今年二度目のblogエントリ時で既に2月(^^;)
本日から
ISSCC始まりますね。
本題とは離れますが、ISSCCに絡んで一つ。
以前、今回のISSCCでのソニー発表の”DRAM積層センサは、真の(?)3層積層センサなのか?”的なことを書きましたが、
どうやら真の3層積層センサの様ですね。
しばらく前の
image sensor worldさん経由の情報です↓
↑「これじゃ既に(?)4Layeredセンサじゃないか!」
という気がしますが、今回の発表ではDSPとメモリあたりが1レイヤーになっているのでしょうか?
個人的興味はこれが量産レベルなのか?というところですが、ソニーのことなので、”発表する時は量産可能”の法則(?)にこれも則っているのでしょうね。
[2回]
ImageSensorWorldさん情報では、ソニー発表ではどうもこれを産業用ロボット制御用の映像入力素子として考えている様で、
・従来よりも5倍高速なスキャンとデータ出力が可能
・故にディストーション(≒ローリングシャッター歪)と1/fノイズの低減がその分可能
というアピールの様です。
聞いている限りは、コストさえ見合えば民生カメラ用途としても有用な機能&特性の様に思えますが、果たして・・・?
その他、Tesseraという企業から「ソニーさんのハイブリッドボンディングは未だ(?)6umピッチでしか出来ないけど、ウチのハイブリッドボンディングだったら1.6umピッチまで可能で、なんなら画素毎に導通取れるよ」
という発表や、
SMICという中国本社のファウンドリー企業からは、「ウチは2工場で積層センサ製造可能だよ。依頼よろしく!」
みたいなニュアンスの発表があった感じですね。
いやはや、しかしCMOSイメージセンサって結構成熟してきている技術分野だと感じているのですが、これらの話を聞いているとそうとは思えないほどの進化スピードに思えてなりません。
直接は関係無いものの、
東芝経営陣の再度の失態(?最早不祥事レベル?)と、それに続く(?)
NECの”チャレンジ”失敗かの様な計画との差異などを見ていると、日本の電機分野にとってこれほど明るい話題をくれるジャンルは貴重だと感じてしまいますf(^^;)
さて、話を本題に移して、週明けからは各社から今月下旬のCP+に向けて本格的にカメラ新機種の発表が始まりそうですが、
その前ギリギリに、やはり毎年恒例となっている振り返りシリーズ(?)、
前々回の民生ビデオカメラ、
前回のコンパクトデジカメ(レンズ固定式カメラ)に続き、〆めのレンズ交換式カメラの'16年状況をいってみたいと思います。
'15年状況も同様に1年少々前にエントリしていますので、ご興味あればそちらも合わせて参照ください。
さて、では早速昨年'16年の各社のレンズ交換式デジカメの販売台数実績もしくは計画数から。
以下、いずれも直近の決算報告時の今年度の販売見込み台数になります※Canonは'16年1~12月実績、他のメーカーは'16年4月~'17年3月 の販売台数見込み※それぞれ右側の()内数値は、昨年度の実績及び本年度との比較値ですCanon :570万台 (560万台 +10万台 2%増)
※↑台数は、決算資料の+2%から計算。多少ズレがあるかもしれませんNikon :335万台 (404万台 ▲69万台 17%減予測)Olympus: 46万台 (55万台 ▲9万台 16.4%減予測)
上記以外の会社は、例によって数字非公表で不明です。
※ソニーのみ、”コンデジ合わせたデジカメ全体の”見込み数を公表していて、それについて参考までに残しておくと以下。
SONY :400万台 (610万台 ▲210万台 34.4%減予測)
数字公表している会社に限ると、'16年のレンズ交換式デジタルカメラの販売”台数”については、
キヤノンが踏ん張り前年並みをキープ
ニコンとオリンパスは踏ん張り切れずに二桁減予測
ということで、ちょっと明暗が分かれそうですね。
もしかして、これは単にブランド力とかの話じゃなくて、
熊本の震災でソニーの撮像素子工場が被害を受けた件が実は関係している可能性とかあるのでしょうか?
ソニーから撮像素子を調達している会社と自社Fabで撮像素子を作っている会社とで、撮像素子の供給律速でカメラ量産数に制約が出たか出なかったかという・・・実際に、撮像素子の供給不安があったため、発売日を遅らせたカメラもあったような噂も聞きますし。
答えは本年の販売台数も同様な差がつくのか、或いは以前の差に縮まるのかで、ある程度は予想出来そうでしょうか
震災自体は大変不幸なことでしたが、上記件は興味あります。
話を戻しますが、ソニーはどうなんでしょう?
