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Imager マニア

デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)

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曲がってる~ ソニー湾曲センサ実物 ~大きいのと小さいの両方きた!


↑百聞は一見にしかず

どうでしょうか?
私は勝手に思い込んでいたイメージよりも曲がっていました(^^;)

どうやらソニーの湾曲センサが今週行われていたVLSIシンポジウムで予定通り発表された様です。
恐らく上記写真はそこから出てきたものだと思われます。
実際に写真を頂いてきたのはこちらのサイトから。

恐らく、四隅の斜めに線が入っている様に見えるところの外側が、元々の平面で、それより内側が下凸に凹んだ部分なのではないでしょうか。

しかし、曲がり過ぎてしまっていて見た限りはセンサ上をカバーガラス等で封止出来ていませんね(笑)
もしこのままカメラに載って発売されてしまったら、ハイアマチュア、プロの方がセンサ表面のゴミ取りや清掃時には細心の注意が必要で、気が狂ってしまいそうです(笑)

 また、封止が出来たとしても、もしパッケージがこのままの場合、センサパッドとパッケージ側のパッド間のワイヤーボンディングに難が生じそうです。
それにセンサダイのパッケージへのボンディングもこれでは理屈上は一点止めとなってしまって安定しなさそうに思います。
学会発表用に一つセンサを作る分には良いのだと思うのですが、量産時にはどうするつもりなのでしょうか?
パッケージ側も一緒に湾曲させる?
↑これもなかなか手間とコストがかかるように思いますが・・・

 それとも上記に対する対策は既に何等か万全で、今回はセンサが曲がっていることをわかりやすく見せるためのソニーの計算ずくの写真でしょうか?だとしたら、センサ製造技術だけで無く、アピール戦略も相当ソニーは高度だと思います。

拍手[2回]

上記サイトに既知の情報も含め追加情報もありましたので、私が興味があるところを以下(私の感想付←ご容赦)意訳抜粋します。

①湾曲CMOSセンサは、ソニーが作った”bending machine”を用いて作られた


 ベンディングマシーンって一体どんななんでしょう?凄く興味があります(^^;)
 結局上記サイトを最後まで読みましたがそれについては何も書いてありませんでした。
 そしてこちらのサイトの冒頭を読んでも、実際VLSIシンポジウムにおいてもソニーはその手の情報は開示しなかったようですね。


②湾曲センサは従来平面センサに対しいくつかの長所がある。
 センサ周辺部でも(センサ中央部に向け曲がっているため)よりストレートな光を受けることが出来、結果としてシンプルなレンズシステムでより高い感度を得ることが可能となる
 更に、CMOSセンサを曲げることにより、撮像面に張力が働き、シリコンのバンドギャップに作用することによって暗電流が低減する

 上記は驚きの内容ではありますが、既に過去エントリの時にはVLSIシンポジウムの目次?欄に既に記載されていた内容ですね。


③湾曲センサは従来のフラットセンサ(?平面センサ)に対して、中央部で1.4倍、周辺部で2倍高感度

 これ、以前のエントリで読み間違えたところですが、今回改めて読んでみて感じたのですが、
 ”レンズも込みのカメラシステムとして「従来よりもこれだけ高感度なんですよ」”というアピールな気がしてきました。
 つまり、湾曲センサを使えばレンズ構成がシンプルに出来、同じ光学性能を目指した場合のレンズ使用枚数を減少させられるため、レンズによる光量減少を抑えられます。
ですので、”従来のレンズ構成も込みのカメラとして比較した場合、それぞれ1.4倍と2倍の感度upなのです”という。
 ちょっとそう理解しないと、さすがに湾曲させたからと言ってセンサ中央部で感度が1.4倍になる理由が思いつきません
 もしくは、”暗電流が1/5に低減させられたことによるノイズ減少を考慮して、「1.4倍高S/Nなんです」”という意味なのでしょうか?


