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Imager マニア

デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)

ISSCC 2014 レビューblog意訳 ~harvest imaging ←デジタルイメージングの収穫について記載されているサイト

今回は全く人のふんどしエントリです。ご了承を。

半導体業界のオリンピックISSCCが2月上旬に開催され、今年も終わりました。
その中で、”imagingの分野の発表はどういったものだったのか?”
を、harvest imagingというサイトが取り扱っていました。

 上記サイトのことを、正直私はよくは知らないのですが、一応
アルバート・タウンゼント博士という方が創設されて、彼はデジタルイメージングに携わってきた期間が30年以上であり、サイトの目的が教育等ということで、それなりに(少なくも私個人がISSCCの内容を何か俯瞰するよりは)信用出来るかなと思い、初めて引用です(←私自身が俯瞰したくても、情報を持っていないという根本的な問題が別にありますが(^^;))。

 以下、上記ページのblogというページで取り挙げられているこのページの意訳となります。

全体的に乱暴にまとめると、今年のイメージング分野は”低調であった”ということの様です。
私もソニーが発表しない時点で(他の発表タイトルを眺めても)、何となくそんな気はしていましたが・・・
イメージセンサ分野も遂に成熟してきて伸びしろがなくなってきたということでしょうか?

 では以下からです。(途中、オレンジ色字が私のコメントもしくは勝手に入れた注釈です)
今年のISSCC2014のイメージセンサ分野における収穫は非常に少なかった(←pretty weak)。
たったのhalfセッションでしか取り扱われなかったのだ。
過去であれば2セッションが丸々イメージセンサのプレゼンテーションで埋まっていたのに。

サムスンがこの分野の最新の開発結果をプレゼンした。
その内容は、deep trench isolation と、vertical transfer gateと呼ぶものを用いるBSI CMOSセンサ画素だ。
 
 1.DTI (←Deep Trench Isolationの略だと思われます )はとても狭い、しかしシリコン中へのとても深いアイソレーション(分離)だ。
これらは個々の画素の周囲に完璧な堀を形成している。
それらトレンチは、完全に光学的及び電気的なクロストークを抑制するように見える。
DTIを形成したデバイスと形成しないデバイスのCCM(Correlative Coefficient Multiplying ?)率(←恐らく混色の度合いを示す指標)が示されていた。
そしてDTIを形成したデバイスのCCM率は、個々の画素単体の値に限りなく近かった(←つまり限りなく混色が0に近い)
この結果は、色処理後のSN比をより良くする結果をもたらす。
トレンチはpoly-siliconで満たされているように見え(←え~!)、そしてそれは酸化膜によってメインのシリコンからアイソレイト(分離)されている(???)。

 やっぱりこのサムスンのセンサの構造はこの後も調べてみたいですね。
まずどうやってpoly-siliconでトレンチを埋めるのか?そもそもpoly-siliconでクロストークを抑制する力があるのか?上記文末の(恐らく私の英語力が無いせいで訳がおかしい”酸化膜によってアイソレイト”の意味がわかりません(^^;))

 登壇者(発表者)に確認は取れていないけれども、poly-siliconゲートは、暗電流を抑えるためにバイアスを掛けることにより、蓄積状態(into accumulation)にしているのではないか。
DTI画素の暗電流は、DTIの無い通常の画素の暗電流と等しい。

暗電流のこともやはり気にしていたのですね。
そしてサムスン曰く、DTIを用いても暗電流は増えないと。
ポリシリコンゲートに暗電流を抑えるために負バイアスを掛けるというのは特許で見かけるのですが、上記のバイアスをかける対象はもしかして私の意訳が誤りで、トレンチ内のポリシリコンにもバイアスを掛けるという意味でしょうか?

画素が他の画素と100%分離されているため、ブルーミングも起こりえない。
これはDTI構造の別のアドバンテージだ。

 2.vertical transfer gate:フォトダイオードがシリコン表面に直接位置しておらず、シリコン中に埋め込まれている。
その上、転送ゲートはFDノードと同様に配置されている。
露光終了後に、電荷はFDノードへ転送されるために、ダイオードの外の上方へ転送される必要がある。
この埋め込みダイオードは、DTIとあわせて用いることにより、結果として1.12um□画素で6200電子という非常に大きな飽和電子数を達成している。

登壇者によると、Samsungは次世代のための1um□以下画素を準備しているとのこと。
私見であることを断りながら、以下二点を述べた。
 1.私は、数年前にパナソニックがIEDMで発表したカラーフィルタ間のライトガイド(light guide)と本件を組み合わせた画素を見てみたいと思っている

 2.このデバイス(構造)は三次元集積の偉大な名作だ。そしてシリコンに残されているものは最早多くは無い(←最早開発の余地は少ないと言っている?)

 何となく2のコメントで、登壇者が日本人では無いのだろうなと感じます。日本人で自社デバイス構造を傑作と表現する人は多くなさそうですので(^^;)
しかし発表者の凄い自信が伝わってくるコメントです。


以下からマイクロソフトのToFデバイスの件に話が移ります。

マイクロソフトから、彼らのToFデバイスについて良いプレゼンテーションがあった。
それらには従来の画素は用いられていない。
その新たな画素とは、広い画素内に小さな四つのトグルするゲートが配置されている。

(※ToFデバイスは、ここでは投射した赤外光が反射してくるまでの時間を計測しています。光は速いため、測定対象で反射して戻ってくるわずかな時間差を計測するために、わずかずつ蓄積タイミングの異なる転送ゲートからの信号差を読み取ることにより、測定対象との距離を算出します。上の4つのトグルするゲートというのは、この蓄積タイミングの異なる転送ゲートが4つあることを意味しています)


