デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)
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オリンパス OM-D E-M1発表。
オリンパスのフラグシップ機とのこと。
そして同時に社長自ら潔く事実上の一眼レフ終了宣言(?「現時点では新しい一眼レフ機を出す意思はない」)。
↑オリンパス公式HPより
話は少し逸れますが、噂掲示板(?)を眺めていますと、ソニーも何やら雰囲気的には今後αマウントをEマウントに統合か、αマウントもミラーレス化していく気配あり。
もし仮にそうなるとすると、レンズ交換式カメラ分野で言うと・・・
一眼レフ(も)発売メーカー:キヤノン、ニコン、ペンタックス(リコー)
ミラーレス専業メーカー :ソニー、パナソニック、オリンパス、富士
(そして加えてコンパクトデジカメ専業メーカーのカシオ)
ということになり、実際には「やはり一眼レフ分野では2強に敵わない。こうなったらミラーレスの将来性に賭ける」という内情で、ミラーレス連合が形成されてきた、と言えるでしょうか。
ペンタックスは、社名の由来にもなっているだけに、簡単には光学ファインダーを捨てることは出来ないか。それとも「もうリコーになっちゃったし」ということで、その内やはりミラーレス専業に向かうのか・・・。
どちらにしても、”レンズを資産”と考える向きにはよりわかりにくい時代になったと思われます。キヤノン、ニコンにしたところで、ミラーレスカメラには万一に備えて(?)体重は乗せてないにしても片足は踏み込んでいる訳で、今後の世の中の趨勢如何ではどこの会社がどのマウントなりカメラ事業自体から撤退に追い込まれるかわからないからです。
少なくとも、”会社が潰れるまでカメラ事業は潰さない”という気概のメーカーのレンズを揃えるのが良いとは思いますが、現状はどの会社とて”カメラ専業”メーカーは見当たらない訳で、悩ましいところではないでしょうか?
さて、既に心中先のメーカーを心に決めている方や、カメラ自体に興味の無い方には話が逸れ過ぎてしまいました(^^;)
今回は、オリンパスも遂に像面位相差AF搭載撮像素子を採用したとのことで、HPにその像面位相差AF画素配置が簡易的に載った写真(↓)もありましたので、それをネタに、それと各社の配置比較を交えながらいきたいと思います。
で、本題に戻りますと、このオリンパスのHPの写真からわかることは以下二つ。
①位相差AF画素配置が離散的
②位相差AF画素が配置されている画素は元々はGreen画素
①については、過去わかっていることから私的には大雑把に言って以下2通りになってきているのかと感じています。
1)離散配置型
2)ライン状配置型
1)は、今回のオリンパスのE-M1とキヤノンのKissX6i (←恐らくキヤノンがハイブリッドCMOS AFと呼んでいるカメラは全てこれと思われます)
つまりオリンパスとキヤノンは1)の派閥
※ただし、キヤノンのDual Pixel CMOS AF機は除く。何故ならあれは全画素位相差AF画素なので1),2)には分類不能で、ある意味3)全画素配置型
2)は、Nikon1V1(Aptinaセンサ)とソニーのα99。
つまり、ニコンとソニーは2)の派閥
そして(私にとって)未だ不明なのが富士。
昨年CP+の時の富士ブースでの(恐らく社員向け)動画を見ると、1:35秒あたりから「笑わせるぜ位相差が1列なんて~(←ニコンを揶揄)、位相差が少なすぎてあたらないね~(←キヤノンを揶揄)」という替え歌歌詞になっており、逆に言うと「うちは双方どちらの配置でもないよ」ということを暗に示しているはずです。
しかし、私には”1)でも2)でもない配置”というのは(3)を除いては)想像出来ないところではあります。
次に②の方は、以下の違いが各社存在するようで、
3)Green(緑)画素を位相差AF画素とする派
4)Red(赤)とBlue(青)を位相差AF画素とする派
5)その他、もしくは不明派(?)
