デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)
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シリコン層が3umになると、600nmよりも長い波長の光の感度が落ちそうですね。IRカットフィルターが不必要になるかもしれませんが…。
>シリコン層が3umになると、600nmよりも長い波長の光の感度が落ちそうですね。IRカットフィルターが不必要になるかもしれませんが…。
確かに言われてみればhi-lowさんおっしゃる通りですね。
(toshiさんには怒られそうですが^^;)個人的にはそうなると赤はともかくグリーン感度の方も心配です。
3umだとG波長(例えば550nmあたり?)も、きっちりは拾いきれなくて、多少スポイルする計算ですよね?
大画素ピッチセンサなら本当に微々たる差なのかもしれませんが、狭画素ピッチセンサになればなるほど、この微々たる差がだんだん馬鹿にならないような・・・?
ただ、この例えば3umという厚さが、”湾曲センサだからここまで薄くしなければならなくなったのか?”というと、個人的には少し疑問があるのです。
ストレートに言うと”現在の裏面センサも実は既にこんな(3um程度の薄さな)もんじゃないのか?”という意味です。
同じ図の裏面研磨前のt1の厚さは、特許明細上「例えば720um」となっていました。
これを研磨して3umとかにすると思うのですが、湾曲センサの機械的曲げに必要な薄さって3umまで薄くしないと駄目なのでしょうか?
何かメカ素人には、”720umは1mm弱だから曲げられないのは感覚的にはそうだろう。でも3umのレベルになれば、別に4umでも5umでも最早曲げやすさに大差は無いのでは?”と感じます。
つまり、”3umの厚さを例として選択しているのは、現状の裏面照射型センサが既に実績としてそのくらいの厚さだからなのでは?”と。そして裏面照射型センサの何がしかの制約で厚さが3umになっているのではないだろうか?と思った次第でした。
> imagerマニア さん
2010年の時点では、ソニー製BSIセンサーのシリコン層厚は8 um程度とされています。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/special/20100304_351111.html
東芝が公開している1.4umピッチのBSIセンサー資料でも、層厚は5umはありそうです。
http://www.toshiba.co.jp/tech/review/2012/10/67_10pdf/a03.pdf
この資料では、画素クロストーク低減法についても言及していますので、isocellのような技術はどのメーカーも開発を進めているのですね。
シリコン層が割れずに曲がる厚みが、3umなのかなと思います。PDの下に配線層を平たく配置すると、その反射で量子効率を上げられるかもしれません。
また、引張応力はバンドギャップを広げるようですね。
http://mos2.w3.kanazawa-u.ac.jp/htms/theme/strained_Si_Homepage/This_is_strained_Si.htm
理論は良く分かりませんが…。
>2010年の時点では、ソニー製BSIセンサーのシリコン層厚は8 um程度とされています。
>東芝が公開している1.4umピッチのBSIセンサー資料でも、層厚は5umはありそうです。
情報ありがとうございます。
やっと読みました。
仰られるように、裏面照射型の素子でも、東芝の断面写真でも最低4um以上はありそうですね(←実際光電変換可能なPD層は東芝のもので3um強の深さの様ですが)。
今回湾曲センサに関しての比較対象を同じソニー製のものとすると、ソニー製の裏面照射型センサは当時8umで作っていたのですから、特許の”例えば”の通りに湾曲センサが製造されたとすれば、”湾曲センサ製造の都合上の理由により”薄くせざるを得なかった
≒仰られるとおり、3umじゃないと曲げられない
ということなのでしょう。
きれいに湾曲させるために必要なSi薄さは相当シビアな管理が必要なんですね。認識を改めます。
>この資料では、画素クロストーク低減法についても言及していますので、isocellのような技術はどのメーカーも開発を進めているのですね。
この資料によると、東芝は今後”金属か屈折率の異なるもの”を埋めるとしていますね。
ISOCELLのPOLY-Siはシリコンに対して屈折率は変わるのでしょうか?
変わらなければ、ISOCELLのクロストークの抑止力は光子に対してはやはり限定的になる気がします。
>PDの下に配線層を平たく配置すると、その反射で量子効率を上げられるかもしれません。
なるほど。100%敷き詰めることは無理でしょうけれど、ある程度までは技術上難なく実現できそうですね(←もう既にやっているかも)。
>また、引張応力はバンドギャップを広げるようですね。
>理論は良く分かりませんが…。
確かに・・・理論はよくわかりませんね(^^;)
”歪みシリコン”というものが存在し、それが”トランジスタのチャネル領域に適用”され、そして目的は”移動度をあげるため” ということ自体は(原理は知りませんが)知識としてはありました・・・
が、それがSiのバンドギャップにも作用するというのはしりませんでした。
押しつぶしても引っ張ってもバンドギャップが広がる方向ということの様ですので(←いまひとつ納得はできませんが)、とにかく湾曲させれば暗電流が(1/5なのかどうかはともかく)減るということにつながるんですね。
> imagerマニア さん
>ISOCELLのPOLY-Siはシリコンに対して屈折率は変わるのでしょうか?
