以前エントリのblogにて、
”ジェスチャー入力カメラ(もしくはToF方式センサ)と
LYTRO(レイトロ)の様な後からフォーカス合わせ可能なカメラ(センサ)は個人的には要注目(興味あり)”
というニュアンスのことを言っていました。
CES(International Consumer Electronics Show:国際家電市)2014で、Qualcommが、彼らが
”re-focus”と呼ぶ技術デモを行っていたようです。
←写真でフォーカスを合わせたいところを選択すると・・・
←選択したひとで?にピントが合う
ですので、今回はToFセンサではなく後からフォーカスに焦点を合わせた(フォーカスした)エントリを(^^;)
[3回]
そもそもLYTROカメラのエントリをしようと思っていたのですが、旬が過ぎ、期を逸してました(^^;)
発売は2012年8月頃。
銀塩カメラや銀塩写真では絶対不可能な、写真を一度撮った後からピント位置を変更可能。
民生用途では世界初の上記機能搭載カメラで、お値段もちょっとお高いコンパクト程度の
US$399。
ですので、¥4~5万も出せば買えます。
ただし、現状日本では代理店がないので現地に行くかnetで手に入れるしかありません。
元は米Stanford Universityの教授を務めるMarc Levoy氏が15年以上前提唱した技術だそうです。
上記カメラには”たいそう特殊なセンサ(イメージャ/撮像素子)が搭載されているのだろうな”と思っていたら(情報ソースは失念しましたが)拍子抜けなことに、搭載されているイメージャー(撮像素子/CMOSセンサ)は極々普通のCMOSセンサだったはずです。
その汎用のCMOSセンサの表面にレンズアレーをつけて、
”1回の撮影で”(=1枚の画像データから)(ソフトウェア処理は当然必要ながら)いわば”ハードウェア的に”後からフォーカス位置変更を実現するカメラです。
しかし、そのハードウェア的な機構からなのか、その外観は今までのデジカメとは赴きを異にするもので、そして何となく持ちにくそうな感じに仕上がっています(^^;)。
←LYTROカメラ
だからなのか何なのか、私が思っていたほどにはその後話題にはなっておらず、そして日本で見かけることは皆無です。
また、確かに自分に当てはめて考えてみても、(もし後からフォーカス機能のついたカメラを買ったとしても)最初はもの珍しさで多用してみるものの、すぐに飽きてこの機能を使わなくなってしまうような気がします(^^;)。
なので、一部のプロ(特にスポーツやモータースポーツ系の)にとっては喉から手が出るほど欲しい機能かもしれませんが、一般ユーザーでは、”後からフォーカス機能のためだけにお金を出すことは出来ない”
つまり”普通のカメラに後からフォーカス機能もついていて、更にお値段upなし”な状態にならないと普及しないのかもしれません。
一方、ビジネスユース以外では、pcに代わりスマホ/タブレット全盛時代。
スマホ/タブレットOSはiOS、アンドロイドが支配し、マイクロソフトは完全な落ち目。
そして巨人だったintelにも陰りの色が・・・
そのintelの代わりに台頭してきたのが冒頭のQualcomm。
低消費電力を特徴とするモバイル向けCPUチップセット”SnapDragon”を携え、今やモバイル端末においては市場占有率圧倒的No.1です。
そのQualcommが'13年11月に発表した次期チップセットが”SnapDragon 805”。
このチップセットで何が出来るのか?をCES2014で熱心にデモしたようです。 ←画面上で任意のものを選択し、それ以外の箇所をボケさせる”boke effect”(^^;)
←画面上で認識させた物体を動かしてもその後ずっとトラッキングを続けるトラッキング機能
←画面上認識させた物体が、これまた任意に設定したライン(画面上の白黒の縦線部分)を通過した際に自然とシャッターが切られるオートシャッター機能
←フラッシュを炊いた画像とフラッシュを炊かない画像を2枚高速で撮影し、内部で合成し、背景及び人物の明るさ共に適切で、人物も真っ白にならないようにする”クロマフラッシュ機能”
←専用ペンを認識し、電子的に取り込む機能。そして同じペンを使いながら上の写真の様に色を任意に変更可能。
正直みな一度は聞いたことがあるような機能ばかりですが、私が今までと違うなと感じたのは、ごくごく近い将来これらの機能が、私達が”単にスマホを買えば、特にそれ専用にお金を支払うことなく、また買ったつもりも無いのに、勝手についてくる機能になる”ということだと思うのです。
そしてそんな勝手についてくる機能の内の一つが、冒頭の”re-focus機能”になりそうです。
このre-focus機能をどうやって実現しているかというと、タネはこれまた簡単で、単にフォーカス位置をずらした写真を高速で何枚も撮って、それをSnapDragon805の処理能力を活かして”fusion”(合成?)しているとのこと。
なので、冒頭の二枚の写真の元は、一端全部の箇所にピントがあっているパンフォーカスの以下の様な写真を持っていると。
←fusion後のパンフォーカス写真
原理から予想すると、恐らく動き物に対しては厳しい(←LYTROレイトロの様な専用のハードと処理系を持っていて、複数の光線に対する情報を一枚の画像データに持っているのと比較して)結果になると思われます。
が、まあこの様な風景?写真で一般用途であれば、SnapDragon805の処理が速ければ十分使い物になるのではないでしょうか?
上記もSnapDragonというGPU的にも優れたチップセット(←ハードウェア)のお陰なので、これをソフトウェア的re-focus機能と呼ぶには抵抗がありますが、まあ専用ハードウェア(≒撮像系)を持たずとも後処理だけで行えるという意味でソフトウェア的と表現するならば、
今後このre-focus機能のハードウェア対ソフトウェア対決はどちらに軍配が挙がるでしょうか?
個人的には専用ハードウェアで処理するLYTROもしくはそれに類するカメラの方を応援したいですが、実際にはLYTROカメラで高精細な画像を得るには撮像素子の画素数もまだまだ必要そうですし、お手軽安価なソフトウェア(←SnapDragon805付随機能)のリフォーカス機能の方に軍配が挙がりそうでしょうか。
はたまたどちらもユーザーにそっぽを向かれ、もしくは飽きられて、どちらにも軍配が挙がらないですかね?(^^;)
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http://imager.no-mania.com/Entry/79/後からフォーカス(re-focus)機能 LYTRO vs SnapDragon 805 ~もしくはハードウェア vs ソフトウェア?