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Imager マニア

デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)

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’14年に発売されたレンズ交換式デジカメ一覧 ~最近のレンズ交換式デジカメ/採用撮像素子トレンド確認

今回は、前々回の”昨年1年間で発売されたコンパクトデジカメ一覧”に続き、
”昨年('14年)1年間に日本で発売されたレンズ交換式デジカメ一覧”とそれらのカメラに採用された撮像素子周りのスペック一覧です。

 もうかれこれCP+に向けて新しいカメラが続々発表され始めていまして、自分自身でも”今更!?”感が無くはないですが(^^;)、ひとまずビデオは置いておいて、コンパクトデジカメとレンズ交換式デジカメだけは個人的に傾向を抑えておきたいなと。
 ただ、多くの製品が1年で様変わりするコンパクトデジカメと異なり、レンズ交換式の分野は多くのメーカーの多くのラインナップが1年では後継機種が出てこないため、”各メーカーの揃える上から下までのラインナップ全てを俯瞰したい”という目的においては、本エントリはあまり参考にならないことを最初にお断りしておきたいと思います。
 また、来月のCP+に向けてこれからも、各社から新しいカメラが続々発表&発売されることが予想されます(CESにおいては、ニコンのD5500など新たに発表された機種も既にいくつか存在します)。
ですので、”各社の最新のラインナップを知りたい!”という目的においても、あまり適切ではありません(^^;)。あくまでも”昨年1年間の傾向”という目でご覧ください。


 さて、では本題に入る前に、前回コンパクトデジカメのエントリ同様”'14年のレンズ交換式デジカメの販売状況はどんな感じなのか?”というところから。
 
↑'14年度、各社のレンズ交換式デジカメの販売台数計画(見込み)
※単位:万台
※ワールドワイドの台数 (日本国内のみの数字ではありません)
※キヤノンのみ'14年1月~12月。その他の企業は'14年4月~'15年3月期の数字
※コンパクトデジカメも含めたトータルのデジカメの販売台数計画はこちら

 ソニーと富士とパナソニックは、レンズ交換式デジカメのみの計画(見込み)台数を公表していないので、ミラーレスの動向がわからないのですが、
一眼レフに関しては大手のキヤノンとニコンが公表しているため(この二社の台数の多くはまだミラーレスでは無く一眼レフカメラであろう というのと、一眼レフの動向を知りたいだけならソニーは無視しても大きな影響は無いだろう という前提で)わかるのですが、

 コンパクトデジカメ同様、下方修正が続いています。

拍手[3回]

上表の中の数字で”⇒”で示しているのは、下方修正の変遷で、最新のキヤノンとニコンの見通しは一番右端のそれぞれ650万台と490万台です。
ちなみに一番左端の数字(760万台、及び540万台)が、それぞれの会社の年度初めの計画台数になります。
そこから双方仲良く(?)、既に年度内に二度の下方修正を繰り返し、それら二度の下方修正を合算すると、
 キヤノン:-110万台(≒14.5%減)
 ニコン:-50万台(≒9.3%減)
となっています。
 そして先日、キヤノンは'14年の決算発表があり(ニコンの第3四半期の発表は恐らくまだ)、このp.12の上の表を見ると、レンズ交換式デジカメは対前年(年間)で-17%(ちなみにコンパクトデジカメは対前年-34%)とのこと。
日経の記事によると今期='15年は、”一眼レフなどのレンズ交換式デジカメは、1%増の640万台と3年ぶりのプラスを見込んでいる”とのことなので、逆算するとキヤノンの'14年のレンズ交換式デジカメの販売台数は640÷1.01≒634万台
ついでにそのまま’13年のレンズ交換式デジカメの販売台数も逆算し続けると、634÷0.83(←-17%)≒763万台
 つまり、キヤノンとしては、'14年当初は、”'13年と同じ台数レンズ交換式は売れる”と考えてスタートしたが、蓋を開けてみれば-17%だった。で、今年も”昨年とほぼ同等(+1%)に売れる”と考えてスタートしている・・・が、果たして今年はメーカーの考える通りにいくのでしょうかね?(不安)(^^;)

 やはり、コンパクトデジカメと同様、一眼レフは2強とも、”年度始めの読み(市況の見通し)が甘かったか、エンドユーザーが買い換えたくなる様な魅力的な製品が発売出来なかったか” のどちらか又は双方な1年だったということになりそうです。
(※ニコンは'15年3月までが'14年度なので、まだ年度途中)

