また1週blog更新が空いてしましまいた。これももう一つ始めた老後の(?)趣味の悪影響か(^^;)
さて、この間、
パナソニックに続き、
日経新聞起因の今度はリコーの撤退騒動。
そしてパナソニック同様
即座にリコーも火消し公式コメント発表。
しかし、カメラ事業に関してリコーが減損処理したことも事実の様子。
そして、発表資料のp.12には
”聖域を設けず、遠ざける事業の選別を徹底”
の項目の中に、
”トラディショナルカメラ”
が入っていますね。
”遠ざける事業”、”トラディショナルカメラ”・・・
どちらも個人的には初めて聞く用語です。相当言葉使いに気を遣ってる感じですね(^^;)
にしても、こういう発表内容で聞く”今年は構造改革を断行して、後に反転攻勢に出るための基礎体力を作る年”みたいな内容は、もう何年も前から日本の各電機系のメーカーで聞いた気がする内容ですね。相当既視感があります。場合によっては何年も言い続けてる会社もあるんじゃないかと思うくらい(^^;)
そして以前から思ってたのですが、日本って何で同業界の会社数が多いのでしょうか?
つまり、他国だと例えば電機メーカーで聞く名前といったら、その国で一つかせいぜい多くて二つ。
戦後の日本の復興過程とか国民性とかの影響なのでしょうか?
[4回]
例えば韓国だったら電機メーカーではSamsungとLG、車だったら現代(ヒュンダイ)くらい。
それが日本だと、前者はソニー、パナソニック、日立、東芝、NEC、富士通、シャープ。ちょっと前まで三洋もありましたし。
後者は、トヨタ、日産、ホンダ、三菱、富士重工業(スバル)、マツダ。軽も入れたらスズキ、ダイハツ。その他トラック/バスメーカーも。
そして日本のカメラメーカー(≒カメラを作っているメーカー)数は、恐らく調査するまでも無く世界一の数であることは間違い無いと思います。
いくらグローバル社会になったとは言え、やはり本来その国の市場の大きさにあった適正なメーカー数というのは存在していて、
それ以上の数のメーカーが存在したら、多かれ少なかれ過当競争になって各社が適正な利益を確保することが難しくなる・・・
メーカー間で当然差は出てくるとは思いますが、全体的にはそういう流れになりそうですよね?
その過当競争のお陰で、いったん我々エンドユーザーは安価に良いものが買える恩恵に預かれる訳ではありますが(^^;)。
近年のデジカメ市場の縮小は周知のことですから、全盛期とデジカメメーカー(?)数に変化が無ければ、全体的にはどこのメーカーも利益を稼ぐことが難しくなる・・・
最近のデジカメメーカー各社の決算発表等での歯切れが悪いのはある程度当然と言えば当然なのかなという気がしてきてしまいます、個人的には・・・
さて、今回も前置きが長くなりましたが(^^;)、
今年、広島で5月下旬~開催予定のIISW(International Image Sensor Workshop)の
発表プログラムが、今週発表されました。
IISWは、メジャーな半導体系の国際学会(ISSCC、IEDM、VLSIシンポジウム)が毎年開催されるのに対して、
・イメージセンサ専門の学会(?)
で、
・隔年開催
・開催地が都度持ち回り (唯一VLSIシンポジウムは持ち回りですが、ハワイと京都二択の固定)
というところが大きな違いです。
なので、イメージセンサに興味が無い人の琴線には全く触れない訳ですが、
逆に私の様なImagerマニアな人間には他のメジャー学会よりもヒットする場合があり(^^;)、要注目なイベントです。
しかし、
アレからもう2年経つんですね~。早いな~(^^;)
と、いう訳で、発表プログラムから、今週はまずは個別案件は翌週以降にして、まずは概観から。
◆発表件数:106件
※posterも全て含めて。ただし数え間違えて数件異なるかもしれません。
それはご容赦を。
ちなみにIISWの論文採択率はどの程度なのでしょうか?
ISSCC、IEDM、VLSIシンポジウムが恐らく3割ちょっとというところで、
IISWはイメージセンサだけで106件も発表枠があるので、相当採択率自体は高い(悪く言えば、粗悪な内容のものでなければそこそこ通る)感じでしょうか?
