↑ NAB2012 RED(レッドデジタルシネマカンパニー)社のブースに展示してあったDragonセンサ概観 (表)
↑ 同じく、センサの子基板裏面
↑ 同じくNAB2012 RED社ブースのDragon(ドラゴン)センサアピール垂れ幕
以前のBlog記事で紹介しましたが、NAB(←全米放送事業者協会主催の世界最大の放送機器展)に
米国はラスベガスまで、この四月に行ってきました。
その時に、RED社が新たなセンサの発表を行いました。
その名も”Dragon”センサ。
同社はいつも自社センサにネーミングをします。ちなみに現行RED ONEやEPIC、scarletに搭載されているセンサ名称は”Mysterium-X”です。
冒頭二枚はそのセンサ(撮像素子/CMOSセンサ/CMOSイメージャー)の概観写真です。
RED社からは本センサを搭載したcinemaカメラの発表はなく、かわりに(?)現行EPICとScarletユーザーに対して、センサの載せ変えサービス(←当然有料)を「今秋始める」と発表していました。
RED ONEのユーザーは置き去りですね。「RED Oneユーザーは買い換えてください」ということなのでしょう(^^;)。
もしかしたら、センサだけ載せ変えてもRED ONEでは使用できない技術的な問題かもしれませんが・・・。
冒頭二枚の写真は、厳密にはセンサ単体ではなく、センサ基板に実装された状態での展示になっています。
恐らく、このセンサ基板ごと、現行機種に入っているセンサと交換する形とするのでしょう。
同じ大判撮像素子が搭載されているデジタル一眼レフ機の基板と比べると随分とゴツイ・・・と言いますか、センサ評価用冶具に使う様な試作基板の様に見えてしまいました。基板上に載っているコンデンサ等の素子のサイズも大きめですし。
ま、デジタル一眼レフなどよりもREDのcinemaカメラの筐体サイズは大きいですし、このくらいセンサにスペースを取っても問題ないと言うことなのでしょう。でなければ元々センサ載せ変えサービス自体現実的ではないかもしれませんし。
気になるお値段の方は、Epicで$6000、Scarletの方は$TBD(未定)となっていました。
カメラの販売価格が¥300万程度のEpicの場合「じゃあ載せ変えるか」とオーナーがなってもおかしくない価格かと思いますが、scarletの方は本体価格がざっくり¥100万前後。もし同じく$6000で設定してしまうとオーナーは載せ変えにはかなり及び腰にならざるを得ません。かと言ってよりお安く設定すると、Epicユーザーから「なんで同じセンサなのにEpicの方が高いんだ!!」とお怒りの言葉がくることが予想され。
さりとて双方ともお安く設定してしまうと、折角の新規開発センサの儲けがふっとんでしまい・・・
RED社としても非常に難しいところなのではないでしょうか(^^;)
さて、順番が逆になってしまいましたが、垂れ幕を見ると、今回のDragonセンサの主要スペックは以下の様になっています。
■解像度:6K ←恐らくざっくり6K×3K
■フレームレート:120p @5K / ??p @6K
■公称Drange:15+ stop
いずれもカタログスペックで見る限り、私が知る中では最高です。
まあ最高になる箇所だけ抜き出して垂れ幕でアピールしているという見方も出来ますが、いずれもセンサとしては主要な特性項目であるため、すばらしい数字であると思います。
特にフレームレートは素晴らしいです。いったいどんな技術を使っているのでしょうか?
Dレンジに関しては、センサ単体だけでは決まらない要素でありますし、解像度に関してだけ見れば例えば一眼レフのニコンD800などは既に3600万画素ですので6K×3Kを越えています。
しかしながらフレームレートに関して言うと、画素数を勘案するとこの価格帯で仕入れられるセンサの中では間違いなく最強です。
唯一価格を無視して考えた場合、ソニーF65搭載センサが、G画素は配列8Kで記録は4K×2K&16bit分解能ということでtotalで見ると若干上をいっている感はありますが、あれは¥600万のカメラに載っているもので、こちらは¥60万で載せかえられるセンサなので、同じ土俵にのせるものでもないでしょう。
さて、最後に写真を二枚。
↓ 同じくRED社のブースで行われていた、4K&3Dのムービー上映 尺は長めで20分くらい
↓ 3D上映なので、その際に配られた3D鑑賞用のメガネ
RED総帥 ジム・ジャナードが、以前はサングラスメーカーのオークリー社長であったのは有名な話。
ここはぬかりなくメガネはオークリー製のものでした(^^;)
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