④”machine”はセンサを湾曲させるために使った。湾曲後にセンサを安定させるためにセラミックによって(湾曲センサを)裏打ちした

 さっきから出てくるこの”machine”が一体どんなものなのか気になります(^^;)

 セラミックの裏打ちの件は、以前本blogで取り上げた二件の特許(コレコレ)には書かれていなかった製法部分のコメントですね。
少なくとも現状後者の特許に書かれている”湾曲させる台座代わりにウェハ自体を使う”というのはまだ実現できていなさそうな雰囲気を感じます。
もし実現出来ていたなら、セラミックによる裏打ちは不要ではないかと思うからです。

 また、”bending machine” を使うという下りからも、何となく”ウェハ状態のまま各チップをいっきに湾曲させている”というよりも、チップの状態になってから”1チップずつ丁寧に湾曲させている”という空気を感じました。
もしそうだとすると、やはり量産性に関しては効率は低そうですね。


⑤ソニーの糸長氏は「人間の目と同じ程度に(センサを)湾曲させることにも成功した」と言ったが、実際どの程度曲げたかは明らかにしなかった


⑥今回、二種類のチップの報告があった。
 一つは対角43mmのいわゆるフルサイズセンサ ←冒頭の写真は恐らくこちらですね。
 もう一つはモバイル用途に最適な、より小さな画素を誇る、対角11mmのチップ

 前者のフルサイズチップの方はもうほぼほぼ間違い無く、RX1後継機(RX2?RX1mark2?)に搭載なんでしょうね。
ここまできてそれ以外予想がむしろできません。

 残る気になることは、
 1)発売がいつ頃になるのか? (←センサが実用化されるのはいつ頃か?)
 2)お値段は据え置きか?
 3)カメラ(レンズ)筐体は、性能据え置きで小型化か?大きさ同等で高性能化に振るのか?その両方か?
 4)このフルサイズセンサはまさか裏面照射型だったりするのか?

 1)は年内がありえるか? でも個人的には遅くとも来年前半くらいには発売になりそうな気がします。

 2)のお値段は、残念ながら安くなることは無いように思います。このまだ希少そうな湾曲センサを搭載して、カメラのお値段据え置きに出来るか?というところが個人的に注目点です。

 3)はもう技術的には意のままに出来るでしょうから、後はソニーの商業的な戦略でどちらに振るか次第だと思うのですが、
個人的には大きさ据え置きで、残りを全部レンズ性能の方に振る方向(例えばF値が無茶苦茶小さくて明るいとか)が希望です。
が、”フルサイズセンサ搭載なのに、こんなに薄いカメラが出来ました”
という方が、世間的な話題にはなりそうで、そっちの方向にいく可能性も十分あるのかな~などと。

 4)は、普通に考えたら表面照射型センサであろうと思います。
何故なら超高画素機で無い限りは、フルサイズの画素ピッチの大きさであれば、表面照射型であろうとも裏面照射型にさほど光利用効率で不利になることは無いだろうからです。
(だから、普通はわざわざコスト高な裏面照射型にはしないだろうからです)

が、以前紹介したソニー特許では、”湾曲センサは表面照射型も可能”とは書いてはいるものの、基本的にはみな実施形態の例においては裏面照射型を挙げて書かれているのが気になります。

 湾曲センサを製造するのに、シリコンウェハを研磨して薄くする工程が必要になるのはほぼ間違い無いと思うのですが、裏面照射型センサにも同様の工程が必要です。
が、表面照射型センサにその様な工程は不要です。
何か上記の様な関係で、”湾曲センサは裏面照射型センサの方が製造しやすい”というような裏事情があった場合には、今回試作の?フルサイズセンサが裏面照射型である可能性もあるのかな?と思いました。
 何故この様なことを気にしているのかといいますと、もしこれがフルサイズ裏面照射型センサであった場合は、私の知る限り世界初だからです。
現状はソニーのRX100mark2や3などの1型が裏面照射型センサの最高サイズだと認識しています。


 後者の対角11mmセンサの方は、概略2/3型程度ということでしょうか。
と、すると”モバイル用途に最適”と言いながらも、スマホやタブレット向けには少し大きすぎる気がします。
ソニーの思い描くゆくゆくの最大のターゲットは、”iPhone搭載センサの座”だと思うのですが、そこに手を伸ばす前に、コンパクトデジカメやビデオカメラの方を先に攻略しようという腹?

