Imager マニア

毎度、タイムリーさは全く無い弊blogです(^^;)



前回blogの冒頭でも触れましたが、ニコンから、CP＋では無く意表を突いてCESで、FXとDXそれぞれのフォーマットのフラグシップ一眼レフカメラD5及びD500が発表されました。
(何故かD500のWebページはまだ作りかけな印象も受けますが・・・)

そして、このエントリを立てる前に、更に富士からもフラグシップ機X-Pro2を含む複数機種の発表が行われています。

[3回]

今年はこれからキヤノンもフラグシップ機1D Xの後継機(恐らくmarkⅡというネーミング？)を発表&発売することは間違い無いでしょうし、
ペンタックスからは既に発表済みの同社初のフルフレームのやはり(645Zを除けば)フラグシップデジタル一眼レフカメラが春に発売されますし、
恐らく、オリンパスも今年はフラグシップのOM-D E-M1の後継機(恐らくネーミングはやはりmarkⅡ・・・最近急に”markⅡ”のネーミングを採用する会社増えてきましたね。やっと慣れてきて違和感なくなってきましたが、数年前までは車のイメージの方が強かったです^^;)を発表&発売するでしょうし、
もしかしたら、今年後半にはパナソニックもフラグシップのGH4の後継機(ネーミングは恐らくGH5)を発表&発売するかもしれませんし、
ソニーももしかしたらα99の後継機を発表&発売するかもしれません。

　数年に一度しか無い各社のフラグシップカメラの新機種の発表&発売が重なるというのは、オリンピック年というのがそれほどやはりカメラメーカーにとって意味があることなのでしょうか？それともこんな偶然もあるものなのでしょうか？
　これで、意表をついて、シグマからSD1の後継機も発表&発売されたら、本当に各社一斉に揃い踏みですね(^^)しかし、そんなことになったら、来年以降しばらく楽しみが無くなりそうで怖くもあります(^^;)


　さて、本題に入る前に私の悪い癖で、まずNikonフラグシップ機D5の方の注目すべきスペック面をまとめてみると、以下の様な感じなのでしょうか。
(正直両機とも私の手の届くもので無く、もしくは届いたとしてスペックオタであるところの≒写真を本格的には撮らないイメージャーマニアには猫に小判であるため^^;本当に買う方の的を外しているかもしれませんが・・・)

【D5】
光学フォーマットサイズ　　　：35mmフルフレーム　(CMOSセンサ)
センサ有効画素数　　　　　　：2082万画素
最高連写速度(AF追従)　　　　：12 駒/秒
最高連写速度(ミラーアップ時) ：14 駒/秒
常用ISO設定可能範囲　　　　 ：100～102400
拡張ISO設定可能範囲　　　　 ： 50～328万
4K動画　　　　　　　　　　   ：UHD(3840×2160)最高30fps
　　　　　　　　　　　　　　　※外部モニタアウト及び外部レコーダーへの記録も可能
AF測距点数　　　　　　　　   ：153点
　内、選択可能点数　　　　　： 55点
　内、クロス測距点　　　　　： 99点
中央AFの低輝度側検出限界　   ：-4EV　(その他は-3EV)
raw最高解像度画質設定時
連続撮影可能枚数　　　　　　：最大200枚
記録メディア　　　　　　　　：XQD 又は CFカード　のWスロットどちらかを選択
ファインダー倍率　　　　　　：0.72倍　(視野率約100%)
最高シャッター速度　　　　　：1/8000秒
背面液晶　　　　　　　　　　：3.2型約236万ドット

　まずは画素数。
前機種D4及びD4sが約16M。
キヤノンもニコンも、この報道プロ向けがメインのフラグシップカメラでも、毎回少しずつは画素数を上げてくるんですよね。
考え様によっては、極端な話、
”1200万画素や800万画素に抑えて高感度にテクノロジーの進化を全て振り向ける”
というのもアリではないか？とも思う訳ですが、
やはり報道だけでなく、スポーツを撮るプロとアマチュア写真家がいて、それらの方々の需要を無視する訳にはいかないということでしょうか。

　ま、とは言っても画素数を増やしてもこのD5は拡張ISO設定のmaxは328万(^^;)
もう私は今後この値を”3280000”と表記はしないと思います。わかりにくいだけなので(^^;)

今回は恐らくこの拡張最高ISOのスペックとrawで200駒まで連写可能、及びAF測距点数の153点、この3つあたりが一番話題になったのではないでしょうか？

　ニコンD5の有効画角及び記録画素サイズは、
有効画角　　　：35.9×23.9mm
記録画素サイズ：5568×3712

　上記情報から、D5搭載素子の概略の画素ピッチを割り出すと・・・
35.9 ÷ 5568 ≒ 6.45um□

(ついでにD500の方の概略画素ピッチも上記と同様の方法で割り出すと、4.22um□)

キヤノンの画素ピッチ19um□のME20F-SH(←リンク中央やや下あたり)が最高”ISO400万相当”ですから、1画素の面積がその1/10強程度しかないD5のあり得無さが際立ちます。
(もちろん、正確には”設定出来る”ということを言っているだけですので、実際には画質も含めて評価・比較しなければ意味は無いことではあります。が、同じニコンの会社の過去のカメラの設定可能値と比較してもずば抜けて大きな値となっているので、今回のニコンの高ISO画質への自信のほども伺える感じがします)


　その他、imeger周りでは、4K動画採用でしょうか。
最近はパナソニックに続き、ソニーもα7S及びRのmarkⅡで、4K動画内部記録に積極的になっていたため、ニコンとしてもこの動き・流れを”ウチはstillが命の会社だから・・・”と硬派に無視は出来なくなってきたということでしょうか。
それとも最早stillとmovieの境目がなくなり、報道・スポーツカメラマンも、場合によってはパナソニックの”4Kphoto”的な切り出し静止画の使い方もあり得るというニコンからの提案でしょうか。
　また、逆に(？)”やっぱこのレベル(￥70万)のフラグシップ機レベルでも、4K動画は30fps止まりなんだな”というのも印象的でした。

