前作(?現行最先端?)のHelium8Kセンサが、
super35mmフォーマット
8K最大30p
であったことを考えると、スペック変化のインパクトは結構大きいですね。
わたし、DxOmarkの得点がイメージセンサ性能の全てを表すとは思っていませんが、
冒頭D850の得点(?)が”民生機初の”の但し書きがつくのは一重にこのREDのせいで、
現行機のHELIUMセンサで既に108ポイント
そのHELIUMセンサの公称ダイナミックレンジが16.5stop
ダイナミックレンジの公称スペック的にはこのMONSTROセンサは更に上を行く訳で、
また、Low-LightISOの数字はHELIUMセンサで既にα7の数字を上回るという・・・
MONSTROセンサはフルサイズ化で、画素数据え置きな訳ですから画素ピッチは拡大・・・
単純に考えればLow-LightISOの数字もMONSTROの方が上回ることが予想される訳で・・・
一体全体RED・・・というか、このセンサを作っているメーカーはどういうマジックを使っているのか本当に興味がある訳です。
が、カメラのお値段がお高いからだと思うのですが、頼みの(?)TechInsightも恐らく今まで一度も解析したことが無く、未だセンサメーカーもわからないという・・・
↑
vimeoにアップされたMONSTRO搭載カメラとDRAGONセンサ?搭載カメラのFix動画像の暗部拡大の切り抜き画像
ちょっとDRAGONセンサに8Kバージョンがあったのか?というのが疑問で、一体どのセンサとの比較なのか私自身はわかっていないところが微妙ですが、
上記original”動画”を見ると、この拡大部分のランダムノイズの多寡の違いは明らかでびっくりしました(←もちろんMONSTROセンサの方がノイズが少なかったという意味です)。
一体どのくらいの”暗部”動画なのか不明なため、もしDRAGONセンサの方に意図的にノイズが載せられているという”ズル”が行われていたらば、それは見抜けませんが、
もしそういうことが無いのであれば、DRAGON8Kセンサというものに対して高ISO時の低輝度画質は相当に進化したという風に私には見えます。
驚きです。
また、カメラ(というか、REDの場合はセンサ入れ替え)のお値段はお高い訳ですが、
先日紹介したソニーのVENICEが、6K30pまでというスペックであったことを考えると、
シネマカメラの世界においてのみは、少なくともハイエンド領域ではREDの存在感はまだまだ健在という感じでしょうか。
ソニーも過去発表したTV領域を含むカメラ及びセンサスペックを見るに、少なくともイメージセンサ的には上記スペックのセンサが作れないということは無い様に見えますが。
商業的にまだ8Kは次期尚早という判断ということでしょうか
また、今までCINEMA業界のカメラの主流はフラグシップ機でも
”メインストリームはsuper35mmフォーマット”
という空気があると感じてましたが、先日のソニー、及び今回のREDの発表から、
”シネマも今後はフラグシップはフルサイズ”
という方向に向かっていく様な流れが個人的には感じられました。
(↑ソニーのVENICEは、一眼カメラ搭載センサ同様、3:2アスペクト比の36mm×24mm。REDのそれはアスペクト比17:9の41mm×21.6mmで、同じフルサイズと言ってもそこら辺はやや異なる訳ですが)
話がやや逸れるのですが、話の流れで(^^;)弊blogでは一度も紹介したことがなかったので以下。
シネマカメラ業界でのREDのライバル?ARRI
このメーカーはあまりカメラ・センサの多画素化には熱心では無いという個人的心象。
しかし、シネマ業界のカメラマン(シネマトグラファー)には絶大な人気を誇っているカメラメーカーなはずです。
そんな
ARRIのカメラに積まれているイメージセンサが以下
↑例によってネタ元は
ImageSensorsWorldから
こちらは
センサメーカーはONSemiconductorと明記されています。
私が昔聞いた噂では、元はCypressが作っていたということでした。
そして、CypressがONSemiconductorに買収されたので、恐らくそのまま同じ様な部隊の人がONSemiconductorで作り続けているのではないでしょうか