昨年は、キヤノンは7DⅡ、ニコンはD810D750と、一眼レフに関しては両社とも十分魅力的な製品を発売した一年だったと個人的には感じます。
しかし販売台数の見通しを考える時、エントリー機の売れ行きの影響が支配的になると思われますので、数社がインタビューで答えている通り、この販売台数の見通しと現実の乖離は、やはり両社ともエントリー機で魅力的な製品を昨年発売出来なかったということを意味するのかなと私は感じました。

 ミラーレス陣営は、販売台数計画を公表しているオリンパスは今のところ年初から下方修正は無し。その他ソニー、富士、パナソニックは公表されていないので、メーカーの読みと実際の市場動向との関係を伺い知ることは出来ません。
 が、CIPAの今年の統計を見ると(←最下段のあたり)、ワールドワイドでならせば、昨年と今年はミラーレスに限れば凡そトントンな感じですので、メーカー側が年初に強気の読みをしていなければ計画通りに推移している可能性が高そうです。


  では以下より本題。
まず、'14年(1~12月)のメーカー別発売カメラ機種数比較から。
※レンズ交換式のリストには、個人的な興味から、国内主要各社に加えSamsungも集計対象にしています。

※コンパクトデジカメ同様”Limited Edition”やカラバリ変更で追加発売された様な機種はカウント対象から除外しています

以下に、上記表と図の集計対象とした機種一覧を載せておきます。

※”価格.comの最安値”は、本年1/2時点でのものです
※”搭載センサメーカー”は私の予測がほとんどです。間違いの無いものは一番右の”センサメーカーソース”欄に記載のあるカメラだけになります
※”画素ピッチ”は、多くはセンサ水平方向サイズをそのセンサの有効画素数の水平列数で割り、0.05um単位で四捨五入したものです
※”FSIBSI”はBSIと記載されているカメラ搭載センサが裏面照射型であることを意味します。無記入は表面照射型センサ搭載だと予想しているものになります
※”像面位相差AF搭載”欄は、○が像面位相差AFが採用されたセンサが載ったカメラとなります

※情報に誤りがありましたらご容赦の上、出来れば訂正情報をお願い致します。


①キヤノンとリコー・ペンタックス以外は、レンズ交換式カメラの年間発売機種数順と年間販売計画数順が等しくなる
 (=キヤノンは販売計画台数の割に年間発売機種数は少なく、リコー・ペンタックスは販売計画台数の割に他社に対して相対的に年間発売機種数が多い)

 薄々気づいてはいたのですが、キヤノンが年間650万台もワールドワイドでレンズ交換式カメラを販売するつもりの割には、昨年発売カメラがEOS kissX70と7Dmark2の2機種のみというのは他社のトレンドと比較すると相対的にかなり少ないです。
それでいて薄利多売で利益を上げていないかと言えば、そんなことは無さそうですし、
これはよく言えば非常に効率が良い儲け方と言えると思いますし、悪く言ってしまえばカメラの開発力が無いと見ることも出来ます。
ただ、ちゃんと調べた訳ではありませんが、恐らくキヤノンがカメラ開発に掛ける人的および予算的リソースは、共に世界一だと思われますので、後者の開発力が無いというのは考えにくいとは思うのですが・・・。
これは年末の8メーカーインタビューで多くの会社が回答している様に「今後はカメラの発売サイクルは長期化傾向になるだろう」という傾向を既に先取りしている(!?)のでしょうか?
(その割には最近はCP+で一眼レフ&ミラーレスカメラが複数機種発表されるという確度の高そうな噂もあったり・・・^^;)

 リコー・ペンタックスの方は、販売台数計画の割には発売機種数が多いと言っても、3機種ですし、
その内1機種は発売サイクルが長い中判カメラの645Zがたまたま(?)昨年に重なった結果でもありますので、さほど異質な感じはしません。むしろ一つ上の販売台数計画順位の富士フイルムがX-T1の1機種だけというのが少なすぎるという見方も出来そうに思います。


②(逆に!?)ニコンとソニーの年間発売機種数が7機種というのは凄い!
 これはならすと2ヶ月に1機種以上のペースでレンズ交換式カメラを新機種を発売している計算になります。
当然、複数の開発部隊が平行してカメラ開発を行っているはずですので、レンズ交換式カメラを2ヶ月で開発している訳では無い訳ですが、それにしても・・・。

