熊本の地震、大変なことになってますね。
被災された方、無責任な言葉だけで恐縮なのですが、
「しばらくは耐えてそして頑張り屋の方はあまり頑張りすぎないように気を付けてください」
暮らしている方の命とその生活が第一だという前提で、
次に気になるのは、実は九州は半導体関係の工場が国内で非常に多い地域だということです。
資料が作られた時期が2009年で少し古いですが、参考までに”
九州半導体関連企業立地マップ”
表紙の次のページに立地マップが載っています。
熊本県を確認すると・・・
車載関連、太陽電池、検査装置、システムLSI、SRAM、フラッシュメモリ・・・様々な半導体関係の工場が立地していることがわかります。
そして、撮像素子関連で言うと、ソニーの熊本テクノロジーセンター。
[4回]
立地場所の
菊池郡菊陽町の本震の時の震度を調べてみると、震度6弱・・・
これは半導体の特に前工程の工場だと、どんなに事前の対策が完璧でも”無傷”でいられる震度では無いように感じます。
実際、
現在は操業はストップしていて、再開の時期も未定となっている様です。
この状況は海外にもロイターから発せられている様で、それによるとソニーのスポークスマンは
「アップルの様な顧客に対する影響がどの程度出るかまだ分かっていない」
とのこと。
これに対して、アップルからは今のところコメント無し。対してSamsungからは「フラグシップ製品にはこの地震のインパクトは無い」とのこと。
皮肉にも(?)ここは恐らく開発時に労力を掛けて
撮像素子まで複数社から採用していたSamsungのリスクマネジメントが功を奏した感じでしょうか。
さて、NABが週明けから始まりますが、目を見張る様なスペックのカメラの正式発表としては、
先週冒頭で取り挙げたNHKの1.3億画素センサ搭載カメラと
そして、
最近LYTROが発表した7.5億画素で300fpsというとんでも無いスペックのライトフィールド記録方式(?)のシネマ用カメラの今のところ二つではないでしょうか。
LYTROは
最近コンシューマー市場から撤退を発表して業務用に専念することを発表した矢先でした(既に業務用の分野では、
最近流行りのVR向けの360°カメラを発表済みではありましたが)。
このカメラ(と撮像素子)は個人的に大変興味があり、また思うところもあるのですが、
今私があれこれ予測で書いても、一週間後にはもっと正しく詳細な情報が公開されていると思われますので、今週ここでごちゃごちゃ書くのはやめておこうと思います(^^;)
という訳で、じゃあ今週は何を記録に残しておこうかなと考えたところ、
来週以降はNABで発表されたカメラのことなどを書きたくなってしまうと思いますので、
恐らく来週の今頃発売になっているであろう、CANONのEOS-1D X MarkⅡ(とその素子)の記録を、今週は残しておこうかなと。
今更な感はあろうかと思いますが、
NIKONのD5だけ取り挙げてあるとなんだか不公平な(?)気分になりますし(^^;)、
本当は撮像素子の精細な写真が出るまで待っていたのですが、もうこれ以上待っても精細な写真は出てこない様な雰囲気ですし(--;)、
何より腐っても(?)ニコンとキヤノンのフラグシップカメラ。
今後4年間で発売される他社も含めたカメラの、何かと比較対象・ベンチマーク的な存在になると思いますので、まとめておきたいなと。
ではまずは単純ストレートに両社のフラグシップカメラ、D5と1DXⅡのスペック比較から。
私の興味ある項目+αで一覧にしてみました。
表の上1/3強の部分が、直接撮像素子に関係する可能性が高いカメラスペック群
AF回り以降は直接は撮像素子には関連が無いと思われるスペック群
実際のところ、実際にこれらのカメラを買われるか買われないかは別にして、みなさんは今回の両社のフラグシップカメラの対決(?)はどの様に見ておられるのでしょうか?