 もしかしたらやはりまだいきなりの超大量生産は難しいのではないでしょうか。

 まず、高くて数が売れないフルサイズコンパクトから。
 次に、もう少し数が売れる通常の高級コンパクトデジカメ(←RX100くらいのランクと値段の単焦点機の新ラインナップ創設?)
 上記までで量産技術を含めたノウハウを蓄積して課題クリアしてから、本丸のiPhone用センサを超大量生産へ

 そんなシナリオをソニーは練っているのかもしれませんね。


⑦ソニーが見せた湾曲センサの絵は凄く良いと思った(←このサイトの筆者が)。が、ソニーは従来の平面センサの絵を横に並べて同時に見せては(比較は)しなかった


⑧実は湾曲センサ自体が開発されるのは今回が初めてでは無い。
 しかし、今回のソニーのものは、以前のものより少し量産に近いかもしれない。
 ソニーの糸長氏(←今回のVLSIシンポジウムの登壇者)は言った「We are ready」


 詳細な製造方法が相変わらず気になるところですが、We are ready とのことですので、発売されて、その画質や評判やカメラの大きさと共に、解析結果を期待して待つことにしましょう。


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RX1UW?

"Bending machine"が特許とノウハウの塊で、実物は公開されないかもしれませんね。
湾曲センサーは広角レンズ設計の自由度を上げますから、フルサイズ対角で画角130°の10mmレンズを付けたRX1UWなんてのを期待します。

Re:RX1UW?

>"Bending machine"が特許とノウハウの塊で、実物は公開されないかもしれませんね。

 hi-lowさんおっしゃるとおりですね。
普通に考えたら製造装置を公開する必要も義務もソニーには全く無いですからね。きっと公開される日は残念ながら訪れないですね。
後は今後公開される特許を探して推測するしか道は無いでしょうか。


>湾曲センサーは広角レンズ設計の自由度を上げますから、フルサイズ対角で画角130°の10mmレンズを付けたRX1UWなんてのを期待します。

 なるほど。レンズを含めた小型化・薄型化の恩恵を最も得られそうな商品ですね。

しかし、ただでさえ実際に商品を購入するに至る人の少ないRX1シリーズ(←お値段によるところも大きいですが、ハイアマ・マニアな方でないと価値が理解しにくい”単焦点”機というのもその理由ではないかと推測します)、更に(一般受けの良さそうな望遠側では無く)ワイド広角専用機・・・ソニーがそこまで思い切れるか・・・

 でも趣旨は個人的には賛同致します。
私、作品なんて呼ぶものは撮ったこと無いですが、記念写真・記録写真用に旅行に持っていくレンズは必ず超広角レンズです。
景色もそうなのですが、特に引けない屋内の観光スポット(協会とか)では、凄く広角のメリットを感じます。

  • imagerマニア
  • 2014/06/15(Sun.)

レンズとセンサーと

中央部の感度が1.4倍、というのはTech-Onの記事にある“MTFが同一の従来システムに比べて”という一文から見ても、ご想像の通りレンズを含めたシステム全体としての話とみて間違いないように思います。

RX1の超広角版というのはアイディアとしては面白いですね。そういえば銀塩のGRにはGR21という超広角モデルがありました。
ところでRX1は意外と売れたようで、1年くらい前の話ですが販売台数は月1万台弱と書かれた記事を見た覚えがあります。(今はどうなのか分かりませんが)

Re:レンズとセンサーと

>FTさん

>中央部の感度が1.4倍、というのはTech-Onの記事にある“MTFが同一の従来システムに比べて”という一文から見ても、ご想像の通りレンズを含めたシステム全体としての話とみて間違いないように思います。

そうですか。やっとモヤモヤしていたところが晴れました(^^)


>ところでRX1は意外と売れたようで、1年くらい前の話ですが販売台数は月1万台弱と書かれた記事を見た覚えがあります。(今はどうなのか分かりませんが)

http://1000nichi.blog73.fc2.com/blog-entry-3733.html

↑失礼しました。コレですね(どなたか個人の方のサイトですが、ソースは朝日新聞デジタルとなっています)。
そうですか。思い込みで話してはいけませんね。
デジカメ一眼レフの黎明期ならともかく、現在において¥25万のカメラが月産1万台ならベストセラーと言って差し支えないですね。

であればここは、エンドユーザー無視して、まずはセンサーの特徴を活かすことを第一優先でRX1UW発売もありかもしれませんね!

