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デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)

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Nikon(ニコン) D600の撮像素子はソニー製 ~chipworks解析記事

以前のエントリーでも触れましたが、ニコン(Nikon)の廉価版フルサイズ一眼レフカメラであるD600に搭載されているフルサイズ撮像素子(CMOSセンサ/イメージャー)はソニー製であることは最早有名な話だと思います。

カナダの半導体素子解析会社chipworks(チップワークス)の記事にて少なくとも明らかにされています。
以下、上記サイトにupされている写真です。

128822_CIS_pkg_ortho_view.jpg












↑Nikon D600のカメラを分解していって出てきたソニー製フルサイズ撮像素子(CMOSイメージャー) withセンサ基板付

D600_IMX128L_129227_diemrk2.jpg














↑ 撮像素子表面にSONYの文字が確認


 上記紹介サイトでは、新品で買ってきたD600の箱からの開封風景からのレポートがありますが、そこはすっ飛ばして中段の”A closer look at the sensor”のあたりから。 以下私の拙い訳です。

ニコンとソニーは、民生及びマニア向けレベルのカメラにおいて長いこと協業(及び競業)してきた。
我々のブログでもDSLRのセンサにおける両社の協業に焦点を当てたものを書いた。
このトレンドは続き、ニコンD600においてもソニー製の”IMX128”センサが使われている。
我々は、センサダイマーキング(←上記写真の文字のこと)に”SONY”の文字と、パッケージ裏面に”IMX128”(←この名称のつけ方はソニーのものだということは既にわかっているということ)の製造マークを見た。
 このセンサの特徴は・・・
 ・24MpixelsのFXフォーマット (FXフォーマット=フルサイズセンサ)
 ・静止画連写駒速:5.5fps
 ・1080p (←フルHD1920×1080プログレッシブ) 30fps の動画撮影可能
 ・5.9um画素ピッチ

pixels_NW_corner_ann2.jpg














↑チップ表面拡大顕微鏡写真
(10画素で59um ≒ 1画素5.9umピッチ)


lens-SEM-tilt.jpg














↑センサ表面のマイクロレンズ形状を計測した写真
記事中では”おもしろい形をしている”と表現されている


より画素に近づくとおもしろい。
我々はスキャニングマイクロスコープによって数枚の写真を収めた。
まず初めに、画素サイズを特定した(5.9um□)。
それから、画素の上面からの写真を抑えた(←オリジナル記事にはこの写真が載っています)。
斜めからの写真は、とてもおもしろいマイクロレンズ形状であることを教えてくれた。

※私には何がおもしろいのかはっきりとはわかりませんが、恐らく普通はもう少し球形に近い形をしているのかもしれません。何となくレンズの裾の形状がオバQの様に(←今の人にはわかりませんか?(^^;))外側にヌメッと広がっているようなのがおもしろいと言われているのかもしれません。 以下元記事に戻って

 表面の下を更に削っていく。
我々はメタル3とメタル1の写真を得た。

※ここで言う”メタル3とメタル1”というのは、CMOSセンサの配線層の順番を指しており、通常数字の小さい方が半導体基板に近い方、数字が大きい方が光入射する上方に近い側を指すはずです。
今回このblog記事に写真を転載していませんが、オリジナル記事の写真では明らかにメタル3が最上層の遮光層の形状をしています。
 よってソニーのこのセンサはメタルは3層まで(=4層及び5層というような多くの配線層は使用していない)ということがわかります。
 ただ、最近は各社3層までということが多い様です。
最近はセンサの多画素化が進み、センサの画素ピッチが小さくなる傾向です。そのため、回路設計的には配線は多層化した方が有利(≒楽?)なのですが、そうすると配線高さが増してしまい、画素の光の特に斜め光に対する集光に難が出やすくなります。 (このあたりは(配線層が3つも必要にならない)CCDセンサの方が構造的に有利な点ですね)
結果、レンズF値を大きくしていった時の感度低下や、特にフルサイズセンサの周辺減光などの問題が出てきやすくなるため、配線層は3層までで何とかやりくりする傾向が強いようです。(←加えて、当然製造工程の数が減るため、配線層数を減らすと一般的には製造コストが低下するはずです)

SonyIMX128-M1SEM.jpg















↑”メタル1”(フォトダイオード表面から一番近い配線層)写真
(白い方が配線層)

それらの配線は開口率を下げてはいない。
開口率は重要だ。何故ならメタル配線は、本来フォトカソードに到達するべき光を妨げ、画素信号強度を下げてしまうからだ。


 撮像素子(CMOSイメージャー)に関するコメントは上記で終了です。
若干凡庸なコメントで終了している感がありますが、まあ無料で読ませてもらえる範囲なのでこの辺で十分納得するべきなのでしょう(でないとお金を払う人がいなくなっちゃいそうですし(^^;))。

 更に以前の記事の様に下地のPolyシリコン層とアクティブ領域とコンタクトがわかる図を提供してもらえれば、写真のメタル1の役割がそれぞれわかるのですが・・・
 ただ、一つだけ予想可能なのは、5.9um画素ピッチのこのセンサも2画素で1つのFD(フローティングディフージョン/浮遊拡散層)と画素アンプを共有するレイアウトなのだろうということです。
上の写真は左右で明らかにミラー配置のレイアウトになっています。わざわざこの様な配置にする理由は上記しか考えにくいと思います。
ルネサス製のニコンD4は7um台のもっと広い画素ピッチでもやはり2画素で一つの画素アンプ共有でしたし、今後も多画素化は進展するでしょうから、一眼レフカメラ用のセンサとしてはもしかしたらキヤノンの1DX搭載フルサイズ素子が最後の1画素に1画素アンプを備えるセンサになるかもしれませんね。

 

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