そして、上記センサの説明文に拠れば、(注:以下意訳)
このセンサの主要技術は以下二つ
・大きな画素による、高感度&Lowノイズによるダイナミックレンジの確保
・Dualゲインでの連続読み出しによる、低輝度領域の性能アップと白飛び防止
↑前者の技術はよく言われている話通り。説明不要かと思います。
後者の”Dualゲイン~”という話は、丁度
先日紹介したBrillnicsという会社のこの内容と基本的には同じ考え方ですね。
平たく言えば、
低輝度信号はなるべくアナログレベルで高ゲインを掛けて読み出すことにより後段でのノイズに対して信号レベルを高くして(≒SN比を稼ぎ)、
飽和近傍の信号は、低いアナログゲインで抑えて、回路での飽和≒白飛びを避けるようにする。
最後に二つの信号をうまく合成してハイダイナミックレンジを達成するというものの様です。
で、このセンサの外観図と説明文を読んで、驚いたり気になったりした点が以下いくつか。
①イメージセンサから出てくる信号はアナログ信号で、センサの外=カメラでAD変換されている
上の図でも、センサの下側に"H","L"と中に書かれた黒い逆三角形がアンプであることはほぼ間違い無く、
”アナログ信号出力センサであるだけでなく、アナログゲインアンプすらもセンサの外に持っているように見える”
軽く驚きです。
AD変換をセンサ外で行うだけならまだしも、画素信号のゲインアップすらもセンサ外で行う・・・
感覚的にはセンサ外に読み出すまでに≒信号をゲインアップする前に、信号にノイズが載ってしまってSN比的には最終的にあまり良質な信号とならない方式な気がするのですが・・・
これで画質の評判が良いのであれば逆にこの信号読み出し形態にその秘密があるのか?と考えてしまいます(^^;)
②
センサの外観が「実はこのARRIカメラ搭載センサが世界初のsuper35mmサイズの積層センサだった!?」と思ってしまうほど、画素領域周辺の信号処理回路領域の面積が小さい≒狭い
≒ほとんど画素領域しか無いように見える
↑これは①の件と整合が取れるので、逆に①の件が公表されている通りなのだろうなと思います。
つまり、これが積層センサでは無い場合(恐らく積層センサでは無いはずだと思いますが)、信号読み出しのための配置スペースが無い=信号処理回路がチップ上に無い
⇒信号をアナログ信号のまま、かつゲインアップ等の処理もせずにそのままセンサの外に読み出すしか無い
実際には最初からそのつもりで設計しているため、結果的に画素領域+αくらいのチップ面積になったという構図だと思いますが。
しかし、それでも最後チップ外に読み出す際にはやはり最低限信号をバッファすることくらいは必要だと思いますが、32チャンネルの出力前にバッファだけは備えているとかそんな感じでしょうか・・・
あとはなんとなく、写真上側の画素領域外のスペースの方が大きいのですが、
この図の様に下側に信号を読み出しているのでは無くて、実際には逆に上側に読み出しているのじゃないかとう気が、個人的にはします。
このチップの下側の画素領域外のスペースでは、上記バッファする回路すらも置けない様な気がします。
③珍妙ながらも先進的に見える、センサ実装形態
まず、チップから延びているワイヤーが細くて長くて本数が多いというのが特徴ある気がします。
そしてそれが、
普通のセンサの様にパッケージのランドにつながるのでは無く、何やらプリントサーキットボードのスルーホールを連想させられる穴の様なところに直接ワイヤーボンドされている様に見えます。
そして更に二枚目の写真では、そのパッケージの様なPCB基板の様なものが、センサーの母体PCB基板に、実装されているというよりは、何かぴったり”ハメ込まれている”感じに見えます。
アタッチされた・・・という様な。
あまり普段見れるところではないので単に私が知らないだけかもしれませんが、
こういうのは初めて見ました。
これは、内側のセンサがある茶色い物体が、もうパッケージというよりは複数層のPCB基板の様になっていて、それに直接センサからワイヤーを飛ばし、
そして茶色いPCB基板?の見えていない裏側にソケットがあり、それを母体側基板のソケットにはめ込むと実装が完了するという様なことはないでしょうか?
