カナダの半導体チップの解析会社 チップワークス の フルサイズ(フルフレーム)撮像素子搭載デジタル一眼レフカメラに関する テクノロジーblog の私の意訳です。
・6um□画素
・上記プロセスのデザインルールは、フロントエンドライン0.11um、バックエンドが90nm
6um□の画素ピッチの製品に、90nmのCu(銅)配線プロセスとは、かなりリッチというかオーバースペックな感じですね。
第一弾で出て来たニコンD800搭載のソニー製フルサイズ素子で、4.75um□画素ピッチで0.18um世代プロセス。
恐らくもう”配線層の蹴られで感度が落ちる”と言ったファクターは、6um□では0.18um配線で(マイクロレンズの設計が最適できちんと集光できているのであれば)ほとんど無視できるレベルになるのではないでしょうか。
STMicroelectronicsは、スマホなど向けのイメージャーが主戦場で、そちらでは上記の様な先端プロセスは必須な状態でしょう。
他方フルサイズの撮像素子(CMOSイメージャー/CMOSセンサ)は初めて作ったのではないでしょうか?
むしろ内部の上層部の判断としては、「量産数と今後の新規フルサイズ素子の製造可能性を考慮すると、フルサイズ素子用に新たにプロセスを起こす労力と予算を考えたら、可能な限り、現状の小さい画素ピッチ用のセンサプロセスをフルサイズ用に流用した方がお得」との判断に至ったのではないでしょうか。
ここまでやったセンサの実力(特性)は非常に興味深いですね。
でも私はこのカメラは買えませんので、どなたかお願いできないでしょうか?(^^;)
上記センサとは無関係な話に移って・・・
・グローバル電子シャッタ機能をいつになったらフルサイズ搭載カ
メラの中に見つけることが出来るだろうか?
フルサイズセンサ製造者にとっては、グローバル電子シャッタは
機能的に長期的なゴールだ
・多くの人にとって未だフルサイズセンサ搭載カメラは価格的に高
い障壁が残る
最近ソニーとニコンとキヤノンが、より広い層に向けて、比較的安
価なフルサイズカメラを発表した
・ソニーのサイバーショットRX1は、初めてレンズ固定式カメラ
にフルサイズを搭載した点において衝撃的だ
ニコンのD600とキヤノンの6Dは、両社の$2k前後のエン
トリーレベルフルサイズカメラとして発表された
・今後、フルサイズ人気に誘われて、この分野に新規参入はあるだ
ろうか?
台湾と中国勢はモバイル用の小さな画素センサ分野に現れるように
なった
ある日フルサイズセンサが日本やヨーロッパ以外で製造される日が
来ることも十分考えられる
何か今ひとつ後半は話にまとまりがない感じがしないでもないですが(^^;)
しかし、確かにソニーのフルサイズ素子搭載レンズ固定式カメラの、小ささと価格の大きさに私は度肝を抜かれました(^^;)
最初、発表記事を読んだ段階では「買おうか!」と値段を調べに他のサイトに移ったら、私などは対象としていないカメラであることがすぐに価格を見てわかりました(--;)
また、上記記事の”グローバル電子シャッタ搭載フルサイズセンサは設計者の最終的なゴールだ”みたいな断定表現がありますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
グローバル電子シャッタ搭載の恩恵をエンドユーザーが受けるのは、静止画で言えば横方向高速移動物体撮影時だと思うのですが、普段そこまで気になる被写体はないのですが・・・
意図して扇風機や電車を至近距離から高速シャッターで撮影する・・・とかすると、ま、確かにローリングシャッター歪みが出るのでしょうが、それを防ぐために飽和などの特性を落とすくらいならグローバル電子シャッタは無理に・・・ というのが私の思いです。
動画ユーザーになるとまた少し、ローリングシャッタによる悪弊に対する見方が厳しくなると思いますが。
しかし確かに、いずれ向かう方向はグローバル電子シャッタであることは否定しません。
実際、一眼レフではないですが、
ソニーが既に最近発表したPMW-F55という、シネマ撮影用の動画カメラに搭載されるセンサ(←スーパー35mmサイズという、概略APS-Cサイズセンサ)はグローバル電子シャッタ採用であることが明らかになっています。
新規参入については、買い手が確定していないのにフルサイズセンサを作る投資をす
るのは難しいでしょうし、逆にモノも見ない内から採用を決めるシ
ステム(カメラメーカー)側もいないでしょうから、新たに参入する障壁は通常のCMOSプロセスで製造可能な他のICよりも高いのだろうと思います。
しかし儲けと企業拡大に貪欲な中華系メーカーは、いずれ成長し、資金力を元にAPS-C⇒フルサイズと大きい方に乗り込んでくるのでしょうね。
その時に日本メーカーの意地を是非とも見せてもらいたいものです。