1)は、少なくとも元々Green(緑)だった画素を位相差AF画素にあてているのは、ソニーα99と今回のオリンパスOM-D EM1。
つまり、Sonyとオリンパスは3)の派閥
2)は、キヤノンのKissX6i (←恐らくキヤノンがハイブリッドCMOS AFと呼んでいるものは全てこれ)。つまり、Canonは4)。
で、富士は配置が不明なので、この②の方も不明。Nikonは横一列位相差AFにあてているのでベイヤ的に言うと少なくともGreenとBlue画素がある行がchipworksの解析写真では位相差AF画素とされているよう。(←しかし、”全画面中で9行位相差AF行がある”とのことなので、写真に無い他の行がGreenとRed行である可能性もあり)
で、キヤノンのEOS 70Dは全画素なので、3)のその他で、敢えて分類すると”全色”位相差AF派。
いやー、”AFシステムの呼称”、”像面位相差AFの配置”、”像面位相差AF画素を何色画素に配置するか”、いずれを見ても各社各様。
如何にも技術確立が済んでいない黎明期の空気を感じさせ、1消費者的にはワクワクさせられる状況です(^^)。
今後もこの分野はウォッチングを続けていこうと思います。
ちなみに、今回のオリンパスのHP写真の位相差AF画素配置を見ると、(拡大してみないとわかりませんが)、同じ”列”の上下にあるGreen画素の反対側同士が左右に半分ずつ隠されています。
で、行が異なる別のGreenは、さきほどのGreenとは水平位置が丁度半位相異なるところが像面位相差AF画素となっており、そしてやはり同じ列のGreen画素が左右に半分ずつ隠されています。
つまり、同じ”列”にあるGreen画素同士2個を1対のAF画素として機能させているということなのでしょう。
そしてすぐそばのGreen画素を像面位相差AF画素として対にしないのは、(像面位相差AF画素を)補正しやすくするため、水平方向の位相を半分ずつズラすのは水平方向のAF可能な分解能を少しでも上げるためではないでしょうか。
最後に、各社今のところ共通していることが一つありそうです。
それは”像面位相差AF画素が左右に分割されている”ところ。
(※明らかになっていない富士と、厳密には断面写真で正確にはわからないソニーは除く)
上下に分割されている像面位相差AF画素があってもよさそうなのにも関わらずです。
原理的には水平方向分割のみでは、縦線検出は可能でも横線検出は不能になるはずですので、どこかがやってもおかしくは無いと思うのですが・・・
カメラメーカーにシグマを忘れていますね(^^)。
上下分割の位相差検出用画素がないのは、単純にシグナルの読み出し方向の問題だと思います。
フジがき隊は面白いですね。
富士フイルムは、一定間隔でG画素を位相差検出素子にしているようです。
http://fujifilm-x.com/development_story/ja/sensor/
X-Trans配列を利用した高密度離散配置ですね。キヤノンのDual Pixel CMOS AFはやり過ぎと感じますので、富士フイルムぐらいが実用的な密度かもしれません。
>カメラメーカーにシグマを忘れていますね(^^)。
あれ?確かに(^^;)。どうしてもタムロンと共に”サードパーティレンズメーカー”に本能的に分類してしまうんですよね(笑)。
しかしFOVEONセンサ搭載カメラを世に送り出したことは本当にリスペクトしています。
>上下分割の位相差検出用画素がないのは、単純にシグナルの読み出し方向の問題だと思います。
こちらも確かに。1行で10uSec程度の読み出し時間差として、10行離して位相差AFの対の画素を置いたとしても0.1mSec。高速移動物体が被写体で無い限りは現実的に使えそうな気はしますが、労多い割に大きなメリットが望めないとかそんな感じでしょうか。
>富士フイルムは、一定間隔でG画素を位相差検出素子にしているようです。
>X-Trans配列を利用した高密度離散配置ですね。キヤノンのDual Pixel CMOS AFはやり過ぎと感じますので、富士フイルムぐらいが実用的な密度かもしれません。
緑を位相差AF画素にあてているんですね。初めて知りました。ありがとうございます。
密度については欲を言うともう少し広い領域で知りたいですねー。紹介して頂いた先の富士のサイトの図面だと、6x6の最小CF繰り返し単位の内2画素になっていますが、これが全画面にわたりそうなのか、ニコンの様に全画面の内いくつかの行のみなのか?
そういう意味ではソニーの配置ももう少し知りたいところではあります。
ソニーはコントラスト+像面位相差のEマウント機では“ファストハイブリッドAF”と呼んでいますよね。
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201210/12-1030/
それを踏まえるとコントラスト・像面位相差併用の場合は“ハイブリッド”と呼ぶのが主流かなという気がします。
>FTさん
初めまして。imagerマニアです。
>ソニーはコントラスト+像面位相差のEマウント機では“ファストハイブリッドAF”と呼んでいま
>それを踏まえるとコントラスト・像面位相差併用の場合は“ハイブリッド”と呼ぶのが主流かなという気がします。
そのようですね。教えてくださってありがとうございます。
トランスルーセントミラーも消し去られる運命な気がしますので、ソニーではむしろ教えていただいたファストハイブリッドAFの方が主流になりそうですね。
今後ともよろしくお願いします。
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