物質の屈折率は、その密度で決まります。結晶シリコンと多結晶シリコンは密度が全く同じなので、界面で屈折は起こりません。アモルファスシリコンは数濃度で10%程度が水素原子らしいので、結晶シリコンとアモルファスシリコンの界面では屈折が起こります。密度差が10%とすると、入射角が6°以下になると全反射になりますが、入射光漏れの改善には役立ちそうにありませんね。
>物質の屈折率は、その密度で決まります。結晶シリコンと多結晶シリコンは密度が全く同じなので、界面で屈折は起こりません。
密度で決まっているのですね、知りませんでした。
ご教授ありがとうございます。
>アモルファスシリコンは数濃度で10%程度が水素原子らしいので、結晶シリコンとアモルファスシリコンの界面では屈折が起こります。密度差が10%とすると、入射角が6°以下になると全反射になりますが、入射光漏れの改善には役立ちそうにありませんね。
目的として、”全反射しなきゃ意味が無い”というものでも無いのでしょうが、
ISOCELL等で議論している条件が20~30°というあたりであることを考えると、6°でやっと全反射というのでは確かに・・・
そもそもアモルファスでなくて、チップワークスの写真を信じるとpoly(多結晶)ですし・・・
imagerマニアさん
> toshiさんには怒られそうですが
いえいえ。怒りません。(苦笑)
個人的には、いまのデジカメの赤の再現性に不満はありますが…。単純に、気に入らなければその製品を買わないだけなので何の問題もありません。(笑)
怖いのは、選択肢が無くなってしまうことです。ソニーのセンサーは優秀だと思うのですが、なにか綺麗過ぎて躊躇してしまう面があります。特に、高画素化が進んでからは、自然を求めて里山に行ったのに、いたるところ整地されて手入れの行きとどいた公園になってたと。(苦笑) そんな感じもしてます。
その意味では、キヤノンや東芝などにも頑張っていただいて、多様性が確保される世界を望んでます。多様性、大事ですよね。
私のブログでちょっと書いていますが、この数年で、昔のデジカメも捨てたもんじゃないと感じるようになりました。コンピュータの世界では「最新こそが最善」ですが、カメラに関してはそれは当てはまりませんね。
私だけがそう思っていたのかと考えていたら、周囲の写真好きの皆も同じことを言い始めました。ちょっと安心しつつ、カメラメーカーには「写真って何だろう」ということを再考していただきたいです。;-)
>いえいえ。怒りません。(苦笑)
あ~良かった(笑)
>ソニーのセンサーは優秀だと思うのですが、なにか綺麗過ぎて躊躇してしまう面があります。特に、高画素化が進んでからは、自然を求めて里山に行ったのに、いたるところ整地されて手入れの行きとどいた公園になってたと。(苦笑) そんな感じもしてます。
そんな感じですか(笑) (面白い例えですね。わかるような気がします)
>その意味では、キヤノンや東芝などにも頑張っていただいて、多様性が確保される世界を望んでます。多様性、大事ですよね。
”多様性大事” 及び ”選択肢が無くなるのが困る” ←強く同意致します。
(センサやデジカメに限らずのお話で)
>この数年で、昔のデジカメも捨てたもんじゃないと感じるようになりました。コンピュータの世界では「最新こそが最善」ですが、カメラに関してはそれは当てはまりませんね。
>私だけがそう思っていたのかと考えていたら、周囲の写真好きの皆も同じことを言い始めました。
あ~、ますますカメラが売れずにメーカーがジリ貧に・・・多様性が失われる危険ありですね(笑)
>カメラメーカーには「写真って何だろう」ということを再考していただきたいです。;-)
難しそうな宿題ですね、数字に表れないもの・カタログに載せられないものを議論するというのは。
ただ、元来日本メーカー(デジカメに限らず)が強かった理由は、そういう数値化出来ないものを上流から下流の人間全てに浸透させて認識を共有させることが出来たから良いものが作れたという側面があるのではないかと思うので、
やはり日本メーカーに期待したいところですね。
↑デジカメはほとんどが日本メーカーだからそうするしかないというのもありますが(^^;)
湾曲センサーの実物が公開されましたね。
http://spectrum.ieee.org/tech-talk/semiconductors/devices/sony-creates-curved-cmos-sensors-that-mimic-the-eye
おお~。
いつも貴重な情報ありがとうございます。
勝手にイメージしていたよりも曲がってる気がします。
願わくばソニーももうちょっと解像度の良い写真を出してくれれば・・・(^^;)
The team has made somewhere in the vicinity of 100 full-size sensors with their bending machine.
↑最後のこの文、
100個のフルサイズセンサが用意できているという様な意味でしょうか?
「今回の発表用に1チップだけしか成功していない訳じゃないよ」という様な意図のアピールと読むべきでしょうか?
いずれにしても、この週末またblogに書かせてください。
> imagerマニア さん
> 100個のフルサイズセンサが用意できているという様な意味でしょうか?
「今回の発表用に1チップだけしか成功していない訳じゃないよ」という様な意図のアピールと読むべきでしょうか?
一文前の"But Sony's work is might be a bit closer to mass manufacture. "と、ご指摘の文の"with their bending machine"も重要だと思います。発表では、センサーそのものだけでなく、大量生産用機器の開発も進んでいることをアピールしたのでしょう。
日経Tech-OnにもVLSIシンポジウムでのソニーの発表について少し書いてありますけど、こちらは概要だけで新しい情報は特にないですね…。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/EVENT/20140612/358020/
どうやって曲げるのかについての詳細は明かされなかったとのことですし、もうしばらくは謎のままですかね。
>FTさん
>どうやって曲げるのかについての詳細は明かされなかったとのことですし、もうしばらくは謎のままですかね。
謎のままですね~。
このソニーのセンサは確実にchipworksの解析案件になると思いますので、いずれ構造や厚さや曲率のデータは待てば出てくると思うのですが、(←一般にも公開されると信じたいです)
製法の解析は実際作っているところを見ないと、出来たものを後から解析するのでは限界がありますからねー。
構造からある程度製法の予測精度は上がることはあると思いますけど、謎な期間がもうしばらくの間だけで済むことを期待したいですね。
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