

一概には言えませんが、普通は発注費の中に含まれていると思います。

> 仕事でハックしたGH2や5Dmark3は使えない

それは当り前な気が、、、/(^^;
仕事で使えないというか、ハックしたはいいけど安定性に不安があるということの裏返しかと。

> 許容レベルがどこになるか

これは、まったくわかりません。ケースバイケース、いろいろな話が絡みそうですし。ちなみに、私は動画の世界はあまりわからないです。(苦笑)

> 現状放送って横1440とかでしたっけ?

基本、1080iということですが、有効垂直解像度が1080本というだけで横方向はまちまちだったような、、、 基本的に、受像側が対応していなければ放送サイドが頑張ってもどうしようもないですよね。4Kの普及は、4Kテレビがどれだけ安くなるかにかかっていると思います。4Kになれば高くても買うというのはメーカーの願望でしか、、、(^^;

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