毎度世間からいってんぽ遅れの弊blogf(^^;)
8系は既に発売された様ですね。本命はXの方なのか、例年の騒がしさはまだ無い様ですが。
iPhoneX↓ 背面カメラ部
ワイヤレス充電対応のためか?背面がアルミからガラス材へ変更
筐体が細くなったためか?Dualカメラが横配置から縦配置へ
美しそうな筐体デザインは相変わらずなれど、スティーブ・ジョブスが悲しみそうなカメラ部の出っ張りデザイン(?)は8でもX(テン=10)でも健在まま(^^;)
しかし、このでっぱりデザインはカメラモジュールの厚みサイズを性能優先(レンズ歪、F値及び手振れ補正機能込み)で決めている証と言えなくも無く(?)、
[1回]
さて、今回の世間の注目はiPhoneXの方かと思うのですが、私の備忘録的にXのスペックを以下ざっと。
【ディスプレイ】
・5.8インチ有機ELディスプレイ
↑コントラスト比100万:1
・解像度:1124×2436 458ppi
・HDR対応
・縦長になった 18:9
【カメラ以外その他】
・ホームボタンが無くなった
・顔認証システム FaceIDの搭載 TouchIDは無くなった
そのためにフロント側に以下搭載
近接センサー
IRセンサー
ドットプロジェクター
・新SoC A11 Bionicプロセッサ ←6コア
・animoji搭載 ←自分の顔をCGキャラに入れ替え
・バッテリーの持ちはiPhone7よりも2時間以上長いらしい
【カメラ】
・Dual光学式手振れ補正
・望遠側がF2.4 ←7plusはF2.8
・Dualカメラの並びが横から縦になっている ←縦長筐体の影響?
・1200万画素
・ポートレートライティングエフェクト追加
・フロントカメラに”TrueDepthカメラ”搭載 フロントカメラでもポートレートモード使用可に
そして以下は、”8”、”8plus”と共通事項
・無線充電対応 Qi(”チー”と発音するらしい)
・動画4K60p対応
※7は30pまで
・FHD240p対応(7は120pまで)
・筐体カラー:ローズゴールドやジェットブラックの廃止
・メモリ容量が64GBと256GBの2モデル構成 ←128GBが無い。両極端?これだったらX購入者のほとんどは256GBを選ぶのでは? ←これを見越したAppleの戦略?
以下”7”から引き続き・・・
・イヤホンジャック無し
・防水・防塵
・FeliCa搭載
・フロントカメラは700万画素据え置き
・撮像素子サイズが大きくなったらしい ←アップル発表会から
そして以下は8及び8Plusのスペック
・4.7インチ と 5.5インチのディスプレイサイズに変更無し
・背面がアルミからガラスに変更 ←X同様
・TouchIDとホームボタンは健在
【カメラ】
8 :1200万画素シングルカメラ
8Plus:1200万画素Dualカメラ 光学式手振れ補正対応は広角側のみ ←7まま
全般的に言って、Apple自体の発表会の様子を見ても、今回はあまりカメラ自体へのfeature度合いは低かった様に個人的には感じました。
どちらかというと、カメラに近い存在の、”FaceID”の方がアップルの力の入れ様とアピールが凄かったという印象です。
後はiPhone初の有機EL縦長液晶採用とベゼルレスな点でしょうか。
animojiとか受ける機能なのだと思うのですが、アプリとしては個人的には興味無しです(^^;)Faceトラッキングするというところが技術的に興味ありですが。
また、カメラ機能については他の多くのカメラ専用機を差し置いての4K60p動画対応。
先週のソニーの新発表のカムコーダー(=動画専用機)でも30pまでで、
一眼カメラでも恐らく、キヤノンとパナソニックのそれぞれフラグシップ機、EOS1D-X MarkⅡとGH5にしかまだ搭載されていないのではないでしょうか?
まあ恐らくのところビットレートはiPhoneXの方が低いのだろうとは予想しますが、それにしてもモバイルの方が先を行くとは・・・
(もしくは今回高効率エンコーダー?ファイルフォーマット?を採用しているらしいので、ビットレートもさほど低いものではない!?)
そして何年か前のPrimeSence社(←XBOXONEの初代Kinectのジェスチャーコントロール用のカメラユニットを担当した会社)の買収は、このFaceID機能実現のためだったんですね。
何か画期的なアプリのハードウェア用を個人的には期待していましたが、
こういう超基本機能への適用だったんですね(←まあanimoji用のfaceトラッキングには生きていると言えば生きているのでしょうけれど・・・)。
果たして、今回のFaceIDシステム採用が、ディスプレイサイズ拡大のためにホームボタンをなくしたい(≒指紋認証出来なくなる)がための消去法的な別方式として採用されただけなのか、
はたまたより便利な機能・新たな有用な用途向けに採用された新方式なのか。
後者であることを祈りたいです。
恐らくコストアップ要因にもなっている様な気がしますし・・・。
話が少し逸れますが、興味深いところなので、FaceIDでの顔認証=ロック解除の概要です↑
yoleという恐らくアナリスト会社(日本だと”~総合研究所”みたいな感じか)の資料。
①まず、ToF近接センサで画面に”何か”が近づいてきたことを認識
※恐らく、この近接センサは
これの後継版か何か
②次に、flood illuminator と IRカメラで、顔と目を検出
③最後に、ドットプロジェクターとIRカメラで顔認証
という訳で、みな赤外光源と赤外カメラで検証や認証を行う系となっているため、
”真っ暗闇だと顔認証されずにスマホのロックが解除されない・・・”
などというアホなことは起きない様なので安心です(^^;)
また、primesense社買収と、上記資料写真とドットプロジェクター搭載 というところから、この3Dセンシング方式は
Structured Light方式と思われます。
さて、ここからが一応本題f(^^;)、imager案件です。
↑
appleの発表会のストリーミング映像からの切り出し @iPhoneX
同じくiPhone8系↓
イメージセンサそのものに直接関係がある項目としては、
・12MP
・DEEPER PIXELS
・NEW COLOR FILTER
・LARGER AND FASTER SENSOR ←※iPhoneXの方のみ
画素数変わらずは良いとして、
DEEPER PIXELSは、恐らくセンサ画素のフォトダイオードが、より深いところで光電変換された電子(もしくは正孔)を収集できるようになって感度アップしたというアピール(裏面照射型センサのシリコン基板の厚さを厚くしたか?)