  • imagerマニア
  • 2014/06/16(Mon.)

曲面の方向

仕事がまったく終わりそうもないので逃避です。^^;

この写真、私の目には「横方向にはカーブしてるけど、縦方向はどうなんだろう。カーブしてないのでは?」と見えます。どうなんでしょうね? もしそうだとしたら、ちょっと拍子抜けな気もします。

カバーガラスが無いのは論外でしょう。無いとしたら、レンズ固定式のような密閉環境でないとツライです。(苦笑) とはいえ、赤外フィルターはどうなってるんだろうとか、関心は尽きません。こういうのは、見ていて楽しいですね。

Re:曲面の方向

>仕事がまったく終わりそうもないので逃避です。^^;

ここが逃避先の一つになるなら今後もジャンジャン逃避先として使ってください(笑)

 が、最近のtoshiさんの書き込みが常に深夜3:00台であることは気になってはいました。
他人様には色々と事情があると思いますので、「時間的に間に合わないものは間に合わないし、終わらないものはいくらやったって終わらないと諦めた方が良いですよ」などと無責任に気休めを言うつもりはありませんが、身体はどんな職業でも資本だと思いますので、そこはくれぐれもご自愛ください。


>この写真、私の目には「横方向にはカーブしてるけど、縦方向はどうなんだろう。カーブしてないのでは?」と見えます。どうなんでしょうね? もしそうだとしたら、ちょっと拍子抜けな気もします。

 確かにこの写真だとわかりにくいですね。
ただ個人的にはやはり椀状にカーブしているのかなと思います(←願望も入ってしまっている?^^;)。
 というのも、四隅に斜めっぽく入っているように見える線?区切れ目?が、元の平面と湾曲開始部分の境目だと思うのですが、←この見立てが正しいとすると、
四隅に区切れ目が入っているということが、二次元湾曲?(←長辺方向のみ湾曲)では無く、3次元湾曲?(←お椀状の湾曲)の傍証になっていると思うからです。
 つまり、長辺方向のロール的な湾曲だとすると、上記区切れ目が、”四隅”では無く、”短辺左右端”に二箇所出来ることになると思うからです。


>カバーガラスが無いのは論外でしょう。無いとしたら、レンズ固定式のような密閉環境でないとツライです。(苦笑) とはいえ、赤外フィルターはどうなってるんだろうとか、関心は尽きません。こういうのは、見ていて楽しいですね。

 楽しいですね(^^)。同感です。

本文中は冗談で書きましたが、さすがにソニーもこのままカメラに載せることは考えていないと私も思います。
何等かの手法で、従来通りカバーガラスもあるし、赤外カットフィルタもパッケージ上に貼り付ける形にするのではと思います。
(最も単純には、パッケージの淵を高くして、湾曲して高くなった分を全て吸収して、その淵に封止ガラスを渡すのではないでしょうか。←でもこの場合、下手にガラス面で屈折とか起きると湾曲センサのレンズ設計の複雑さが増しそうですね←しかもこの手法だとセンサとパッケージの接着とワイヤーの接着の難は変わらずになってしまいますね)

 でないと、あんなセンサムキだしの状態で製品化してしまったら、技術者は良いとしても、検査する人間や、交換部品としてセンサ単体で保管管理後に部品交換する人間が「どんだけ気を使わなきゃならないんだ!」みたいな話になってしまうような気がします(^^;)

  • imagerマニア
  • 2014/06/22(Sun.)

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