忍者ブログ

Imager マニア

デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)

ソニー熊本テクノロジーセンターの建屋とニコンの今期のデジカメ販売台数と ~blog復帰で徒然と

GWに言い訳を求めて、2週連続blogエントリ休んじゃいました(^^;)。一応再開です。

私がサボっていた(?)最中でも、ソニー熊本テクノロジーセンターの復旧作業は進んでいたようで、今月(5月)17日~徐々に再開されることがアナウンスされた様です。
ひとまず何よりなことですね(^^)

 今回のニュースで一点”あれ?”と感じたのが、
ウェハー製造工程(≒前工程)の方が、検査・実装工程(≒後工程)よりも、被害が小さく、そしてわずかながら再開の時期も早かったという点です。
私はてっきりウェハ製造工程の方が精度が要求され、それ故製造装置にも精密なものが多く、”同じ揺れが襲った際には前工程の方がダメージが大きく、復旧にもその分時間を要すだろうな”と思っていました。
で、この↓AVwatchさんの記事・写真を見て、上記について”なるほど”と合点がいきました。

↑ソニー熊本テクノロジーセンターの建屋の基本構造図で、高層階に後工程ラインが、低層階に前工程ラインが入っていたとのこと

 まず、
①揺れの影響がより小さいと想定される低層階側に、より精度が要求される前工程ラインを設置する
 そして
②(同じ建屋と言いつつも普通のビルなどと異なり、)低層階が高層階の揺れの道連れで揺れない様に、実際には低層階と高層階は基礎部分から別の建屋として建てられている節がある
 そして(上部簡易構造図を信じると、)そもそも基礎の取り方(≒本数)も低層階の方がしっかりしている

 半導体製造工場は、ソニーに限らず割とどこも①の様なレイアウトにしているところは多いのではないかなと思うのですが、
(②は私が勝手にそういう意図なのだろうと思っただけで、実際そういう狙いなのかはともかく、)②の様な建屋の構造を取っている場合があるということを、私は今回初めて知りました。
これは結構常識的なことなのでしょうか?

結果、恐らく上記①&②の効果で、相対的にはウェハ製造工程の方が検査・実装工程よりも被害の程度が軽微で収まることになり、その分復旧・再開が早くなったということなのだと、個人的に納得しました。



 さて、上記ソニー熊本テクノロジーセンターの製造撮像素子が主にデジカメ/監視カメラ用途向けだったことにより、デジカメ各社の今後のカメラの生産・販売状況が気になるところですが、
まず、この5月中旬をもって、デジカメ生産各社の'15年度決算発表が出揃いました。
この決算は'16年3月一杯〆めのものですので、熊本の地震関係の影響は当然含まれていないものです。
 ここでは金額では無く販売台数に着目しようと思いますが、結論から書きますと、
ニコン/オリンパス/ソニー/キヤノン以外の会社は、ここ2年程度はデジカメの売り上げ台数について公表していません。
また、レンズ交換式とコンパクトデジカメの台数内訳を公表しているのは、上記4社の中でもニコンとオリンパスの2社だけです。また、キヤノンが公表しているのは厳密には台数では無く、”対前年比増減割合(%)”のみになります。
 ここ数年の各社の推移を図にしたものを以下に載せます。

※キヤノンのみ、会計期間が異なるため、上記数字は'15年1月~12月の数字(他は'15年4月~'16年3月の数字)
※ソニー、富士フイルム、パナソニックはコンパクトデジカメとレンズ交換式の内訳非公表のため便宜上レンズ交換式も含めてトータル台数を青棒として表記
※'13年データは、私がレンズ交換式とコンパクトデジカメを分けて集計していなかったので、便宜上全社トータル台数を青棒に
※上図で空欄(棒が無い)箇所は、会社が数字を公表していないことを意味します
※上図に載せていませんが、リコー・ペンタックスも決算等でデジカメに関する数字は出ておらず、またシグマはそもそも株式会社では無いため決算発表がありません(←ですよね?)

