デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)
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通常のプロセスでは、デジタル用の低耐圧のMOSと、IOやアナログ用の高耐圧のMOSの2種類のMOSが使えます。
前者をCore電圧、後者をIO電圧と呼んだりします。
微細化で電源電圧が下がってるのは前者のCore電圧の方で、180nm世代は1.8Vでしたが、
90nmで1.2V、28nmで1.0V程度に下がってます。
もっとも、最近では1V付近から下げられなくなっていますが。
一方、IO電圧の方は微細化とはあまり関係なく、1.8~3.3Vぐらいで変化がありません。
ここを見てもらえば、概要が分かると思います。
http://www.tsmc.com/japanese/dedicatedFoundry/technology/index.htm
技研公開の物と同じかはわかりませんが、ISSCC発表の物は、1.2V/2.5V/2.8Vになってます。
AD変換周期という言葉は、ADC一般ではサンプリングレートのことでしょうが、発表の中では
"1 horizontal scan time"の意味で使ってるようですね。
>glassticさん
要望通りのコメントありがとうございます(^^)
>180nm世代は1.8Vでしたが、
>90nmで1.2V、28nmで1.0V程度に下がってます。
>もっとも、最近では1V付近から下げられなくなっていますが。
だいたいプロセスノード(?)に対する電源電圧の感覚は上記の様な感じなのですね。
最近1V付近から下げられない←ゲート絶縁膜の薄膜化が難しい/トランジスタの閾値ばらつきがこれ以上抑えられない という様なところから主にきているのでしょうか?
その結果としての(20nmノード以降は)FinFETへの移行という感じでしょうか。
>技研公開の物と同じかはわかりませんが、ISSCC発表の物は、1.2V/2.5V/2.8Vになってます。
↑とすると、センサ画素部の電源電圧は2.5Vか2.8Vと見るのが妥当そうですね。
1.2Vがロジック回路の電源として。2.8VはI/O電源でしょうか。
私が疑問だったのは、「微細なトランジスタを導入するとトランジスタの耐圧の関係で電源電圧を落とさなければならないのでは?」というものだったのですが、
glassticさんと話させていただいてなんとなく頭が整理できました(≒個人的に以下の様な感じなのかなと勝手に納得しました^^;)
このNHKのセンサのtop基板の”45nmプロセス”というのは、メタルの配線レイヤーに適用されたプロセスのことを指している。
画素部のトランジスタに関しては、電源電圧2.8Vなり2.5Vの電圧に耐えられる微細化度合の(≒180nmプロセスよりは粗いプロセスで使用されているサイズの)トランジスタを採用している。
すると、電源電圧を落とす必要が無いので、結果としてセンサの飽和信号量は他社の1um□画素ピッチセンサ同等の値が確保できている。
TSMCがtop基板=画素部に45nmプロセスを適用したのは、何等かの理由で、下層の配線メタルをより密にレイアウトする必要があったから (もしくは、ライン間のスペースを空けライン間の寄生容量を下げたかった?)
>AD変換周期という言葉は、ADC一般ではサンプリングレートのことでしょうが、発表の中では
>horizontal scan time"の意味で使ってるようですね。
了解です。ありがとうございます。
blog本文中の(フレームレートと行数の)割り算結果と概ね一致するので、上記の理解でほぼ間違いなさそうですね。
お蔭さまでスッキリしました(^^) 今後もよろしくお願いします!
