デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
前回エントリに引き続き今回もiPhone5s搭載撮像素子(CMOSイメージセンサ/imager)についてです。
その後、カナダの解析会社chipworksが、今度はセンサチップの新たな写真を公開していましたのでそちらから。
↑iPhone5s搭載撮像素子(CMOSセンサ)の上面顕微鏡写真と思われるもの
そして今回少なくとももう一つ異なるのは、chipworksによるとstacked型(積層型CMOSイメージセンサ=Exmor-RS)になったこと。
余談ですが当初のExmor-RS発表時は、White画素もRGBのカラー画素に混ぜて配置する構想だったはずだけれど、その後断念し、やはり今回のiPhone5sの積層型でもWhite画素は見られなかったですね。
↑ チップワークス公開 恐らくマイクロレンズやカラーフィルタ層を排除した後の上面写真
上の写真から、パッドは4辺にあり、パッド総数は105。(←上と左にある小さいのも含。数え間違ってたらご容赦を(^^;))
上の写真の上下左にある”TSV”(Through Silicon Via=シリコン貫通ビア?)が、上側のイメージセンサチップとこの下に隠れているISP(Image Sensor Processor?)チップとのつなぎ箇所。
今年(=2013年2月)のISSCCでソニーから報告された同じくstacked(積層型)CIS(CMOS Image Sensor)と似ているようですが、所々異なるところがあるようです。
まず、TSVのアレイがISSCC発表時のセンサは左右と下の3辺です(←以前のエントリの4枚目の写真)。
5s搭載撮像素子で上に増えたのは、(恐らく信号読み出しのための回路レイアウトと信号読み出しスピードの高速化等の理由で)信号読み出し回路を上下へ振り分けたため(ハンドル基板のISPチップ側の読み出し回路とチップ上下でつなぐ必要が出来たため)だと思われます。
5s搭載撮像素子で右のTSVがなくなったのは、
逆に、ISSCC発表時のセンサは、画素ピッチが1.12umと業界最小クラスのもので、その行ピッチの幅で垂直の画素駆動用の回路(Row drivers)のレイアウトを左右に振り分けないと効率が悪かった。なので、1行おきに垂直の画素駆動用の回路を左右に割り振ったため(ハンドル基板のISPチップ側の垂直デコーダ回路との接続をチップ左右でつなぐ必要があったため)、左右にTSVアレイが存在したのだと思います。
で、今回のiphone5s用のセンサは、画素ピッチ1.5um□で(1.12umよりレイアウト幅が増えたので)、左側にドライバ及び垂直デコーダ回路をまとめたため、右側のTSVは必要なくなったと。
↑ チップワークス掲載、更にセンサ左下部を拡大したと思われるもの
上の写真の左側のTSVアレイの幅が、今年のISSCCでソニー発表センサのもの(←一番下の写真)よりも幅広(≒TSVの並んでる列数が多く)見えるののですが、恐らくそれはその通りで、
上述の通り、画素数一緒(≒行数一緒)で垂直デコーダ及びドライバ回路を左側だけに寄せたので、左側でtopとbottomの基板の間で繋がなければならない回路が増えたためです。
ここでiPhone5sで凄く気になるのは・・・
1) 上下のTSVのアレイが、画素領域の端から端までの幅全てに存在せず、左右の端の方には存在しないように見えること
2) 今年ISSCC発表のセンサは、画素が存在するtop側に列コンパレータを配置していたが、上の写真では画素から上下のTSVアレイまでの距離が短くコンパレータを配置するスペースがないのでは?と思えてしまうこと
3) 上の写真で”bump pads”となっているものが長方形で、かつバンプ跡?が片側に必ず寄っていること
1)は、本当に左右端までTSVが存在しないのであれば、そうする合理性が私には全くわかりません(←つまり、端から端まで均等に必要な数だけ配置する方が良いのでは?と)。
2)の方は、画素ピッチが広がった分でレイアウトスペース的にこのぐらいの幅で列コンパレータが配置可能なのか、それとも単に目分量で”狭い”と思っただけで、実際は十分配置可能なスペースがあるのか、もしかすると、何かの理由で列コンパレータも下側のハンドル基板側に配置を変更しているのか。←もし変更したのであればその理由は何なのか?←スマホ向けセンサということで、カメラモジュールの投影サイズを最小にしたく、撮像素子の平面サイズも少しでも小さくする必要があり、画素以外のものをなるべくbottom側のハンドル基板側に配置したかった?
3)も意図的としか思えないので、この様に長方形にしてわざわざ片側に寄せている意味はあるのでしょうが、私には全くその理由は想像できません。
と、今回は、特にテーマは無く、最新でhotなセンサに飛びついたというだけで徒然書いてしまいました。
これ以上、ソニーやchipworksが無料で情報を公開してくれるか怪しいので、上記の私の疑問が解ける可能性は低そうですが、今後も何か新しい情報が出てきて思うところが出てくれば、またエントリさせてもらおうと思います。
公表されていない正確な1/f値と画素受光面積を使うと、発表の33%になるのでは…。
1)は、センサーのピクセルをフルに使っていない可能性があると思います。
5と5sのカメラは、センサーモジュール面積にほとんど違いがありません。しかし、センサーのダイサイズは、5sでのピクセルピッチの増加分よりも、かなり大きくなっているように見えます。10M仕様のセンサーダイを、アップルの都合で8Mとして使っているのかもしれません。
ソニーが全く同じセンサーダイで10Mのカメラユニットを販売すれば、アップルと同じ仕様にはなりませんので、アップルはスペシャル品と言い続けることが出来ますね。
また、iPhone5cは5そのままらしいので、OSのハードウェア制御ライブラリーを5sと5cで共通化するために、カメラ制御プログラムにあえて手を入れなかったのかもしれません。次世代iPhoneでは全ての機種が64bit化されるでしょうから、その際にカメラのピクセル数を増やすでしょうね。
>hi-lowさん
imagerマニアです。
>公表されていない正確な1/f値と画素受光面積を使うと、発表の33%になるのでは…。
なるほど。やっぱりF値小さい(=絞りが大きい方)は、ぴったりいかずにちょっとズルしてることもあるもんなんでしょうか。
>また、iPhone5cは5そのままらしいので、OSのハードウェア制御ライブラリーを5sと5cで共通化するために、カメラ制御プログラムにあえて手を入れなかったのかもしれません。次世代iPhoneでは全ての機種が64bit化されるでしょうから、その際にカメラのピクセル数を増やすでしょうね。
こちらもなるほどです。
こういう大人の事情(ってほどでもないでしょうか。単なる合理的な考え方≒方針)に基づいてのことなら理解できます。
しかし、次機種でも、あえての800万画素据え置きか、1000万画素程度に留めおくことを個人的には期待します。←まあiPhoneユーザーでない私がとやかく言うことではありませんが(^^;)
レンズ光学系の特許文献を見ると、開放のF値は表記桁より一桁小さな値で四捨五入されることが多いですね。F2.x付近では大きな違いになります。
また、F2.08がF2.1ではなくF2とされたりもするので、表記はあくまで目安ですね。
That's a wise answer to a tricky qutsieon
ブログ内検索
カウンター
最新コメント
カテゴリー
カレンダー
最新記事
最古記事
プロフィール