恐らく減少分の大半もしくは全てがコンデジ分で、レンズ交換式に限ればそこまでは減少していないことはほぼ間違い無くて、
ソニーも前年に対してkeepもしくは反対に昨年よりも増加という可能性もありそうな気がしますが・・・?
まあしかし、最も対前年比で伸ばした企業はシグマで間違い無いでしょうね(^^)
'15年はSD1merrillしか無く,'16年はsdQuattroがあのお値段で出ましたから。
レンズ交換式だけ見れば対前年200%増と言われても、全く違和感無く信じれます(^^;)
で、各社トータルの”出荷台数”という情報で言うと、今週は
CIPAがデータ確定していました。
レンズ交換式デジタルカメラ:11607778 ≒ 1161万台 (対前年11.1%減)
金額ベースでも大凡同様の下げ幅 ≒ レンズ交換式カメラに関しては、1台のカメラ実販売価格は'16年と'15年でほとんど変動していないということの様ですね。
地域別の内訳を見ると、他地域よりも日本の下げ幅だけが大きい・・・ということに気づきますが、これはどういうことを意味するのか?
また、一眼レフとノンレフレックス(≒ミラーレス)カメラの内訳ですが、
一眼レフ :約845万台 (対前年約13%減)
ノンレフレックス=ミラーレス:約316万台 (対前年約5.6%減)
ということで、
依然一眼レフカメラの方がミラーレスカメラよりも2.5倍以上売れてはいて、しかし毎年毎年ちょっとずつちょっとずつその差を埋めている・・・そういうトレンドの様です。
しかし'16年末発売もしくは発表の、オリンパスE-M1mark2、パナソニックGH5などを見ていると、ミラーレスカメラでの不満は着実に潰されている様に見えますので、
今年あたりはいっきに一眼レフカメラとの販売台数の差異を埋めるエポックメイキングな年になるかもしれませんね。
そして完全に余談ですが、
今年、別件でエポックメイキングな年になる可能性が高そうなのが、
デジカメ史上(・・・そんな言葉があるかは不明ですが^^;)、
初めてレンズ固定式デジカメの販売台数を、レンズ交換式カメラの台数が上回る年になるかもというものです。
CIPA統計では、昨年
'16年は最終的にレンズ固定式カメラは、1258万台をワールドワイドで出荷し、辛くもレンズ交換式カメラの台数を上回りました。
が、例えば
キヤノンの決算資料(p.13)を参考にすれば、
'17年はレンズ固定式が対前年-13%、レンズ交換式が同-7%となっています。
'16年のそれぞれの出荷台数から上記減少幅を勘案して'17年のそれぞれの出荷台数を計算すると、数十万台レンズ交換式カメラの方が数字が上回ることになりそうです。
という年になるかもという話なのですが、一つ別件で気になったのは、キヤノンのレンズ交換式カメラは昨年、対前年+2%と下げ止まったのに、再び今年-7%と予測するのはなんでなのか?というものです。
”なんか今年発売機種に自信が無いのか?”とか個人的に勘ぐりたくなってしまいますf(^^;)
ではお次はシェア。
これは皆さんご存知の結果と思いますが、BCNのランキング(ということで国内のみに限ったシェアになります)。
一眼レフカメラ1位 キヤノン :63.3%2位 ニコン :31.6%3位 リコー(ペンタックス): 4.8% ミラーレス(ノンレフレックス)カメラ1位 オリンパス :26.8%2位 キヤノン :18.5%3位 ソニー :13.6%
一眼レフの方はシェア順位はここ数年安定的、変動ほぼ無しで、内訳がどうなるか?という感じですが、
昨年はニコンとペンタックスが減らして、その分をキヤノンが総取りして、遂には2位ニコンに対してダブルスコア。
ただ、正直ニコンのNikon1シリーズ=ミラーレス機がそんなに売れてるとは思えませんので(^^;)、冒頭の総出荷台数から考えると、ワールドワイドでの一眼レフカメラの販売台数では、日本国内ほどには両社の差は無いのではと思います。
逆にミラーレスカメラの方は群雄割拠未だ収まらず。毎年順位変動です。
1位はオリンパスであることが多いのですが、今年はシェアは落とし。
そしてここでも元気というか、個人的に不気味なのですが、キヤノンが2位・・・
本当に失礼な言い方ですが、そして私はスペックおたくで実際にカメラを使い比べた訳では無いのですが、とお断りしておきますが、
正直どうやったらキヤノンの現状のミラーレスカメラのラインナップで2位になれるのか?