すみません、少し端折りすぎたようです。
通常のプロセスでは、2種類の電源電圧があると書きましたが、
それに合わせて、2種類のゲート酸化膜圧のMOSを同時に使用できます。
例えば40nmだと、
・最小ゲート長数十nm、酸化膜が薄く、耐圧1V程度のMOS
・最小ゲート長300-400nm、酸化膜が厚く、耐圧3V程度のMOS
この両方を同じICの中で同時に使用できます。
前者を主にデジタル回路に、後者を主にアナログ回路に使用します。
後者は微細化とは関係なく、ゲート長や酸化膜圧は変えないので、どのプロセスでも3Vぐらいのアナログ回路は作ることが出来ます。
ではなぜ40nmを使うのか?というと正直よく分かりません。
imagerマニアさんの仰るように、私も微細化にメリットがあるとは思えません。
単純に、CIS向けで最新のプロセスなので試作機会が多かったのか、貼り合せ技術に対応してるのが、40nmだけなのか…
>glassticさん
お休みの時に(?)わざわざ丁寧な補足ありがとうございます。
>それに合わせて、2種類のゲート酸化膜圧のMOSを同時に使用できます。
ちゃんとTSMCのサイトを読まずに回答してしまい申し訳ありません(^^;)
そういうことなのですね。
確かに、世の中積層ICばかりでは無いので、1チップでI/Oと兼用しようと思ったら、必ずglassticさんおっしゃられた様に電源電圧のみならず、耐圧的にも2種類以上のMOSトランジスタが使用可能なプロセスで無いと現実使い物になりませんよね。
思いが至りませんでした(^^;)
>後者は微細化とは関係なく、ゲート長や酸化膜圧は変えないので、どのプロセスでも3Vぐらいのアナログ回路は作ることが出来ます。
教えていただいた情報を元に考えると、やはりこのNHKのセンサの画素部の電源は2.5Vか2.8Vで間違いが無いと再度思いました。
とすると・・・
>ではなぜ40nmを使うのか?というと正直よく分かりません。
>前者を主にデジタル回路に、後者を主にアナログ回路に使用します。
ソニーの積層センサの例を見てもそうだと思うのですが、
このNHKのセンサのtop層のウェハ上に、”デジタル回路”は存在しない様に思います。
上記までの予想が正しければ、結果top基板上には45nmプロセスを用いながらも、低電圧用のMOSトランジスタは一つも存在しない ≒ やはり配線メタルにしか微細プロセスの恩恵は無い様に感じます。
>単純に、CIS向けで最新のプロセスなので試作機会が多かったのか、貼り合せ技術に対応してるのが、40nmだけなのか…
なるほど、そういう可能性もありますね。
こういう議論(?というほどのものでもないかもしれませんが^^;)は、やはり個人的には理解を深める気がして有意義でありがたいです(←結果間違っていて納得度だけが増している場合もあるかもですが^^;)
周囲にこういう環境があれば良いのですが・・・(しかし周囲にそういう環境があると、私はこのblogを書いていないですね、きっと^^;)
改めて今後もよろしくお願いします。
(1年くらい前だったか、一時期よく顔を見せてくださっていた”ロートルさん”も、またお見えになってくだされた良いのですが ボソっ(-Б-))
ブルックマンテクノロジが、8K 120fps 14bitのセンサーのサンプル出荷を開始しました。
http://brookmantech.com/index.html
このメーカーのセンサーは、まだかなりのじゃじゃ馬らしいですが、10年後にはイメージセンサーの主要サプライヤーになっているかもしれません。
>hi-lowさん
>ブルックマンテクノロジが、8K 120fps 14bitのセンサーのサンプル出荷を開始しました。
8Kの市販化(サンプル出荷)は世界初なんですね。
確かに他では聞いたことありません。
残念ながら(?)このblogでとりあげたチップでは無いみたいですが、
33Mpixの120fps 14bit分解能ということで、数年前に技研公開で展示されていたものより、ADの分解能が2bit分あがった感じのものみたいですね。
>このメーカーのセンサーは、まだかなりのじゃじゃ馬らしいですが、10年後にはイメージセンサーの主要サプライヤーになっているかもしれません。
静岡大学で研究開発されたイメージセンサを試作、製品化する会社の様な印象を持っていますが、主要サプライヤーの仲間入りしてくれて、イメージセンサ界(?)を盛り上げてもらいたいです(^^)
> imagerマニア さん
>静岡大学で研究開発されたイメージセンサを試作、製品化する会社の様な印象を持っていますが、主要サプライヤーの仲間入りしてくれて、イメージセンサ界(?)を盛り上げてもらいたいです(^^)
仰る通りのベンチャー企業です。
既にNHKなどとカメラへの実装を進めているので、少なくとも8K放送の立ち上がりでは、放送用カメラセンサの主要サプライヤーになりそうですね。
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