個人的に、富士のGFXとパナソニックのGH5は(買えないことはわかっていつつも)触ってみたかったのですが、行列に並ぶのは嫌だったので、結局触れずじまいでした・・・。
・PowerShot G9X MarkⅡ
・IXY 210
・IXY 200
【ニコン】
なし
【ソニー】
なし
【パナソニック】
・GH5 (←”開発発表”は昨年既に行われていましたが)
・LUMIX GF9
・LUMIX FZ85
【オリンパス】
なし
【富士フイルム】
・X-T20
・X100F
・FinePix XP120 (防水コンデジ)
【リコー・ペンタックス】
・PENTAX KP
【カシオ】
・EX-ZR1800
【シグマ】
なし
ひと時は、暗黙の了解協定(?)で、CP+を世界的な写真&カメラショーにするために、ワールドプレミア数世界一を謳うため、
各社足並み揃えてCP+で発表するのが慣例だったイメージがあるのですが、
ここ数年はソニーを始め、必ずしもCP+を重視していない会社もあるようなのでなんとも言えませんが、
やはり
オリンピックイヤーであった(ためかどうかわかりませんが^^;)昨年と比較すると、今年は全般的に小粒感は否めませんね。
そして新製品発表数に、各社間で偏りがあるのも特徴そうです。
で、まずは、各社展示の中で、”撮像素子単体展示”のあったものを以下。
↑パナソニックGH5搭載 フォーサーズ(4/3インチ)サイズ2000万画素 MOSセンサ
ガラス内展示物の写真撮るのは難しいです(^^;)
こういう時はコンデジだと面倒になって、ちゃんと撮れる様にチューニングすることをしないというデメリットに気づきました。
パナソニック製でしょうか?ソニー製でしょうか?
ほぼほぼ上記二択のどちらかで間違い無いとは思いますが。
見た目からわかることは(写真ではわかりにくいですが)、センサパッドは4辺に配置してありました。
まあ最近はキヤノン製素子も含め、チップの4辺にパッドが無い大判の撮像素子は見た記憶がありませんが。
あとはセンサの載ってる基板が小さくて、表側にはチップコンデンサと思われるものが数個見えるのみ。
これもブルブル埃取り機能と、なんと言っても最近では外せなくなってきているカメラbody内手振れ補正機能の実現のためには大きく重くは出来ないという事情からなのでしょうね。
↑参考までに、
本家パナソニックのHPに載っている、GH5搭載撮像素子写真
本家HPのものは、なんかセンサ縦横比がAPS-C素子の様に見えてしまいます(^^;)
↑オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ搭載 フォーサーズ(4/3インチ)サイズ 2000万画素素子
まあこれもソニー製かパナソニック製の二択の内のどちらかなのだと思いますが、
手振れ補正等のユニット込みの展示で、フィルター類もセンサ前面にどっちゃりついている状態ですので益々ヒントが少なくよくわかりません。
↑ちなみに参考までに、こちらは
AVwatchさんに掲載されていた、同カメラ搭載撮像素子の写真
GH5とE-M1Mark2は共に2000万画素でフォーサーズサイズ素子。
しかし仮に双方ソニー製撮像素子であったとしても、
同世代の同じ技術で作られていて、画素構造などは同じものである可能性はあるものの、
カメラスペックから類推するに、センサチップ自体は双方のカメラ向けにカスタマイズされた別物と考えるのが自然なんでしょうね、双方のカメラともそれぞれの会社のフラグシップ機ですし。
と、今年のCP+で私が気づいたセンサ単体展示は、上記2社(2種)でした。
あとは、直接センサ単体展示はなかったと思いますが、
日曜日で技術者登壇でカメラ本体のステージイベント(セミナー?)を開催していたのが、(私のチェック内では)ペンタックスと富士フイルム。
それぞれPENTAX KP と GFX50S について。
↑最高ISO感度819200を達成出来たのは、以下3点との説明図
・センサ性能up
・PRIME4(ペンタックスの画像処理エンジン)を使いこなせてきたこと
・新規のアクセラレータでノイズ処理を高速化出来た
ペンタックスのカメラは、ノイズ処理用にアクセラレータを専用に持っているということでしょうか。他社もそれが普通だったりするのでしょうかね?
