さて、若干飽きてきた気がしますが、
先週に引き続き一応最後までいこうと思います、Samsung GalaxyS9+搭載カメラ。
同様に以下全てT
echInsights blogから。
↑GalaxyS9+ フロントFacingカメラ搭載撮像素子 顕微鏡写真
GalaxyS8からの流用 = GalaxyS8搭載素子と同じ
センサ型番 :
Samsung製 S5K3H1SX
2層の積層型センサ
Die(≒チップ)サイズ:
3.83 mm x 8.00 mm ≒ 30.6 mm2
画素数 :800万画素
画素ピッチ :1.22um□
↑左下コーナー部拡大写真
[6回]
拡大写真を見ると、積層のためのTSV(シリコン貫通via)は恐らく、上の写真の左と下辺にある感じですね。
センサパッドは、チップ左右と上の3辺に配置。下辺は無し・・・
というか、下辺にも何やらパッドっぽいパターンは見えていますが、カラーフィルタも恐らく被っていて、使われていない状態という様にも見えますがどうなんでしょう。
左上角を中心に、メタル色のパッドが剥き出しで、しかしワイヤーがボンディングされていないパッドも存在しますので、
下辺のパターンがパッドだとしたら、下辺パッドだけカラーフィルタが被っているのもおかしな気もしますが。
あれ?今さらふと疑問に思ったのですが、積層センサでtop層にボンディングパッドがあるタイプのセンサって、イメージセンサからの最終出力はどういう経路で出力されているのでしょうか?
bottom側のウェハに信号処理回路が存在するはずなので、このセンサはTSVを通してbottom基板側に信号が送られ、
その後最終出力信号は、再びTSVを通ってtop基板側に戻ってきて出力される?
それともbottom基板の裏側に向かってさらにTSVの様な貫通Viaがあって、bottom基板の裏側に出力される?
しかし後者の場合は結構な基板厚を貫通させるViaが必要になりますし、無理がある気がしますが。
このGalaxyS9+のフロントカメラ搭載撮像素子の場合は、左側の大量のTSVの多くがbottom基板からの出力信号ということでしょうか?
↑
GalaxyS9+の虹彩認証用カメラ搭載撮像素子
よく調べていないので間違っているかもしれませんが、
GalaxyS9の顔認証システムは、2Dの画像認証とこの虹彩認証の両刀使いの様です。
併用して精度を上げる、ないしはその環境下で信用の置けそうな方を採用するという様な。
ということは、この虹彩認証センサは赤外センサで、他に赤外LEDなどのユニットがGalaxy内にあるということでしょうか。
虹彩認証カメラモジュールサイズ:
6.1 mm x 5.2 mm x 5.1 mm厚
センサ型番:
S5K5F1SX
2層積層型センサ
モノクロセンサ
画素数 :600万画素
画素ピッチ:1.0um□
撮像用のフロントカメラやリアカメラの望遠側カメラと異なり、
この虹彩認証用のセンサは、GalaxyS8から進化しているそうです。
ちなみにGalaxyS8は、
500万画素、1.12um画素ピッチで、通常の裏面照射型センサ(積層センサでは無いというニュアンス)だったそうです。
虹彩認証にも600万画素もの画素数が必要なのですね。
やはり画素数が認証精度に直接影響を与えるのでしょうか。
また、恐らく赤外センサで撮像用では無いため、モノクロセンサですね。
個人的には「スマホの個人認証は指紋認証でもいいんじゃないか?」という気もするのですが、
手袋してたりする時を想定しているのか、物理ボタン廃止と同様、手が直接接して判定するという機構をなるべく排除したいという思惑からなのか、
各社急速に指紋認証離れが進んできているように感じます。
そして、
↑もう一つ出てきました、Samsung GalaxyS9+ リアカメラの広角側カメラ搭載撮像素子
ソニー製 IMX345
↑ US版のGalaxyS9+ を専用ソフトウェアで見たら出てきたそうです
つまりは、
今回のGalaxyS9+もSamsungは、イメージセンサ(恐らくカメラモジュールも?)2社から調達したということですね。
1社調達での供給トラブル時のリスクヘッジと、
