デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)
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本記事中に割愛されている問題を、わざわざ蒸し返すのは野暮と承知で、DRAMで起こったI/O問題を紹介しておきます。I/Oは相手の有る問題なので、一つ間違えると致命傷になるという例です。
2000年頃、DRAMの世界で日本勢が急に勢いを無くした時、I/O問題があったのですが、これは、一般に余り語られることがありません。関係者にはよく知られている内容みたいなのでレポートを添付しておきます。(30~35ページに、そのI/O問題の説明)
www.ide.go.jp/Japanese/Publish/.../pdf/2006_04_12_02.pdf
第2章 韓国半導体産業の競争力
DRAM I/Oの技術的な中味を理解している訳ではありませんが、出来事は、以下のようなものだと思います。
単一方向データストローブ :メインフレーム、サーバーに向いている
双方向データストローブ :一般PCに向いている
日立や富士通はそれまでのやり方通り、上流→下流に技術方式は流れるものと考え、I/Oに単一方向データストローブ方式を推した。
しかし、世の中はダウンサイジングの過渡期で、技術方式をPC主体に考えるべき時期になっていた。
その結果、Samsungに標準化で主導権を握られ、開発遅延、出荷遅れを生じてしまった。
時の半導体不況が重なり、挽回不能のダメージを受けてしまった。
こんな感じだったと思います。
意見を聞くべき相手が、メインフレームやサーバーのメーカーではなく、台湾のメモリーボードメーカーだったという点が、ビジネスの難しさを感じます。
で、振り返ってImagerです。
意見を聞くべき相手は、画像処理エンジンを組む、セットメーカーなんでしょうけど、(これすら自信有りませんが)少なくとも、Imager側だけの都合で、方式決定出来る代物ではなさそうです。
I/Oブロックの厄介な点は、画素部とロジック部の中間に使用電圧のあることで、結局、厚膜側のトランジスタを、電圧を下げて使うようなやり方しかない点ですよね。
Imagerの場合は、まだI/O用に更に、中間的な厚さの絶縁膜を用意してtriple gate Oxideで製品を作るということは無いようですが、LCDドライバーや車載用ICは、I/O用とでも言うべき中間ゲート絶縁膜を備えた製品は一般にあるようです。(この場合、I/O専用ではなく、他の回路ブロックと兼用)
可能性の問題として、積層型の場合、下側をデジタル系に限定せず、周辺アナログの一部を使えるように、Dual gate Oxideにすれば、上層の画素部を含め、疑似的なtriple gate oxide構造は有り得るのかな、とも思っています。(この場合、I/Oは下層)
ただ、これは大きなメリットは感じない考え方ですが。(単なる、コストアップだけ?)
I/Oを語るのなら、先ず、方式別の優劣を述べよ、と言われそうなので、DRAMに関するレポートの存在を、お知らせしておきます。
blogの内容とは離れた話題ですが、ロートルさんのコメントが興味深かったので、追加コメントします。
先ず、引用されたレポートのURLが一部省略されていてアクセスできなかったので、再度紹介します。
http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Download/Report/pdf/2006_04_12_02.pdf
自社の規格が標準規格に採用されると確かに有利ですね。サムソンの躍進はここから始まったのですか。初めて知りました。
現在のCMOS imagerのインターフェースはデジカメではLVDS、スマホではMIPIが主流だと思います。この記事で紹介されているのは、その先の世代なのでしょうね。
デジカメwatchでも記事には電源電圧は0.4Vと書かれており、ロートルさんが指摘されているような中間電圧用トランジスタでなく、普通のロジックトランジスタが使えそうです。
追加コメントをいただけるとは、思っていなかったので、自分の頭のモヤモヤも含めて、もう少し、書き足しておきます。
SLVSの使用電圧の件は、ご指摘の通りで、逆に、このメリットがありながら、なぜ、早期にLVDSと置き換わらないのかが、不思議です。
http://ednjapan.com/edn/articles/1109/20/news120.html
この記事の中にあるように、
”SLVSのインタフェースは、通常0.8Vの電源レールを必要とするが、この電源電圧は、サブミクロンレベルの製造プロセスを用いて製造されるシリコンデバイスにおいて一般的に使われているものである”
なので、ロジックコアと同じトランジスタが使えるという意味になり、これは大変、大きなご利益だと思います。尚且つ、消費電力も低いのなら、LVDSからの変更が、大規模に起こりそうなのに、現実には、そこまで大きな流れは無いように思います。
策定時期は
”2001年の10月には、JEDEC (Joint Electron Device Engineering Council:電子機器技術評議会)のSolid State Technology Association(固体技術協会)が、400mVで動作するSLVS(Scalable Low Voltage Signaling:スケーラブル低電圧信号伝送)を標準規格として公表した”
とあります。10年以上前なので、何が普及の阻害要因なのか、そちらの方を知りたいくらいです。I/Oなので単独で、決められないことは確かですが。
ケータイ用センサのI/O方式としてMIPIの例が挙げられていますが、この推進メンバーも気になっています。
ARM, Intel, Nokia, Samsung, STMicroelectronics ,Texas Instrumentsなので、日本勢は入っていないですね。
http://en.wikipedia.org/wiki/MIPI_Alliance
ケータイの規模の大きさから、最後はImager全体で、方式をケータイに合わせざる得ない、という事態も有り得るかも。ケータイ以外のセンサI/Oのトレンドは今、どうなっているんでしょうね。全て、もやもや状態です。