　後は、静止画の連写速度である最大12駒/Sec。
個人的にはここが別の意味で気になりました。
”あ、メカの限界はこのレベルにあったんだな”
と。
　このスペック、今までは順調に少しずつスペックアップしてきていました。
が、遂にD4系 ⇒ D5の間で、進化がほぼなくなりました。
　つまり、個人的には、
12駒が、フルサイズをカバーするミラー駆動(の正確性を維持した)速度の限界
　という風に解釈しました。
以前から進化が止まっていた、最高シャッター速度の1/8000秒と合わせて、基本的にはお金を掛けられる限界がある民生品としてのカメラに、今後上記項目のスペックアップは期待しない方が良いように思います。


　で、やっとここらで(チップの製造メーカーの)本題に移りますと(^^;)

↑ニコンD500搭載　2082万画素APS-Cサイズ素子外観写真
　例によってデジカメwatchさんより

　ちなみに今回、ニコン本家のHPでは、撮像素子のまともな写真を掲載していないのがimagerマニアとしてはちょっと気になりました。
今まで、撮像素子単体の写真は、ニコンとキヤノンの中級機以上のカメラ搭載のものに関しては、公式のHPにも載せられていたと思うのですが・・・

　で、D500の方は、ちょっと写真の角度が悪いというか、本当の撮像素子の外観がこの精細な写真においても詳しくわからないため、製造メーカーについても全くわかりません(^^;)

が、

↑ニコンD5搭載　2082万画素フルサイズ素子外観写真
　同様に写真はデジカメwatchさんより

D5の方に関しては、幾人かの方も既に述べられていますが、
↓ニコンD4搭載素子と、パッケージも含めてそっくりです。

↑ニコンD4搭載　16Mpixフルサイズ素子外観写真

　ということは、
”D5はD4の撮像素子と同じメーカーが作ったのではないか？”
となる訳ですが、
D4はチップワークスが解析していて、その結果、チップ上の刻印、即ちセンサの回路を転写したマスク＝レチクルには”NIKON”の文字が書かれていました。

これは、”D4を設計したのは紛れも無くニコンである”ということを意味する(←転写された回路が書かれたマスクがNIKONのものな訳だから)と思うのですが、
皆さんご存知の通り(？)ニコンは”半導体製造装置”は作っていても、半導体チップ自体を作る工場は持ちあわせていません。
ですので、製造自体はどこかに委託しなければならない訳ですが、
それも同時にチップワークスは明言していて、
The NC81366W is fabricated for Nikon by foundry partner Renesas using 0.25 µm design rules
(↑リンク先のD4の項のtopに記載)

上記リンク先のチップワークスblogの内容意訳を数年前に弊blogで書いていたので、D4の製造メーカーのことを覚えていたのですが、

　ただ、”D4の製造メーカーがルネサスだったとしても、今回のD5もニコンが設計していたとするならば、他のファウンドリーに製造を委託していたとしても、センサの外観は似るんじゃないか？だって同じニコンという会社が設計しているのだから”
　という”D5の製造委託先はルネサスでは無い”という可能性も否定は仕切れないかなとは思います。

　が、現実的なフルサイズイメージャーの製造委託先の選択肢はそう多くは無く、
かつ、
　今までのニコンとお付き合いのある、ソニー、東芝、Aptina(現ONSemiconductor)の3社の場合は、まずかなりな確率で”設計から自分達で行ってしまう”会社だと思われます(←何故なら、過去ニコンのカメラ搭載撮像素子で、SONY、東芝(の型番)、Aptina(の型番)の刻印があるものが存在する≒それぞれの会社が設計していたため)。
　つまり、ニコン側が「設計はウチでするからチップの製造はお宅でお願いしたい」と上記3社に言ったとしても「いや基本ウチはファウンドリー事業は行っていないので、設計からやらせてください」という話になる可能性が高いのではと、個人的に予想します。

　ですので、仮にD5の外観がD4のそれと似ているのが、同じニコン設計チップであることが理由であったとしても、D5がルネサス製造である可能性は大きいのではないかなと思います。

　また、”D4と似たチップをD5センサとして例えばSONYが作った”という可能性も”０”ではありませんが、
D4、D5センサは共に”センサパッドが短辺の2辺にだけしか存在しない”という特徴が見られます。
これは最近のソニーのフルサイズ素子では見られない傾向です(ソニーのα7シリーズ素子などはセンサの4辺にパッドがある)。
SONYがニコンD5用の素子に対してだけ、急にセンサパッド配置の傾向を変更するというのは考えにくいと思いますので、全般的な見た目の違いと合わせてソニー製というのも無いかなという気がします。

対してキヤノンのフルサイズ素子は、短辺2辺のパッド配置という特徴は同じですが、さすがにニコンのフラグシップカメラ搭載素子を、モロにライバル会社のキヤノンが製造委託を受けるとは考えられないのであり得ないかなと思います(^^;)

あとは、東芝とAptinaは、知る限り共にAPS-Cサイズ素子までしか製品ラインナップを持っていないのじゃないかと思うため、やはりD5のフルサイズ素子を作ったという可能性も小さいのじゃないかなと。

　ですので、結論として、NikonD5搭載フルサイズ素子製造メーカーはルネサスである可能性が最も現状高いのではないかと思います。

ただ、上記が正しいとすると、ちょっと意外でした。
ルネサスはセンサ製造から手を引いたものばかりと勝手に思っていましたので・・・