なんとなく、心象的にはアクセラレータの件が一番高感度性能upに寄与している様に感じられました。
ちなみにペンタックスHP掲載のKP搭載撮像素子写真は以下。
その他、気になったり興味を惹かれたりした点は、
・イメージセンサは新規のもの
・KPのセンサには像面位相差AF画素は配置されていない
※技術者(もしくはカメラ企画者)はこのことについて「センサメーカーが(位相差AF画素を)入れていない」とやや受け身的な発言をされていたと記憶しています。
「あれ?新規のセンサならカメラメーカー側が像面位相差AFの搭載有無の仕様を決めれるのじゃ?」と気になりました。
・K1にも電子シャッター機能あったが連写出来なかった。それが出来るようになった
・K3-Ⅱに対して、AF速度40%高速化
K1が電子シャッターだと連写出来ない仕様(?)だったとは知りませんでしたが、いったい出来ない理由は何だったのでしょうか?
イメージセンサ的には連写は言ってみれば動画の一部みたいな動作のはずで、読み出す画素数以外は連写も動画も変わりない様な気がしますので、動画が撮れるカメラ搭載のセンサであれば、イメージセンサ側に制約は無さそうな気がしますが。
さりとて、カメラ側も、メカシャッターを使わなくなるだけと言えば”だけ”なので、カメラ側にも電子シャッターモードで連写出来なくなる理由も見当たらないような・・・?
その他、最近別の趣味でサボっていたので見落としていたのですが(^^;)、
PENTAX K70は同じ2400万画素APS-Cセンサなれど、像面位相差AF画素搭載センサ。
だから”KPのセンサがK70搭載センサと全く同じってことは無いはずだよね~”と思って
ペンタックスのHPを見に行ったら・・・
↑なんか写真上側のセンサ周辺回路がスパッと切り落とされた様な面白い外観のセンサに(^^;)
何となく、(明らかに異なるセンサですが、)同じく
ペンタックスK-S2の流れをくむセンサだと思われますが、
K-S2、K-70、それぞれのカメラの連写駒速が5.5駒と6駒/sec。
現状のイメージセンサ技術(?)であれば、恐らく上記連写速度であれば、
画素領域上下にわざわざ読み出し方向を振り分けずとも、
片側(上記写真では下側)にだけ読み出すだけでも十分間に合うよ
ということを意味しているのだと思います。
(対照的に?
K-3ⅡとKPは、それぞれ8.3コマと7コマ/secで、
どうもここに現在の2400万画素での分水嶺がある様で、
上記二つのセンサは、画素領域上下に信号読み出し回路が存在しいてる様子です。)
で、K-S2とK-70の両センサ写真を眺めていて個人的に謎なのですが、
”なんで信号読み出し回路の無い上側のパッケージサイズをセンササイズに合わせて縮めてしまわないのでしょう?”
・イメージセンサ会社がパッケージ型代を浮かすため、ワイヤーのランド位置は変えるけど、型は同じものを使うため? (←そういうことができるのか私は知りませんが・・・)
・ペンタックス側が、body内手ぶれ補正の調整の都合上、センサ及びパッケージの重心を従来機と大きく変更したく無いため?
・ペンタックス側が、従来機とセンサ周りのメカ設計を大きく変更したくないので、パッケージ中心とセンサの有効画素中心を合せたいといった様な要望があるため?
てんでトンチンカンなことを書いている可能性がありますが、私が思いつくことは上記くらいでしょうか。
ペンタックスは小型・軽量を特に売りにしているカメラメーカーなイメージが私にはあります。
であれば、本来であれば多少なりとも、上記パッケージ面積を削れば、小型軽量化に寄与すると思いますので、
純粋に1から専用設計すれば、削るのが道理(≒素直)なのだと感じるのですが・・・
お次は富士フイルムのGFX50S。
こちらは上記ペンタックスの様なプロカメラマンのMC進行では無く、完全にセルフプロデュース(?というのかな?)の進行。
正直聴講者の心象としては富士の方が完全にアピールの仕方上手いなと感じました。
↑
GFX(中判カメラ)商品化の目的は、コマーシャル、ファッションといった一部多画素(表現上は”高画質”となっていました)が必要となるジャンル(図中赤丸箇所)の方向けカメラ
※上図は、乱暴に言えば横軸は連写速度、縦軸が画素数
また、本質的では無いにせよ、以後も含めてブラックバックで統一されたシックで高貴な印象を持たせる品位あるプレゼン資料。なんかイメージでやられちゃいます(^^;)
↑
同じ5000万画素でも、35mmフルサイズセンサだと、画素ピッチ4.1um□だけど、中判サイズだと5.3umなんですよ
↑「独自設計の新規センサなんですよ」アピールのプレゼン資料ページ
(あまりにがぶりつきの席に陣取ってしまったために、以後も含めてコンパクトデジカメの画角に資料が収まらないことに^^;)