詳しい方がいらっしゃいましたらコメントくださると幸いです。
あとは、これが最終実装形態かどうか不明ですが、
センサ表面をカバーすべき封止材(ガラス?)も全く無いというf(^^;)
流石にこのままは無いですよね?
このままカメラに実装したら、組み立て工程途中で誤ってセンサのワイヤーを切ってしまうトラブルが多発しそうですし、
カメラが発売されてからも、エンドユーザーがブロワーしたらワイヤーが切れたとか、センサ表面に直にブロワーの先端を当ててしまったとかいう悲劇的事故が多発してしまいそうです(^^;)
いったいこの後どうなるのでしょうか?
本日最後は、”またソニーさんにやられたか!?!?”というお話ですf(^^;)
上でチラッと出てきたソニーのフルサイズシネマカメラVENICE。
その搭載撮像素子の外観を
何回か前の弊blogに載せました。
その後、
VENICEで撮影された公式サンプルムービー(?)を見てから、その
メイキング(Behind The Scene)映像を見ていたところ・・・
映像開始冒頭4秒のところで1秒にも満たない瞬間でしたが、VENICE搭載撮像素子と思われるものが映し出され、それを見て
「ん!?!?」とf(^^;)
↑VENICEメイキングムービーで映し出されたVENICE搭載撮像素子
見比べて頂けるとわかりますが、
ソニー公式HPに掲載されているものとは明らかに別モノです。
という訳で、
ソニーに何のメリットがあるのか相変わらず不明ですが、少なくともどちらかは嘘(ダミー)ということになります。
もうほんとにソニーさんやめてもらいたいです
そして、双方の撮像素子写真で頭の中の記憶をスキャンした結果・・・
ソニー公式HP掲載写真の撮像素子 = α7S搭載撮像素子
上記メイキングムービー冒頭に出てくる撮像素子 = α9搭載撮像素子
上記と断定させて頂きました。
ちなみに以下↓が、日経トレンディネットさんに掲載されていた、SONYα9搭載撮像素子写真です。意外なことにまだ弊blogに多分掲載していませんでした(^^;)
・画素数的にはα9の方が近い
・カメラ≒撮像素子の開発時期がα9の方が近い
・今の時期に¥400万のシネマカメラ搭載撮像素子を裏面照射型にソニーがしない理由がほぼ無い(だろう)
・普通シネマカメラ搭載撮像素子を一から専用におこしたら、REDの様にセンササイズアスペクト比は17:9にするだろう ⇒ そうしなかったのは、コスト理由で何かのセンサをVENICEに流用したからだ ⇒ VENICEのスペック(6K24fps & 4K60fps)に最も近そうな既知のソニー製センサはα9搭載素子
上記の様な理由により、
”どちらかの撮像素子がVENICE搭載撮像素子なのであれば、それはα9搭載撮像素子の方が圧倒的に可能性が高いだろう”
と考え、
すぐにα9とVENICEのセンサの総画素数を比較しましたが、双方凡そ2400万画素でしたが、微妙には異なっていました(--;)
ちなみにα9の連写のスペックは
フル=6Kで20fps
4Kで30fps (※ただし全画素6K読み出しからの4K生成において)
VENICEとこのくらいのスペック差であれば、
”後段のエンジン処理能力や発熱、使用メディアスピードやバッファの制約により、イメージセンサは同等だけれどもα9の方はそのセンサスペックをフルに使いきっていないだけ”
という可能性も考えられるかなと感じます。
しかしなぁ~、総画素数のわずかな違いはそれだとどう考えるべきなのか・・・
個人的にはこのソニーCineAlta VENICE搭載撮像素子は、α9搭載撮像素子とかなり同類のものであろうという気がしてきていますが・・・
・・・しかしソニーさんのことなので、上記2種類のどちらの外観でも無い第三のセンサが実際には載っているという可能性もあるかもしれませんねf(^^;)
いずれにしても、VENICE搭載撮像素子は、表面照射型センサでは無く、
2機種目のフルサイズ裏面積層型センサ搭載機である可能性も出てきたということです。
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