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Imager マニア

デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)

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ソニースマホxperiaZ搭載 積層型裏面センサの動画時HDR駆動方法 ~静止画はわかるけど動画でHigh Dynamic Rangeって?

 今年の頭international CESで話題になっていたソニーのフラグシップスマホ”xperia Z”
上記スマホでimagerマニアとして加えて注目すべき点がもう一つあり、それがソニーの積層型裏面センサ初搭載製品でもあること。
 ソニー積層型裏面センサは当blogでも採りあげようとしていながら、ぐうたらして旬な時期を逃してしまっていました(^^;)

 このセンサ、裏面センサであることをいいことに(?)元々単なる支持基板だったところに処理ICを埋め込んでしまったという凄い代物。その恩恵をシステム設計側にもアピールするために、”従来の画処理エンジンを変更しなくてもひとまず以下二つの機能を提供出来ますよ”というものだった。
 1) RGBWカラーフィルタ配置で高感度。でもセンサ出力としては従来ベイヤ配列と同等の出力を行います
 2) HDR(high dynamic range)画像を静止画でも動画でも(センサ出力時点で既に)提供します

 残念ながら事後で1)の方は何らかのシチュエーションでの撮影で修復し難い粗が出たのか、機能提供を断念してしまった様ですが(そしてどさくさに紛れて?元々のGreen感度92mVの仕様も84mVと感度downしてしまっていますが(^^;))、2)の方のHDR機能は今だ健在。

 そこで今回注目するのが、”動画モード時でもHDR可能”という点。
まず、静止画の時のHDRも有していますが、こちらは既に各社よく行っている”2枚の異なる露出の画像を高速連写で撮影し、それを内部でうまいこと合成して”HDR画像を生成するという方法。

 「しかし、動画の時はどうするの?動画だから元々フレームレート結構速いよ?それにそもそも静止画と同じ方法で動画でうまくいくものなの?」
 という疑問が拭えませんでした。
そんな中、今回ソニーが公式にその方法の概要を説明してくれています。

 更に上記内容をわかりやすい図面付で補足してくれているサイトを見つけました。
上記サイトからの図面を以下転載させて頂きます。

967b164b.jpeg










 
上記の図面がもうほんとにわかりやすくて、見ただけで上記リンク内の英語を読まなくても”ああ、なるほど”と思わされるのですが、簡単に言ってしまうと


 ■ベイヤ配列ごとの2行毎に短い露光(←明るい箇所用)と長い露光(←暗い箇所用)を交互に行い、それをセンサチップ内で合成する

 上記方法だと、厳密に言うと恐らく垂直方向の解像度は何らか落ちることになると思うのですが、露光違いとは言え一応同時刻の絵を抑えているので、うまく処理すれば、垂直方向の解像度の落ちも1/2とかにまではならず最低限の劣化で済むのかもしれません。
まあ、元々動画ですので、撮影対象物が動いていればプロが見ない限りはそもそも解像度1/2でも我々は気づかないというオチもあるかもしれませんが(^^;)


 さて、もう一つ気になる点が出てきました。
ソニー公式発表の図面かわからないものなのでどこまで信じるか?なのですが、
仮に上図が正しいと仮定すると、私の”ベイヤ配列”という表現は(便宜上わかりやすいので使いましたが)実はウソになります。
 上記1)の機能の名残なのか、上図にはwhite画素が存在しているように見えます。しかも存在確率1/2もです。
仮にRGBW方式を放棄してしまったのであれば、上図の様なカラーフィルタ配列は合理的ではないと思います。
これでは色分解能が著しく落ちてしまうように素人には感じます。

しかも、この配列のまま2行毎に露光時間を変えてしまっては、例えば左2列に着目すると、”Green画素は常に短い露光画素、RBは常に長い露光画素”となってしまい、また、左から3及び4列目はその逆でgreenは常に長い露光画素、RBは常に短い露光画素となってしまいます。
 これでは単純に合成して1フレームの動画にしてしまうと、水平の解像度まで(色分解能という観点で言うと)1/2になってしまうことになると思います(←まあ実際はそんな単純な合成の仕方ではないと思うので1/2にまではならないのでしょうけれど・・・しかしそれにしたって通常のベイヤ配列の方が良い結果になると思います)。

 今回の積層型裏面センサのセンサの支持基板内の処理ICは、既にRGBW配列用に作りこんであって、後からカラーフィルタ配列を変更してしまうと、それはそれで作り直さないと正しい色処理が出来なくなってしまうという事情とかあるのかもしれませんが、もし上図が実際の製品のカラーフィルタ配列だとするとそこが残念な感じがします。

 もしxperiaZを購入検討されている方で「俺のスマホの選択基準はカメラ画質が最優先だ!」という方がいらっしゃったら、ひとまず発売後しばらく様子見してみた方が良いかもしれませんね。
しばらくしたら第二世代積層型裏面センサで、通常のRGBベイヤ配列のものが搭載されたスマホが出てくるかもしれませんので。
 

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iphone5のメイン(背面)カメラはソニー製 ~4Sからの主導権変わらず