NEW COLOR FILTER は、恐らくカラーフィルタ材料が変更されて、何等か色再現性がより良くなる方向に向かったか、色純度の劣化を抑えながらも感度アップ(≒透過率アップ)をしたかという様なアピール
ただし上記まではTechInsightレベルの分解&解析をしなければ、定量的に確認することは不可能。
で、ここで注目は最後の”LARGER AND FASTER SENSOR”
気になるのは、発表スライド(←言い方古い?^^;)に記載されているのは”X”の方だけですが、
発表中に口頭では”8”の方でも同じことを言っているということです。
↑何故気になるのかというと、この後のTechInsightの解析結果とLARGERの方が矛盾しているからです。
まず後者のFASTERは普通に考えれば信号読み出し速度の高速化で、例えばFHD動画が240fpsまで可能になっていることから、定量的に高速化が図られていることはほぼ間違い無いと思います。
で、”Larger”の方ですが、
まあ普通に考えれば”撮像に直接寄与する画素領域≒有効画素領域が大きくなった”と捉えるのが普通だと思います。
が・・・
以下、
TechInsightのiPhone8系の分解速報blogからの情報
↑”8Plus”の方のDUALカメラモジュール
カメラの暑さが望遠と広角で違う!やはり背が高い方が望遠側!?
↑同X線断面写真と思われるもの
背が低い方のカメラの方が”幅”は大きいことがわかります
後で出てくるチップサイズの違いから、やはり
望遠側が右のノッポな方、広角側が背の低い方である可能性が高そうです。
・広角側カメラの方のイメージセンサチップサイズ:
6.29 mm x 5.21 mm (32.8 mm2)
※”7”では、
32.3 mm2
↑
”7”よりも”8”の方がちょっと”チップサイズが”大きくなっている
・画素数:12Mpix
・画素ピッチ:1.22um
んん!?画素数と画素ピッチが”7”と一緒!
これはつまり、
”チップサイズは確かにLargerだが、有効画素領域サイズは6sと7と変わり無いということでは!?”
まあ発表スライドにはLARGERの記載は無い様なので、ここは口頭発表内容に誤りがあったと勝手に理解して、また11月に結果が出るであろう”X”の方のTechInsightの結果で大きくなっていることを期待しようと思います
・・・しかし、この感じだと、Xの方もサイズ変わってないということも・・・f(^^;)
その他、
・積層型のCMOSイメージセンサ
・積層のISP側のチップはTSMCの28nmプロセス製造
↑今までiPhoneでは65nmもしくは40nmプロセス採用しか見たことが無かった。28nmは初
ソニー自身は
IMX318において、TSMCの28nmプロセスを採用した実績はあった
これはISP側のチップでは
FD-SOI技術が使われている可能性があるとのこと
・Plusの方のDualカメラモジュールサイズ:
21.0 mm x 10.6 mm x 6.3 mm厚
↑12Mpixリアカメラ搭載撮像素子の、恐らくカラーフィルタを剥がした後の顕微鏡写真
↑上の写真の恐らく左下部拡大写真
ここで、今回TechInsight的には一番トピックだったことが、上二つの写真から
・
iPhoneで初めて積層がTSVでは無くなっている様だ (≒ほぼ間違い無くCu-Cuハイブリッドボンディングだろう)
というところみたいです。(”7”ではTSVでの積層であった。ちなみにTSVでの積層で会った場合、
この様に見える)
コストの面では元々TSVを用いると不利というのが一般的に言われている様ですので、
今回8でCu-Cuハイブリッドボンディングになったということは、
やはり、前回”7”の時には、まだiPhoneの台数分のチップを作る製造ラインが整っていなかったのか、まだ量産実績が少なすぎていきなりiPhone用のセンサに適用するのはリスクが大きすぎるという判断だったとか、そういった事情があったのではないでしょうか?
TechInsightのメイントピックは上記であったかもしれませんが、しかし私にとっての今回のメイントピックは以下でした。
↑広角側カメラ搭載撮像素子の画素領域の拡大写真
なんだか蛆虫みたいで気持ち悪いですが、右上1/4くらいの領域のパターンは、まず間違い無く像面位相差AF画素パターンです。
で、これが今まで見たこと無いパターンで、
縦長と横長のパターンが規則正しく並んでいます。
これ、恐らくAFで言うところの
クロス測距対応したということではないでしょうか?
オリンパスのOM-D E-M1 MarkⅡの時から気になっていたのですが、E-M1 MarkⅡの撮像素子ももしかしたらこうなっていたのかなぁ
(上の写真だと、”オールクロス”と呼んで良いのか怪しいですが・・・)
私が今回気になった点は、ここまででほとんど書ききってしまったのですが、
TechInsightの方にはまだ望遠側撮像素子とフロントカメラ搭載撮像素子の写真もありますし、
まだこの後ももう少し解析が進行して更新される可能性がありますので、
それらの分の期待も込めて、残りの写真は来週以降のblogに持ち越しにしたいと思います。
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