後、海外で議論されているゆですが、ケータイの方式の中でもQualcommの推すMDDIとの競合問題があるようです。
http://www.spinnaker.co.jp/IP/mipi_mddi.html
日系メーカーには、この問題に対して、上手く、立ち回って欲しいものです。
>追加コメントをいただけるとは、思っていなかったので、自分の頭のモヤモヤも含めて、もう少し、書き足しておきます。
ロートルさんの独り言の様にさせてしまう意図は無かったのですが(^^;)、申し訳ございません。
コメントいただいた内容は、多くの場合にはその日の内に読んでいます。
ただ、私がblogエントリしたり、コメント書き込みしたりすること自体はほとんど週末に限られているため、スピードについていけてなくて恐縮です(^^;)
>SLVSの使用電圧の件は、ご指摘の通りで、逆に、このメリットがありながら、なぜ、早期にLVDSと置き換わらないのかが、不思議です。
ご最もな疑問と感じましたので興味が出てきて、実際良く知らないことでしたので、メジャーどころという意味で、ソニーの撮像素子のインターフェース規格がどの様になっているのか確認してみました。
http://www.sony.co.jp/Products/SC-HP/products/new_pro/april_2014/imx183_j.html
↑最も最近(と言っても昨年ですが)ソニーが”デジカメ向け”として発表したセンサ
こちらは”sub-LVDS”となっていますね。これは、blog本文の同じソニーのSLVS-ECというのとは別モノですかね。単純に素人的に言ってしまって良ければ、LVDSの低電圧版とでもいうような。
http://www.sony.co.jp/Products/SC-HP/products/new_pro/february_2015/imx290_291_j.html
↑今年になって発表された、監視カメラ用途の素子
こちらは低電圧版LVDSとCSI2というこれまた私の知らない規格が出てきました。
産業用途向け?等のセンサは、多くの企業を販売対象として数を稼ぐためか、ロートルさんおっしゃる悪魔のI/O問題(?)にはまって対象を狭めてしまわないように、複数の出力インターフェースを持つ思想みたいですね。
http://www.sony.co.jp/Products/SC-HP/products/new_pro/april_2014/imx219_j.html
↑昨年の汎用スマホ向けセンサ
MIPI のみですね。
確かに、ISSCC発表者のソニーですらSLVSという出力インターフェース?は、最近でも使用している気配がありませんね。
>ケータイの規模の大きさから、最後はImager全体で、方式をケータイに合わせざる得ない、という事態も有り得るかも。
なるほど。さまざまなカメラが現在のpcくらいにコモディティー化している時代になれば、そうなっている可能性は高いかもしれませんね。
>後、海外で議論されているゆですが、ケータイの方式の中でもQualcommの推すMDDIとの競合問題があるようです。
>http://www.spinnaker.co.jp/IP/mipi_mddi.html
↑読まさせていただきました。
ざっと読む限りは、論文著者は(私の興味あるところを乱暴にまとめれば)「両者甲乙つけ難い規格だ」という風に読めるのですが、
しかし、イメージャー最大手のソニーは、少なくとも公表している汎用向けセンサに関してはMDDIという規格を採用している気配が無いですね。これだと現状はMIPIが圧倒的優勢なんじゃないかと思えてしまうのですが・・・
逆にどこの会社の撮像素子が採用しているのか気になります。
>日系メーカーには、この問題に対して、上手く、立ち回って欲しいものです。
全く同じ声援(?)を送りたいです。既に規格仕様策定の中心メンバに今からなれないのであればずるがしこく実を取れるように動いて欲しいですね。
ほんと、日本人はがんばるんですけど、日本人が台頭すると欧州人がルールを変えてしまうというのをスポーツの世界ではよく見てきてしまったので・・・←直接は関係ない話ですが(^^;)
水泳背泳ぎのバサロ距離、F1のターボエンジンNG、スキージャンプの身長と板長さの関係、スキーノルディックのジャンプ点数のクロカンタイムの換算値 etc・・・(--;)
ソニーはセンサーのI/Oを、1/1.7型以上ではSLVS-ECに、1/2.3型以下ではMIPIにしていくようですね。
http://www.sony.net/Products/SC-HP/IS/sensor2/products/index.html
1/1.7型センサーは終わったと思っていたのですが、Exmor RS仕様の20M画素がありました。1型センサーの高倍率ズーム機は大きすぎ、1/2.3型センサーでは画質がだめなので、その中間の1/1.7型センサーに期待しています。
>http://www.sony.net/Products/SC-HP/IS/sensor2/products/index.html
↑サイト情報ありがとうございます。
ソニーのCMOSイメージセンサでこういう風にラインナップが俯瞰できるページがあればいいのに・・・と常々思っていましたので、ありがたかったです。
(何故か以前からCCDのページはあったのですが。それとも私が知らなかっただけで、このページは昔からあったのでしょうか・・・)
>1/1.7型センサーは終わったと思っていたのですが、
私も同様の感想を持ってました。最近の1インチ流行りで、高級機のイメージセンサが1インチシフトしている気配だったので。
>Exmor RS仕様の20M画素がありました。
これ、今年のISSCCでソニーが発表したものですね、きっと。仕様がピタリです。
やはりもう量産可能なものだったんですね。
>1型センサーの高倍率ズーム機は大きすぎ、
なるほど。確かにRX100系列カメラはもう十分小さいと思っていたのですが、確かに高倍率ズームとなると、1インチセンサ搭載カメラはやはり大きいですよね。
80倍ズームまでいかなくても、どこかが1/1.7インチで20~30倍程度のズーム機を作ったら、どの程度の需要があるのか興味が出てきました(^^)
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