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Imager マニア

デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)

画素ピッチ1.1um□時代の画素分離技術 ~Samsung(三星) ISOCELL

前々回エントリのAptinaのClarity+テクノロジの冒頭でリストアップした、画素ピッチ1.1um□の撮像素子(CMOSセンサ)群の中にあったSamsungの13Mpix 画素ピッチ1.12um□裏面照射型センサ
実はここにも画素微細化時代の新たな技術が投入されていました。
以下、Samsung社の株主向けの(?)資料からの抜粋。

 右上の赤枠で囲ったところにISOCELLという何やら見慣れない文字が・・・。

”こりゃ何ぞや?”
今回はそんなエントリです。


前回エントリに登場したパナソニックの表面照射型(≒従来型)センサへのこだわり。
上記ページの中に、以下の様なBSI(Back Side Illumination)型との比較図が。

左のBSIと右のFSI(Front Side Illumination)型で、左のBSI型の弱点は、”特に撮像素子周辺部で斜め光が入射した際に、波長の長い赤色光で特に隣接画素への混色が起こる”こと、としています。
その結果、逆に言うと同じ混色の度合いで良ければ、よりレンズユニットと合わせた時により薄い撮像モジュールが構成可能ですよ、と。

(FSIは何故斜め光が入ってきても大丈夫か?と言うと、導波路構造で光線を垂直方向にしっかり曲げてからシリコン面に入射させるため、隣接画素との混色も気にしなくて良いし、またその結果、フォトダイオードをより深く形成する意味も出てきて感度もupしますよ、と言っています。詳しくはこのパナソニックの発表資料にあります。)


 このパナソニックの主張だけを見ると、一方的に裏面照射型が不利な様に見えますが、そこは裏面照射組も黙ってはいません。
上記混色という画素微細化における感度downと並ぶ2大弱点(?)であるところの混色に対する策を講じてきました。
それが冒頭のSamsungの”ISOCELL”というものです。

既に次期Galaxy S5へ搭載される16Mセンサに採用される様なことが書かれています。


 ではそれはどんな技術なのか?

さきほどの株主向けの?資料の中に以下図面がありました。

 また、このSamsungのサイトには、以下の様な記述もあります。
ISOCELL technology forms a physical barrier between neighboring pixels – isolating the pixel.”
(ISOCELL技術は、隣接画素間に物理的なバリアを形成し、画素を分離するものだ)


何だ!?物理的な障壁って!?


CanonのEOS70DのDual Pixel CMOS AFの時には”物理的な仕切りは無い”と言ってみたり、今度は物理的な仕切りを入れたり訳分かんないな・・・

ってなとこころですが、上の図面の様に、完全に光を反射出来る様なバリアを画素間に本当に入れられたのなら理想的です。本当に混色が無くなることになります。

しかし、本当にそんなことが可能なのか・・・


 図面だとフォトダイオードの奥まできっちりバリアされている様に描かれていますが、裏面照射のフォトダイオードのシリコンの深さは、普通に考えたら数umのオーダーであるはずです(あまり浅すぎるとそれこそ赤色光の感度が小さくなってしまいます)。

 画素ピッチが1.12um□と言っているセンサの深さ方向に数um・・・普通に考えたら配線工程と同じで、シリコンに穴を掘って何かを埋めることになると思うのですが、あまり太い穴を掘ったら毎画素掘らなければならないので画素自体が消失してしまいかねません。本末転倒です(^^;)。
 また、それが出来たら出来たで、今度はその掘った穴の箇所近傍の欠陥(≒Si結晶の不整合によって生じる)からの暗電流などによってノイズがかなり悪化しそうです。
裏面照射型は表面照射型と比較して、ただでさえフォトダイオードの表と裏の双方に暗電流の元になるシリコンの結晶の乱れる不整合な面が存在していて、ノイズ面では不利だというのに・・・


 まあしかし、こんな技術を公表して、流石に嘘ってことは無いはずなので、出来ているのでしょうが、
 ・実際のところ具体的にどんな構造なのか?
 ・実際のところどうやって作っているいるのか?
 ・実際のところデメリットまで考慮すると、メリットはどの程度のものなのか?

気になるところです。前者二つはどちらかがわかれば、もう一方はかなりな確度で予想可能そうですが。
そして三つ目は、Galaxy S5の写真の評価が上記のメリットがいかほどのものか答えてくれることになりそうでしょうか(上の図面の花の写真の例では、混色というより飽和が大きくなっていそうですが←これは赤画素から緑や青画素への混色が無くなった結果ということでしょうか)。

 ちなみに余談ですが、冒頭のSamsungの株主向け?資料の、今後のセンサトレンドのページ

まだまだまだまだ、画素数増やして狭画素化(?)を進める予定の様ですね(^^;)



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カラーフィルター間の仕切り

"ISOCELL"は"光子を正しいPDに導く技術"で"隣接ピクセル間のクロストークを約30%減らす"と書かれていますが、PDの電子の挙動については記述がありません。

シリコン層に手を加えるのではなく、カラーフィルター間に光子を反射する縦方向の層を入れているのでは?低密度層なら全反射を起こせます。

Re:カラーフィルター間の仕切り

>hi-lowさん

>ISOCELLは光子を正しいPDに導く技術で隣接ピクセル間のクロストークを約30%減らすと書かれていますが、PDの電子の挙動については記述がありません。
>シリコン層に手を加えるのではなく、カラーフィルター間に光子を反射する縦方向の層を入れているのでは?低密度層なら全反射を起こせます。

 まさしくパナソニックが表面照射型でやっていることそのものですね。
もしそうだとすると、日本なら”JAROって何JARO”行きになりますね、あの株主向け?資料だと。
 3本光線が斜めに入ってきて、一番右側は確かにカラーフィルタ層の境界で反射していますが、中央の光線は明らかにカラーフィルタより下のシリコン層の境界で反射している図になっていますから。そもそもそれがなくてもフォトダイオードの深さ方向全てに仕切りがある図になっているというのもありますし。
 もう少しリアルな断面図を公表してくれないものですかね~(^^;)

  • imagerマニア
  • 2013/11/27(Wed.)

Re: Re: カラーフィルター間の仕切り

> imagerマニア さん

センサー断面構造ですが、マイクロレンズで光が屈折していないところから既に怪しいです。Foveon X3センサーも説明図と実構造は大きく異なっていますので、この図も説明用の概念図なのでしょう。

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