◆組織別の発表件数
【6件】
ON semicondoctor
IMEC
【4件】
東北大学
静岡大学
【3件】
Towerjazz Panasonic semiconductor
【2件】
SONY系
TSMC
Omnivision
AMS (CMOSISを買収したところ)
その他、恐らく何組織か
※私が気になる(発表件数が多そうだと思った)組織を検索で引っ掛けた結果ですので、発表件数が多くても、漏れている組織があるかもしれません。
その点ご容赦ください。
↑結果、件数が必ずしも発表内容の質を保証はしないものの、
Aptinaを買収したオンセミコンダクターが、今までのONsemi分とAptina分が合算されたようなイメージでトップ。
”買収による重複組織の合理化”
みたいなことを行っていないのか、もしくは本当にうまい買収で、イメージセンサの中でも被る分野が両社に無かったのか、興味深いところです。
そして、
この分野の隠れた(?)名門、IMEC(ベルギーの国際研究機関)も6件でトップタイ。
普段、あまり表に出てこないイメージがあるのですが、基礎研究が多いからか、それとも各社との共同研究が多く、共同研究相手の組織に華を持たせているのか。
ちなみに全く余談ですが、特に撮像用のイメージセンサは日本の組織が強い分野だと思っているのですが、
他にイメージセンサ分野に強い国籍(?という表現が正しいかはともかく)と言えばやはりアメリカ(Omnivision、ON semiconductor、Forza、他大学は多数)。まあアメリカが弱い分野というのはあまり思いつかないので、アメリカは悔しいことに(^^;)基本何でも強いのでまあわかるのですが、
個人的にイメージセンサ分野に強い国籍で他に思いつくのがベルギー。
上記IMECの他、CMOSIS(※ただし、amsという組織?に買収されたため、今回のIISWでCMOSISの組織名は無く、amsとなっています)、Caeleste、
Harvest Imaging
こうやって見ると、公的機関が多い様な気もしますね。
何かベルギーは国策として技術系組織をバックアップする政策でも敷いているのでしょうか。
余談から戻って、3位はタイで、並居る有名どころの企業群を抑えて日本のイメージセンサ界(?)での大学の雄、東北大 & 静岡大学。
やはり、お金儲けが本業(?)の企業と異なり、ある程度こういったところで発表した実績が研究を続けられることにつながる大学は、より一層発表には積極的な感じでしょうか。
で、5位に、最近有機光電変換膜センサで勢いがあるパナソニックが入っています。
次は、Session名から。
IISWのSession名は、その時採択された論文or paperから、その時の時流(トレンド)を反映させて決められているのでは?と思います。
とすれば、2年おきに開催されるIISWのセッション名の変化を追えば、二年間のイメージセンサ業界のトレンド変遷が追えるのでは?と。
で、
前回の2015年から新たに加わった
◆Stacked Image Sensors
は、もう今回はSession No.1ですね。
セッションの順番に意味があるかわかりませんが、積層型センサの研究開発はもう完全に主流なトレンドになったと見て良いように思います。
因みに前回2015年に初めて、それまで一世を風靡していた(?)”微細画素”といった様なニュアンスのセッションが消えました。今回の2017年にも存在しません。
これもイメージセンサ業界の時代の変遷だなと感じます。
その他、王道どころで以下の様なセッションが。
◆Noise
◆High Dynamic Range
◆High Speed (高速化)
◆ADC
◆Global Shutter
◆Non-Visible Sensor (可視外光センサ:赤外、X線など)
で、今回、明示的に新たに加わったセッションは無い様に思えるのですが、
あえて言うと、
前回は”Innovative(革新的な)” Photon Counting というセッション名だったものが、
今回は”Photon Counting and Photon-based Imaging” と、割と”当たり前”という様なニュアンスを感じさせるセッション名に変わっている様です。
↑個人的に私がフォトンカウンティング(光子計測?)センサに興味が出てきているために意識し過ぎでしょうか?(^^;)
しかし、そう考えると、巷のデジカメユーザーには期待度の大変高い様に思われる有機膜センサは、一つのセッションになるまでは一大勢力ににはなっていないというのも興味深いところです。
そして今週、本題には入れなかったのですが(^^;)、先に一件だけ。
セッション1の最後、
R06
A Survey of Enabling Technologies in Successful Consumer Digital Imaging
Ray Fontaine. TechInsights, Inc., Canada
↑コレ、毎回必ず発表があったchipworksの発表件ですね。
今回は名前が”Techinsights”に変わっていますが。
コンシューマーデジタルイメージングにおいて成功を収めた技術の調査
邦訳するとこんな感じでしょうか。
毎回、その2年で実際に製品に搭載されたイメージセンサの進化した点を端的に抑えてくれているので、ある意味概要を知りたいだけなら最も注目な発表件と言えるかもしれません。
ちなみに来週以降も触れ無さそうなので、もう1点だけ書き添えておくと、
今回SONYから2件、CANONから1件 発表がありますが、
どうもそれぞれのタイトルから予想するに、双方とも、昨年及び今年のIEDM及びISSCCで発表があったものと同じものの様子です。
SONYの片方は積層センサのCu-Cuハイブリッドボンディング
もう一方は、
3D積層の高速ビジョンチップと呼ばれるもの
Canonの方は(まだ書き途中ですが)光導波路を採用した3.4um画素ピッチのグローバルシャッタセンサ
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