しかし、個人的には唯一ここはアピールが弱いところかなと感じました。
言っていることが、
・独自設計マイクロレンズ
と
・独自設計シリコンプロセス
じゃなと。
具体的なことは言えないにしても、これだけ抽象的だと、正直
「基本ソニーが作った汎用5000万画素中判センサを、自社マウントに合わせてマイクロレンズのずらし量を微調してもらっただけなんんでしょ?」と思ってしまいました。
↑「なぜミラーレスなのか?」
・多画素を生かすにはミラーショックがあると邪魔だから
・中判でも小型軽量にして機動性を高めたかったから
(↑正確な表現では無いかもしれませんが、そういうことをおっしゃってました)
この後、私の興味の範囲では、
・フォーカルプレーンシャッター搭載の初ミラーレス中判であること
・独自Gマウント
・レンズ
を特にプッシュされていました。
↑
”以後のレンズバリエーションも考慮して、中判デジタルミラーレスカメラ専用に新規に立ち上げたマウント”
ということを、終始猛アピールされていました。
暗に”他の多くのメーカーのメーカー中判カメラは、過去の遺産を流用するために、現在のデジタルカメラにとって最適では無いんだよ”と言いたいのだろうなと解釈させるに十分でした(^^;)
いや、正しいことをおっしゃってるのだろうと思います。
この辺、”カメラ”新規参入組はしがらみがなくて有利な点ですよね。
↑低振動なフォーカルプレーンシャッタにこだわったせいで、シャッターユニットがどうしても肥大化
そのため、本来バッテリーを入れがちなグリップ部にまではみだすことに
⇒結果、バッテリーがセンサユニットと背面液晶の間にくるレイアウトになってしまったようです。
このことを技術者は前向きに、
「三脚を立てた時に、雲台からカメラを外さなくてもバッテリー交換ができるようになった」
「グリップ形状の自由度が増した」
と表現されてました(^^;)
このせいで、肉厚なデザインになっていたのですね。
どなたかここまで富士フイルムがフォーカルプレーンシャッターにこだわられた理由を解説願えませんでしょうか?
恐らくここまでするからには、中判カメラユーザーに(?一般的に?)フォーカルプレーンシャッターがとても訴求するからだと思うのですが、そこまで無理した理由が私にはピンときません(^^;)
(wikiなどを読む限り、リーフシャッター=レンズシャッターに対して高速シャッターが切れることがメリットらしいのですが、とすると、逆に現在他のミラーレス中判カメラでは高速シャッターは切れないのでしょうか?)
↑
425点のコントラストAF
像面位相差AF画素は無いそうです。
↑これは「なぜ富士フイルムのカメラを選ぶべきなのか?」ということなのかと思いますが、
私の理解間違いが無ければ、
・写真表現の追求 ≒(?) フィルムシミュレーション
つまりは、カメラのスペック面をアピールはしてきたものの、最終的には富士フイルムはスペックでは無く、
フィルム時代から培ってきた色や、カタログのスペック面に表現できないカメラの使い勝手や(所有する喜び含めた)官能的な部分を大事にしているんですよ。
(だから富士フイルムを選ぶべきなんです)
というように聞こえました。
↑大画素ピッチセンサを搭載した自信の表れだと思うのですが、
同じ富士フイルムのXシリーズカメラよりも、GFX50Sは、暗部を2/3段持ち上げる入出力カーブなのだとか。
同じシャドー部でも、信号電荷が相対的に多くフォトダイオードにためられているはずなので、その分持ち上げても暗部の階調差がきっちり出せるということでしょうか。
↑レンズにも相当力入れていますよ のアピール
通常、撮像フォーマットが大きくなればその分色収差も大きくなる(≒大きくなったところで、最終出力の実力としては同等となる)
そこを、GFレンズはXFレンズの色収差と同じ実力に抑え込んで高画質を実現している
≒今後の更なる多画素なセンサにも既に対応したレンズになっているんですよ
とのことでした。
その他、自分が興味があった話として、
・先幕電子シャッターはあるが、1/500秒以下の露光時間の時には使わない設定になっている
↑ボケが壊れるから (←なんで??)
・1/30~1/100秒のシャッタースピード時が、三脚撮影時には最もぶれ易い
↑シャッターやミラーショックによるブレを想定している訳ですが、全露光時間におけるブレが起きている時間の比率が高くなるためとのこと。”なるほど”と思いました(^^)
最後に、
富士フイルムのHPから、このGFX50S搭載撮像素子の写真を以下に。
なにか、心なしか、他のカメラのセンサよりもグリーンが強く見える気がしますね。
光の加減でしょうか?
この他、今年もソシオネクストさんの画処理エンジンミルビューの話は面白かったのですが、
ちょっと長くなり過ぎるので、今回はこの辺にしておこうと思います。