Nikonの方はその7機種の中にフラグシップのD4sと準フラグシップのD810が入っていて、前機種発売からそれぞれ2年と1年弱しか経っておらず、プロ用機と準プロ用機としては異例の更新スピードです。
またレンズ交換式カメラの全ラインナップ数が14機種ほどですから、ニコンの場合はこのペースが続くとすると2年待てば全ラインナップが更新されることになります。

また、ソニーは昨年'14年のコンパクトデジカメの発売機種数は7機種です。
ですので、何とソニーの場合は、”レンズ交換式カメラでもコンパクトデジカメと発売頻度(?)は変わらない”ということになります。

そして、上記2社にサムスンを加えた3社は、ここ二年だけ見るとレンズ交換式デジカメの発売機種数を増やしてきていることも見て取れます(←Samsungは”たまたま'13年より'14年の方が多かった”と見ると事も可能ですが、ソニーとニコンの2社に関しては、意図して増やしたと見るべきだと思います)。


③キヤノン/パナソニック/オリンパス/富士フイルムの4社は、ここ2年を見ると、レンズ交換式デジカメの発売機種数を減らしている

 ただし、これは意図したものなのか、たまたま製品の発売サイクルの谷間の年だったのか、私には判別がつきません。単なる事実です。
(↑ただ、市場が右肩上がりの際には見られない現象ですので、冒頭の通りレンズ交換式カメラ市場も成熟市場(?)となった影響が出た結果ではあろうと思います)


 また、触れませんでしたが、シグマはレンズ交換式デジカメのラインナップ(SD1)を持っていますが、ここ2年はレンズ交換式カメラを1機種も発売していません
SD* quattro(レンズ固定式≒コンパクトデジカメ)の開発に注力していた結果と思われます。
まあこの会社のベースは”レンズメーカー”ですし、カメラに関してはその搭載撮像素子の独自性からくる唯我独尊的立ち位置だと思いますので、周囲のメーカーや市場環境などある程度無視してマイペースを貫く姿勢で良いのだと思います(^^;)

また、パナソニックはここ二年、4機種、3機種とコンスタントにレンズ交換式デジカメを発売してきています。
この会社のレンズ交換式カメラのラインナップがそもそも現状4~5機種というところですので、パナソニックの場合には”毎年各カメラの更新”を行って、後継機を発売しているというイメージになりそうです。



↑'14年発売のレンズ交換式デジカメ全29機種の、有効画素数内訳

 レンズ交換式カメラは、各社のマウント別の撮像フォーマットサイズによって画素数の傾向が変わります。
ですので
この様な単純な有効画素数割合処理に、コンパクトデジカメほどには意義は無いと思われますが、一応近年の傾向を掴むために行ってみました。
 私なりの観点で読み取れることを以下箇条書きにします。
 ・主要な画素数帯は三つで、1600万画素、2000万画素、2400万画素
 ・乱暴にまとめれば、'14年発売機種はその8割が有効1600万~2500万画素未満
 ・1600万画素台は、昨年のマイクロフォーサーズ陣営発売レンズ交換式カメラ全て、及び富士のAPS-C、ニコンの高感度重視のフラグシップフルサイズのD4s
 ・2000万画素台は、様々。ただし特徴は全てAPS-Cサイズ素子搭載機種であること。
  詳細は、SAMSUNGのフラグシップ以外のAPS-Cサイズと、PENTAX K-S1、CANON 7DⅡ、ソニーα5000(型落ち)、QX1(Eマウントだけカメラ)
 ・2400万画素台は、ソニー及びニコンのAPS-Cサイズカメラ及び、ニコンフルサイズのD750
 
 ⇒別の見方をすると、
  1600万画素未満:超高感度優先のα7s(フルサイズ)、PENTAXのQシリーズ(1/1.7インチ)、Aptina1インチ(型落ち)
  1600万画素:マイクロフォーサーズ+富士のAPS-C
  1800万画素:Aptina1インチ(Nikon1)
  2000万画素:Samsung及びCanonのAPS-Cに、ソニーの型落ちAPS-C
  2400万画素:ソニー製のAPS-C及びフルサイズ素子搭載機
  2500万画素以上:ペンタックスの中判カメラ、NikonD810(フルサイズ)、Samsungのフラグシップ(APS-C)