 よく言われていることですが、各社年を追うごとに台数を落としています。
この図を見る限り、まだ「下げ止まった」とは言えない状況です。
最近はデジカメの平均単価は上昇しているそうなので、売上高か利益で見れば多少心象はマシになるのかもしれませんが、
各社金額になると、交換レンズや他の事業ドメインの数字とごっちゃでしか公表しておらず、デジカメのみに着目したい場合に不明瞭感が増すので、個人的には台数で見る様にしています。

ちなみにCIPAの統計によると、'15年(1月~12月)のトータルのデジカメの生産もしくは出荷台数は、ワールドワイドで
 3500万台少々
です。
(※この数字は、生産もしくは出荷台数なので、厳密には売上台数とは差が生まれると思います)
ちなみに、デジカメが最も売れていたのが2010年で、同様のCIPAの統計
 1億2000万台少々
で、現在は、その1/3~1/4の市場という感じです。


 で、私が今回何が言いたかったか(≒驚いたか)と言いますと、上記の一般的なデジカメの販売台数の減少はよく言われていることでしたので、驚くことは無かったのですが、
ニコンの決算発表では今年度の台数予測も公表しており(←p.17:恐らくデジカメ各社の中で唯一の見通し発表だと思います)、その特にコンパクトデジカメの数字が
 対昨年度で-41%の減少予測になっていた (623万台→370万台)

ちなみにレンズ交換式カメラの減少度合も結構大きく、対昨年度比-21% (404万台→320万台)

であったことです。
 上記で何故驚いたかと言いますと、
昨今、デジカメの販売台数の減少が、下げ止まったかどうかはともかく”下げ幅は減少してきた傾向”はあり
CIPA統計で言うと、今年1~3月においては以下の様な感じで
 デジカメトータル  :対前年比-20%強
  レンズ交換式   :対前年比トントン (≒±0%)
  コンパクトデジカメ:対前年比-30%強

上記ニコンの今年度の見通しは、この1~3月のCIPAトレンドの延長上では説明が出来ない下げ予測になっていたからです。

 「いやだからそれが冒頭の熊本のソニー工場の地震被害による撮像素子出荷遅延もしくは出荷量減少の影響でしょ」
と多くの方は突っ込まれるのじゃないかと思うのですが、本当にそれだけで説明つくのでしょうか?
(他の会社も今年度見通しを発表してくれていれば、それらとニコンの数字を見比べればある程度切り分けが出来るのですが・・・)

ニコン自身の見通し分析(←p.13)でも、以下4つを原因に挙げていますが、
 ①デジタルカメラ市場縮小
 ②新製品の発売遅延
 ③為替のマイナス影響
 ④上期は「平成28年熊本地震」の影響

個人的に気になるのは②の”新製品の発売遅延”です。
その他3要因は少なくともソニーの撮像素子を採用しているのであれば他社でも共通の要因であるからです。
ニコンのこの②の原因がもし全てソニーからの撮像素子の供給遅延であるならば、②と④は独立に表記されずに
”熊本地震の影響による新製品の発売遅延”
とかいう様な表記にまとめられたはずです。

 で、回りくどくなりましたが、②の新製品発売延期の理由もニコン自身は正直に発表しています。
これに依れば、②の新製品の発売遅延の原因は、一旦は熊本地震とは一切関係無く、それぞれのカメラによって理由は異なるものの、以下二つであるとニコン自身は言っています。
 ソフトウェアの調整に時間を要しているため (DLシリーズ以外)
 ・画像処理用のICに重大な不具合があることが判明したため (DLシリーズ)

上記理由に加えて、今後更に④の熊本地震の影響が出てくる可能性があると。


 なので、今年のニコンの特にコンパクトデジカメの売上台数減少幅に驚くと共に、
その減少理由を見ると、熊本地震や市場縮小以外のニコン固有の原因も含まれている様ですので、
(他社は発表していませんが)恐らく今年、ニコンは他社よりも下げ幅は大きくなりそうだなと思いました。
昨年度3位のソニーがデジカメトータル610万台売り上げていますので、
今年度、さすがに2位⇔3位逆転は起こらないにしても、もしかしたら2位ニコン、3位ソニーが200万台差程度の僅差(?これを僅差と呼ぶかどうかは別途議論?が必要かもですが・・・)になる可能性はあるのではないでしょうか?

 ニコン及びデジカメ市況は大変心配というか気になるところですが、
シャープ東芝三菱自動車と、最近”日本の顔”だった会社の凋落(後者2社については法律違反まで)振りが顕著であるため、
それに比べると見通しを甘く立てずに、更にマイナス原因を正直に発表するあたりは、”ニコンを始めとしたデジカメ関連各社は健全な組織体質なのかな”などと安堵する面も、個人的にあったりはしますf(^^;)



拍手[3回]

PR

コメント

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

無題

ニコンは多数の製品で発売が遅れているのがちょっと心配です……

> またシグマはそもそも株式会社では無いため決算発表がありません(←ですよね?)