それらゲートの”head”にFDノードが配置されています。
(※上記は図が無いため、何が言いたいのか良くわかりません(^^;))
画素は全差動モードで読みだされます。また、露光中に部分的にリセットできるオプションも持っています。
これはバックグランドの照明を取り除くためです。
(※つまり、赤外光を照射してその反射を読む訳ですが、そもそも照射と関係無く測定空間内から入ってくる赤外光が存在し、それはノイズとなってしまいます。それを取り除くと言っていると思われます)

画素回りの回路は、以下のファンクションを備えています。
>>異なるシャッタースピードと異なるゲインセッティング →結果としてダイナミックレンジの拡張が行えます

>>複数のモジュレーション周波数選択 →距離計測の深度範囲と正確性のトレードオフの解消

>>複数位相駆動 →結果として高い精度と頑強なシステムをもたらします

 このデバイスは、0.8m~4.2mの範囲において、(距離測定の精度として)0.5%内の深度ズレを実現した。

アルバート 2/12 2014


 やっぱり後者のマイクロソフトのToFデバイスの方も文献見つけて読まないと、これだけじゃ今ひとつ何の情報にもなっていませんね(^^;) イメージセンサ部門で2つ取り上げられたtopicの内の一つなので、とても興味深い発表であったのだろうとは思いますが・・・



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アバランシェ増幅イメージセンサー

1 umの画素ピッチは、すでに光学レンズの収束限界を下回っていますので、DTIでの混色防止にどれ程の意味があるのか疑問ですね。
低調に見える時期は、既存の延長ではない新しい技術へのチャレンジが行われている時期でもありますので、来年以降を楽しみにすべきでしょう。
”シリコンに残されているものは最早多くはない”そうですが、NHK技研はアバランシェ増幅が可能な非シリコン光電変換素材を見つけたようです。意外に早く、新しい素材がシリコンPDに取って代わるかもしれません。

Re:アバランシェ増幅イメージセンサー

>来年以降を楽しみにすべきでしょう。

そうすることにしようと思います。
最近は一年があっという間で過ぎてしまうことですし(^^;)

>NHK技研はアバランシェ増幅が可能な非シリコン光電変換素材を見つけたようです。意外に早く、新しい素材がシリコンPDに取って代わるかもしれません。

まだ少し先ですが、5月には技研公開もありますしね。
技研が将来有望だと思っていれば、きっとその光電変換素材もボード展示くらいはされると思いますので、注目してみようと思います。
情報ありがとうございました。

ps しかし、だんだん膜とか~素材とかなりますと、化屋さんの世界で、ますます理解できなくなるのは何かいやです←全く個人的な話ですが(^^;)
まだまだシリコンには(いやゲルマニウムでもスズでも構わないので、半導体には)がんばってもらいたいものです。

  • imagerマニア
  • 2014/02/25(Tue.)

Re: Re:アバランシェ増幅イメージセンサー

> imagerマニア さん
リンクを忘れていました。申し訳ありません。
http://www.nhk.or.jp/strl/publica/giken_dayori/2014/d106.pdf

素材は、”銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、硫黄(S)またはセレン(Se)の化合物”と”結晶セレン”で、古典的な光電変換半導体ですね。有機光電変換膜が注目されていますが、半導体にも有望素材はまだまだ沢山あるようです。

Re:Re: Re:アバランシェ増幅イメージセンサー

>素材は、”銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、硫黄(S)またはセレン(Se)の化合物”と”結晶セレン”で、古典的な光電変換半導体ですね。有機光電変換膜が注目されていますが、半導体にも有望素材はまだまだ沢山あるようです。

 まずい、半導体でも古典的でも化合物半導体は私わかりません(^^;)えらそうな物言いでお恥ずかしい・・・

 が(?)、思い出したら、この膜のポスター展示は去年の技研公開から既にありましたね(一昨年はなかったので、目を引いたのを思い出しました)。
直接説明員に話をわずかな時間聞いたのですが、課題が何と答えられたのか忘れてしまいました。ただ、撮ったポスターの写真を見ると、”感度と暗電流の両立”、”可視光域への感度向上”の二点が挙げられていました。グラフを見ると、昨年時点では低波長域の方が感度が高く(≒量子効率が高く)、500nmでほぼ”0”になってしまっていました。
そして、最低でも6V以上電圧をかけないと、光電流を流せず、その後指数関数的なカーブで電圧に比例して光電流(≒信号)を流せるものの、それに寄り添うように暗電流も指数関数的に上昇するグラフになっていました。当たり前ですが先は流そうです(^^;)

 NHKとしては”インテグラル立体テレビ(空間像立体型再生テレビ)”と呼んでいる2030年頃を目標にしているテレビ映像撮影用の撮像素子候補としているようでした。

 今回紹介頂いたURLの文章を読んで”やっぱり考えることがNHKっぽいな~”と私が思ったのは、電圧を10Vのオーダーで必要とする膜を実用化しようとするところです。
もし原理的に10V程度の電圧が必須であるとすると、素子開発が神がかり的スピードで成功してもハンディ系のカメラにはバッテリー等の問題で採用されないだろうなーと。
狙っているところが明らかに局のリング状の三脚(?)上に据え置くカメラ用途であるところがNHKっぽいなと感じました。
 これはきっと今年もポスター展示されますね!

  • imagerマニア
  • 2014/02/27(Thu.)

Re: Re:Re: Re:アバランシェ増幅イメージセンサー

開発は以前から行われていたのですね。情報ありがとうございます。
NHKが開発したアバランシェ増幅膜にHARPがありますが、膜への印加電圧が1000V程なので、10Vで増幅出来れば大成功でしょう。
http://www.nhk.or.jp/strl/publica/rd/rd122/pdf/P32-38.pdf

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