 
'14年発売のレンズ交換式デジカメ全29機種の、撮像フォーマットサイズ内訳

ぱっと見で、ある意味当たり前ですが、APS-Cサイズ素子搭載カメラが一大勢力で、半数近くを占めます。

また、希少価値が凄く高そうなイメージを個人的に持っていたフルサイズ素子搭載カメラも、発売機種数ベースで見ればさほどでもなく、実はフォーサーズカメラと同じ数だけ開発・発売されていることにも気づきます。

コンパクトデジカメでは一大勢力にのし上っている1インチサイズ素子は、レンズ交換式カメラ分野においても、(ニコン1シリーズとSamsungが1機種出しているだけなのにも関わらず、)無視出来ない割合で開発・発売されてるんですね。
 
 また、別観点で、
中判と1/1.7インチサイズ素子搭載カメラをラインナップにそろえているPENTAXが、如何に競合他社と似た領域で戦わない様にケアした戦略を取っているかが浮き彫りにもなるグラフとも言えそうです。
(↑グラフの上と下の端を共に1機種だけペンタックスが取っているため。まあ、APS-C機はボリュームゾーンなので、商売上そこも出すのは仕方ないとして^^;)
 

 その他、今回はグラフや表にはしませんが、冒頭の一覧表より、以下。
■CCD or CMOSのセンサ種別については、
 ペンタックスの中判645Zが、前機種のCCDからCMOSセンサへの変更となったので、100%CMOSセンサ搭載カメラのみ
 
CMOSセンサにおいて、表面照射型か裏面照射型かは、ほぼ表面照射型素子と思われる
 裏面照射型素子採用が確実なのは、以下3つのカメラ
 PENTAX Q7 (1インチ)、Samsung NX1(APS-C)、NX mini (1インチ)
 


↑'14年発売レンズ交換式カメラの、採用撮像素子画素ピッチ内訳

■採用センサの画素ピッチは、全体の7割のカメラ搭載素子が4um□前後に分布
 3um□後半~5um□までで、全体の約70%を占める
■画素ピッチの大きいセンサと小さいセンサは、如実にセンサフォーマットサイズに依存したサイズになっている
 つまり、画素ピッチ1um□台のセンサは、1/1.7インチフォーマットのペンタックスQ-S1で、
2um□台センサ搭載の4台は、いずれも1インチフォーマットのNikon1の3台+Samsung NX mini。
他方、上の5um□ピッチ以上のセンサ搭載の4台のカメラは、ペンタックスの中判サイズの645Zと、各社の高感度番長を自認するフルサイズの3機種
で、それぞれ構成されています。

 逆に、
■7割を占める4um□前後の画素ピッチのセンサは、マイクロフォーサーズフォーマットからフルサイズまでいずれのカメラにも採用されており、特にフォーマットサイズ依存というのは見られない様です。
 ↑これは各社、センサ諸特性を維持しながらの画素微細化技術がそれなりに同じ水準であることを意味するのでしょうか。


 さて、来週の今頃には、各社のデジカメの今年を占う機種があらかた発表されている頃でしょうか?
やはり個人的に最も興味があるのは、スマホ、コンデジでは無く、今回取り挙げたレンズ交換式カメラ分野とその搭載撮像素子に関してです。
多くの刺激的なカメラと、その搭載撮像素子に関する情報開示を期待したい(^^;)と思います。



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無題

4μmの画素ピッチで光の全くロスのないレンズがあってもF11くらいから回折ボケが出るって10年ほど前の文月涼さんの記事で読みましたけど一眼レフも4μm台になってしまいましたね。画素数あげるとデメリットもあるのでソニーのα7ように画素数多めのモデルと少なめのモデルの二パターン出してほしいです。

エアリーディスク

点光源をレンズがどの程度の大きさに結像するかは、エアリーディスク径を計算すれば分かります。カメラ用レンズ光学系では、以下の近似式が適用可能です。
 直径=1.22×波長×撮影F値

可視の赤色光を800 nmとすると、無収差の理想レンズでも、F4で赤色光は直径4 umのスポットにしか収束されません。ニコンがAPS-C型24M画素センサのOPLFを廃止したのは、これが大きな理由だと思っています。

画素ピッチがさらに狭くなって可視光波長に近づくと、マイクロレンズは機能しなくなりますし、FSIでは配線が回折格子となって光が透過できなくなりますので、画素ピッチの狭小化競争はもうすぐ終わるでしょうね。

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