これは“シグマは上場企業ではないため”が正しいと思います(会社案内を見ると株式会社ではあります: https://www.sigma-photo.co.jp/company/overview.html )

Re:無題

>FTさん

お久しぶりです(^^)

>>またシグマはそもそも株式会社では無いため決算発表がありません(←ですよね?)
>これは“シグマは上場企業ではないため”が正しいと思います

 ご指摘ありがとうございます。
お恥ずかしながら株式会社とか有限会社とか(←調べたら現在はもう新たに有限会社は設立できなくなっているようですが・・・)違いが全くわかっていません(^^;)
しかし、ご指摘の通りシグマは株式会社ですので、上場企業では無いため情報開示義務が無いということなんですね。 
勉強になりました。

しかし、株式会社で上場していない(または条件的に上場出来ない)とすると、そういう会社の株式を持っているのは、どういった人たちになるのでしょうか?
いわゆる創業時に出資した人達(出資者が社員かどうかは関係無く)のみという状況が大半なのでしょうか?

  • imagerマニア
  • 2016/05/15(Sun.)

決算公告について

imagerマニアさん

決算公告については会社法に規定があり、貸借対照表及び損益計算書などの財務情報を公告する義務があります。シグマについては、以下のURLですね。^^

http://www.sigma-koki.com/pages/ir/koukoku_jp.php

あと余談ですが、EOS 20Dのデータを一部ダウンロードできるようにいたしました。もしよろしければどうぞ。^^

Re: 決算公告について

> toshi さん

共に光学機器メーカーなので間違えやすいのですが、”シグマ光機株式会社”と”株式会社シグマ”は別企業ですよ。

”株式会社シグマ”は貸借対照表を自社のWebサイトでは公開していませんので、官報や新聞での要旨の公開で済ましているのでしょう。

無題

hi-lowさん、imagerマニアさん

> ”シグマ光機株式会社”と”株式会社シグマ”は別企業ですよ。

ああ、そうでした。すみません、、、
検索して安直にコピペするのは危険ですね。以降、気を付けます。^^;

hi-lowさんが仰られるように、官報や新聞での要旨の公開で済ましているのだと思います。しかし、年商の規模を考えるとそれで済ませられるというのはすごいと思います。

完全?な貸借対照表では無さそうですが

株式会社シグマの貸借対照表、リクルートサイトに公開されているようですね。

http://recruiting.sigma-photo.co.jp/about/solid-management/

>いわゆる創業時に出資した人達(出資者が社員かどうかは関係無く)のみという状況が大半なのでしょうか?

シグマについては多分その状況なのではないでしょうか?
山木社長がどこかで「同族会社」と明言されていた様な記憶が有ります。

Re:完全?な貸借対照表では無さそうですが

>たらぞうさん

初めまして。imagerマニアです。
返信コメント遅くなりました(実は私の場合は多くの場合1週間後とかなのでご容赦お願いします^^;)

>株式会社シグマの貸借対照表、リクルートサイトに公開されているようですね。
情報ありがとうございます。

>>いわゆる創業時に出資した人達(出資者が社員かどうかは関係無く)のみという状況が大半なのでしょうか?
>
>シグマについては多分その状況なのではないでしょうか?
>山木社長がどこかで「同族会社」と明言されていた様な記憶が有ります。

上記もコメントありがとうございます。
この手の話に疎いもので、純粋に
”株はあるけど上場されてない(会社がある)”
 ⇒”誰も株を買うことができない”
  ⇒”じゃあ一体誰が株を持っているんだ?”
という疑問が出てきまして(^^;)

今後ともよろしくお願いします。

  • imagerマニア
  • 2016/05/22(Sun.)

ブログ内検索

カウンター

最新コメント

[03/21 通りすがりの人]
[03/09 hi-low]
[03/07 namaewoirete]
[03/06 hi-low]
[03/06 愛読者]
[03/05 glasstic]
[03/04 hi-low]
[02/25 NONAME]
[02/20 hi-low]
[02/15 hi-low]
[02/06 hi-low]
[01/31 中村@つくば]
[01/31 toshi]
[01/30 hi-low]
[12/23 hi-low]

カレンダー

02 2017/03 04
S M T W T F S
1 2 3
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

バーコード

プロフィール

HN:
imagerマニア
性別:
非公開