ソニーに対する価格交渉ネタとして、自社でも同等品を作れることを知らしめておくためと
いった理由ではないでしょうか。
ちなみに上記写真を見ると、このUS版とやらは、フロントカメラもSONY製となっていますね。
恐らく同一のスマホ内では、SONY製センサ搭載カメラとSamsung製センサ搭載カメラがリアとフロントや、ワイドと望遠カメラで混在することは無いのでしょうね。
やはり、若干の色味の違いがセンサによって出てしまうでしょうから、その色味の違いを敏感な消費者に見抜かれないためにも、
一つのスマホに異なる撮像素子メーカーは混在させないという思想なのではないでしょうか。
そして、写真を見ると、
ソニー製センサの方もなんとなくTSVでの積層でしょうか。
写真の上下右の3辺のパターンがそれに見えます。
パッドは左右上の3辺。
Samsung製素子の方は、下辺も左右端はパッドを使っていたのですが、ソニー製はきっちり3辺に収めています。
また、Samsung製素子と比べると、ソニー製素子の方が、撮像画素領域エリアに対して、余白?の上下左右の領域が、上下、左右で比較的対称で偏りが少ない感じです ←まあ優劣の問題では無いのですが(^^;)
↑ソニー製IMX345 コーナー部拡大顕微鏡写真
このコーナー部のRが入っている模様は何なのでしょうか?
常にか記憶が曖昧ですが、
これを見るのはソニー製センサだけの様な気がします。
また、今回気づいたのは(≒前からかもしれませんが)、ワイヤーがボンディングされているパッド以外に、
上記よりも一回りサイズの小さなワイヤーが張られていないパッドが左にも下辺にも存在することが確認できます。
これは恐らくですが、このセンサ搭載素子(MOSトランジスタ、抵抗、容量等)が、出来栄え確認用に単体で配置されていて、それを特性測定するためにプローブ(針)を当てるためのパッドではないでしょうか。
ちなみにSamsung製素子にはこの様なものは見られません。
恐らくそちらの方が普通ではないかという気がします。
SAMSUNG製素子でもこのようなものが、実はチップとチップの間には配置はされていたのだと思います。
しかし、チップを個片に切り分ける際に、その”切りシロ”領域ごと粉々に切られてしまってなくなったのだと思われます。
恐らくソニー製素子も同様ではないかと思うのですが、
もしそうであるならば、ソニー製素子はSamsung製素子よりも、この単体特性測定用素子の配置種類が多くて、”切りシロ領域に入りきらなかったものが、撮像チップ上にはみ出している”ということでしょうか。
上記予想が正しかった場合、ソニー製素子の方がSamsung製素子よりも、使っている素子種類数が多いということなのか?それともソニーの方が何か手厚く素子特性の管理を行っているということを意味しているのか?
どなたか環境お持ちの方、TechInsights同様Galaxyを分解して、上記パッドに針当てして何等か測定してみては如何でしょうか?
何か面白いことがわかるかもしれませんよ・・・って、何か測れても、それが何の素子特性なのかわからないですね(笑)
Die(≒チップ)サイズ:
5.86 mm x 7.80 mm ≒ 45.7 mm2
チップサイズは、”Samsung素子と同じ大きさくらい”とのことです。
恐らくこのチップもDRAM積層の3層構造なのでしょうね。
↑撮像領域コーナー部拡大写真
この下の方に見える横に走っているラインは何なんでしょう?
非常に興味をひかれます。
なんとなく4行くらにわたっている様に見えますが・・・
像面位相差AF画素のパターンか?
と普通は思う訳ですが、
・Samsung製素子の方はDualPixel型の像面位相差AFだった (上から見て普通異なるパターンが見えたりはしない。ソニー製の方だけメタル遮光型のAF画素にすることは無いんじゃないか)
・像面位相差AFのパターンだとしたら、昨今の素子にしては、AF画素配置が異様に少な過ぎる気がする
という2点の理由から、素直には像面位相差AF画素パターンだとは個人的に思えないのですが・・・?
果たして真相や如何に!?
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