私はiphoneは未だかつて一台も持ったことはありませんが、iphoneに積まれる部品・・・特に半導体部品には大変興味があります。
出る数が半端ではないので、採用部品メーカーに与える影響が大きいことと、appleが選んだサプライヤーということで、他の端末製品メーカーの見る目が更に好印象になって採用が更に加速される効果があると思うからです。逆に争って負けて採用されなかったメーカーは・・・

 さて、一応イメージャーマニアとしては撮像素子(イメージセンサー/CMOSセンサ/イメージャー)の方を。
前回4Sの時からオムニビジョンに取って代わってソニー製でした。
5も早速chipworksがレポートしています。結果・・・
ir-sony-v3.jpg



















ソニー製でした。 上記は赤外線カメラで透過させてチップ上の刻印を直接撮影した図。

iphonepixes2.jpg












 また、画素ピッチは1.4um□。
上記写真を見ると普通のベイヤ配列の様ですね。
オリジナル記事では、「このセンサは4Sと変わらないように見えるが、5のはuniqueな特徴を持っている」=新規センサだ と判断している様です。
その根拠となるであろう解析結果は有料ですので相変わらず手に入れられませんが(^^;)。


 その他おもしろいこととしては、前面センサもソニー製かと思いきや、こちらはオムニビジョン製の様です。
OmniVision-dirmrk.jpg



















上記写真は同様に、ダイの刻印写真。
これはどういうことなのか。
 ・(リスク面から)供給は二社購買が基本
 ・前面カメラ用には十分なスペックで供給価格がより安かった
 ・部品メーカーにより競争を促すためはっぱをかけるため
 本当のところはappleさんに聞いてみるしかわかりませんが、上記の内いずれかもしくは全てみたいな感じでしょうか。


 その他、撮像素子ではありませんが、興味深いところでは、
プロセッサA6は今回もサムスン製だった
appleとサムスンはしばらく前からスマホで係争していますから、「終にiphone5でサムスンとは縁を切るのでは?」という噂が絶えませんでしたが、その蜜月関係・・・もしくは「現状サムスンを超える信頼性と供給能力を持ったサプライヤーは残念ながら存在しない」とappleが妥協(?)したのか。


 また、半導体ではなくなってしまいますが、今回iphone下部のコネクタが30pinのものからリバーシブル接続可能な8pinコネクタに5で変更されている件に関して
 リバーシブルコネクタには実は裏表があった
これはおもしろい記事でした。
リバーシブルに挿せるというのは(USBとかと違って)大変ユーザーフレンドリーで画期的な、如何にもappleらしい施策だなと感心したのですが、iphone側の端子の受け側には片側にしか電子接点が存在せず、かつ挿す側の電子接点には裏表が存在して・・・
 いったいどうやってリバーシブルの確保を?
 そんな面倒なことをするメリットは?
と疑問に思いましたが、
 前者は、機器側で裏表の検知を行い、後者は(詳しい技術者の予想では)端子内部で信号をクロスさせることでの信号品質が担保できなくなってしまうことを恐れてやむを得ず 
 という上記記事の見解でした。

 いや~やっぱ分解記事って言うのは色々とおもしろいですね(^^)
 

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(携帯に) 東芝 41Mpixel 1.4um□ 1/1.23インチ 裏面CMOSセンサ

http://www.semicon.toshiba.co.jp/shared/sensor/TCM5101CL_Flyer_Rev10_110728a.pdf

 いや、最近のイメージセンサの開発トレンドからすれば、このセンサ特に驚きということはないのだけれど、私が驚いたのは・・・

上記センサ仕様書pdfの”アプリケーション”欄には”DSC and DVC”となっています。
つまり作ったメーカーはこのセンサを、”デジカメもしくはデジタルビデオカメラ用”というところを狙って開発していたはず。
何故かと言えば、それは恐らく”1/1.23インチ”という大きさ(及びセンサ出力電圧IOの大きさ)から上記のようなアプリケーションにしか使えないだろうと考えたからだと思うのです。

 が、このセンサを積んだスマホが発売されることが発表されました。
外面は多少出っ張っているようですが、正直このサイズのイメージャーを載せてスマホにするとは脱帽です(__)

 まあ写真を撮るための道具ですので、最終的には出てくる絵や動画が重要なのですが、遂にスマホも41MP時代なんですね~(^^;)

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「iPhone4s」のカメラモジュールの撮像素子はソニー製


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20111109/201070/

ソニー製
800万画素CMOSセンサ

iPhone4がOmni製の500万画素素子であったことから、4⇒4sでソニーがアップルを顧客として取り戻した模様。
決め手は画素数増と画質との両立か。

http://hdt.jp/2011/11/23/shareholder-sues-omnivision-to-lack-supplying-iphone-imaging-sensors/
センサ供給を行なえなくなったOmniVisionは、その事実を隠していたとして株主から訴えられているようです(^^;)

いずれにしても、現在りんごマークの会社から受注できるか否かで部品メーカーの業績は大きく浮沈するので、このポジションの争いは激化すると思われ、要注目です。

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