不思議過ぎます(^^;)
ミラーレスカメラを買う平均的な方の買う際の選択基準をどうにかして知れないものか?あとは実際店頭でどういう感じで売れていくのか、一回大真面目に時間使って観察してみたい気分です・・・(←さすがに実際には行わないと思いますが^^;)
さて、ではやっと本題(?)です。
↑各メーカーごとの、”現役ラインナップ”レンズ交換式デジカメ一覧
※上表にリストアップしているのは、上記メーカーが日本国内向けに以下それぞれの公式HPに'17/02/01現在載っており、
かつ、”価格.comでの取り扱い店舗が存在する機種”としています
※”~Edition”といった様な(コラボモデルやカラバリ等の)限定モデルもリストから除外しています
※”搭載センサメーカー”欄のメーカーは私の予測も含めて書かれているだけですので、正しさは保証できません。ご了承願います
※”画素ピッチ”欄の数字は、センサの水平サイズを水平の有効画素数で割り、0.05um単位で最も近い数字に焼きなおしたものです
※”像面位相差AF”及び”Body内手ぶれ補正”及び”防塵防滴の有無”欄は、”○”が像面位相差AF搭載またはbody内手ぶれ補正または防塵防滴対応機、無記入は非搭載機を意味します。
また、”ローバスフィルタレス”欄は、”なし”はフィルタレス、無記入がフィルタありを意味します。
ただし、このらの項は厳密には調査していませんので誤りを含む可能性が多大にあります。ご了承ください
※”FSI/BSI”欄は、BSIと記載してあるカメラ搭載センサが裏面照射型を意味し、無記入は表面照射型センサを意味します
各社公式HP
Canon / Nikon / SONY / Panasonic / 富士フイルム / Olympus / リコー・ペンタックス / シグマ
また以下に、上表から”今年発売された機種のみ”抜き出した一覧を掲載します。
では以下まず、各メーカーの現役ラインナップ機種数の年間推移比較です。
↓更に、各メーカーの”年間の”新規発売機種数推移比較です
結果、
各メーカートータルのレンズ交換式カメラの現役総機種数 :73 ('16年初は同72)
各メーカートータルのレンズ交換式カメラの新規発売機種数:24 ('15年は同22)
という訳で、ワールドワイドの台数ベースの市場は10%少々減少している訳ですが、
レンズ固定式カメラと異なり、レンズ交換式カメラについては、
おしなべていずれのメーカーもカメラ機種数を絞ろうという様な明確なトレンドは無さそうな感じです。
個人的には少々嬉しい想定外です(^^)
あとはざざっとした所感ですが、
◆CP+のエントリで書きましたが、’16年は何といっても各社のフラグシップ揃い踏み年
熊本の震災が無ければ、GH5含め、もっと集中していたはず
◆キヤノンはEOSM5を発売し、遂にミラーレスに本腰か?
◆ソニーは客観的には、やはりミラーレスが主のメーカー
そしてコンパクトと同様α7シリーズが、旧機種併売戦略
◆ニコンは、今年は100周年の記念の年、Df後継機含め何か記念すべき新機種の発表等あるか?
'結局16年は新機種のリリースが1機種もなかったミラーレスのNikon1シリーズの行方共々気になるところ
◆パナソニックは、超小型のGM5とGM1の2機種がラインナップから消えたが、CP+で後継期発表か?
あとは何といってもGH5。同社初のプロ向けbodyという位置づけで、特に動画機能に関する仕様が半端では無く気合いが入っている感じ
◆オリンパスは何よりOM- D E-M1Mark2は何より注目だが、PENのPLでは無いノーマルのPシリーズが5を最後に消えたのが興味深い
◆富士はこの後、GFXで遂に中判センサ搭載デジカメ市場に参入
◆シグマ 遂に一眼レフデジカメ SD1merrillラインナップから消滅。代わりに?奇抜なデザインの初APS-Hサイズ素子のQuattroHとAPS-Cサイズ素子のQuattroノーマルでミラーレス市場初参入
しかも双方とも、今迄のFOVEONセンサ搭載機とは思えないお値打ち(?)価格
また長くなってしまいましたf(^^;)
来週以降、もし興味とエネルギーが残っていれば、レンズ交換式デジカメ搭載撮像素子スペックの多少の傾向分析みたいなことはやってみるかもしれません。
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