(実際にはプロの道具、触ってみてのフィーリングが最も重要だろうというのは思うところなのですが、実際に触ることの無い身としては、やっぱりスペックだけでもいいから優劣語ってみたくなると言いますか・・・^^;)
【スペック上、両社事実上引き分けだなと個人的に見た項目】
・画素数
・連続撮影(≒連写)可能枚数(バッファの持ち)
・価格
画素数の数十万画素の差、価格の(¥70万域における)数万円の差、連写可能枚数の200枚前後域における最大30枚の差・・・この辺は有意差無しと見て良いのかなと。
【スペック上、ニコンD5の方に優位性がありそうな項目】
・ISO設定可能範囲 (高ISO側)
・背面液晶の解像度
・バッテリーの持ち (撮影可能枚数)
(・記録メディアのWスロットがユーザーの好きな方で統一出来ること)
【スペック上、キヤノン1DXMarkⅡの方に優位性がありそうな項目】
・静止画の連写コマ速
・動画回り (最大フレームレート / DCI4K可)
(・GPS内蔵 / フリッカーレス撮影可能な機能)
で、私がスペック上優劣を明確に付けられないのが以下2項目
・AF回り
・ファインダー倍率
AF回りで言うと、
ニコンは最低被写体照度で-4EVは確実に優位点で、
他方、キヤノンは全点解放F8測距対応は確実に優位点。
純粋に測距点の数ならニコンD5の圧勝。しかし実際にユーザーが選択可能な測距点の数ならキヤノン1DXⅡの方がやや多いという状況・・・
ファインダー倍率については、単純にキヤノンの方が倍率高いのですが、
そのあたりを複数のカメラでファインダー覗いて比較したことが無い私は、
0.72倍と0.76倍という二つの数字が実用上優位な差が出る数字なのかどうなのかというのが判断出来ないという(^^;)
まあ双方とも特に実際にカメラで動き物追ってAF合わせたり、ファインダー覗いた見栄えとかが重要そうな項目なので、ここで数字などだけ見て優劣つけることに意味は無いと言えばそれまでなのですが、
特に個人的にはAF回りの方は興味あります。
カタログを見た時にどちらのAFスペックに惹かれる方が多いものなのかなと。
(もしかしたら極端には、今まで暗いところでAFが合焦しなくてイライラした回数と、解放F5.6絞りの望遠レンズを2倍のエクステンダーと合わせて使った時に、中央以外のAFを使えないことでイライラした回数とどっちが多いものか?と言い換えられるのかな?^^;)
比較はひとまず上記までとして、CANONのEOS-1D X MarkⅡの方に話を戻しますが、
まず最初に(スペックを見て)個人的に感じたこと
① ”動画に力入れてるな~”
一眼動画を一般に普及させたのは、EOS5DMarkⅡで先駆けたキヤノンであることに個人的には疑いは無いのですが、
しかし現在、一眼カメラで動画を撮る方の支持はEOSよりもパナソニックの特にGHシリーズに移っていると感じる昨今。
現在であればパナソニックのGH4が動画ユーザーに支持される要因は、バリアングル液晶搭載とか動画の凝った取り込みや編集に向く細々した気の利く機能、
そして何といっても4K動画を既に2年も前に実現していたという点じゃないかと思っています。
そして
最近では、年内に4K60p機と6K30p機の投入を宣言しているという、恐らく8Kの民生機の量産に最も近い位置にいるのがパナソニックじゃないのかなと。
そんなパナソニックに2年遅れで一眼レフカメラに初めて4K動画機能を搭載したキヤノンですが、
実はスペック上は、”追いついた”のでは無く、パナソニックのGH4を”追い抜いて”いるんです。
そう、パナソニックのGH4は4K30pまでで、EOS-1DXⅡは4K60pがいけるんです。
そしてこれ(=4K60p動画搭載)は一眼カメラにおいては私が知る限り初です。
いくらカメラが大きいとは言っても、例えまた今年中にパナソニックの6K機でスペック上追い抜かれてしまう可能性があると言っても、これは評価されて良いことじゃないのかなと思います。
あとはこの件に関しての個人的興味は、
・報道及びスポーツカメラマンがこの4K60pの機能を仕事で使うのか使わないのか?この機能で何かプロの世界に変化が起きるのか起きないのか?
・EOS-1D C MarkⅡが出るのか出ないのか?
です。
何か純粋なスペックだけ見ると、この1DXⅡに対して動画面で差別化を図るのは難しい気がしますので、1D Cは一代限りで終わるのかな?という気もするのですが、
唯一1DXⅡには現状log収録機能が存在しないあたりが、本職のプロには懸念点として残りそうですので、一抹1DCの後継機が出る隙間が残っているのかな と。
(ファームアップでサクッと対応・・・というのが、現在は当たり前になってきていますので、案外発売後にファームでlog対応というのもあるのかもしれませんが^^;)
二つ目が
② ミラーアップ時16コマ/秒、AF追従14コマ/秒連写のスペックに、メカ屋の意地を見た
最初に訂正しなければならないのですが、
私、ニコンD5のエントリーで、”もう12駒/Secでメカの限界なんだろう”みたいなコメントを書いたのですが、
実際にはニコンD5もD4SやD4に対して、1コマ/秒分連写速度上げてましたし、このキヤノンの1DXⅡは初代1DXに対して2コマ/Sec分連写速度を上げてきました。
”メカの限界はまだ見えていません”に、敬意を持って訂正させていただきますm(__)m
・ミラーの無いカメラミラーレスで、動画と見紛う連写速度を持ったカメラが散見されること
・一眼レフカメラにおける連写速度が、基本メカ部分で律速されているだろうこと
・一眼レフカメラが大きく重く、そして高価になりがちな理由の一つにミラーが挙げられること
・最近は静音や手振れ抑制のための電子シャッターがもてはやされている(?)こと
など、結構最近は(特にシャッターやミラー回りの)カメラのメカ屋さんは、存在意義を問われる(?プライドを傷つけられる?)時期なのじゃないのかなと、勝手に(^^;)思っていたのですが、
そんな技術者の意地をこの連写のスペックに感じました。
私の様なメカ素人から言われてもなに?という感じではあろうと思いますが、ここに自己満足でささやかに敬意を表したいです(^^)
↑
USのCANONオンラインストアに掲載してあった、EOS-1D X MarkⅡ搭載20.2Mpixフルサイズ撮像素子の写真
解像度は悪いですが、
キヤノン本家HPの写真よりも見やすい正面からの角度だったため、こちらを採用(^^;)
この写真を見て、まずすぐに気づくことと言えば、
センサパッドがセンサの4辺配置になったということ。
キヤノンは最近EOS 7D MarkⅡからAPS-Cサイズ素子ではセンサパッド配置をセンサの4辺に配置する様に変化してきていましたが、
それと逆行するかの様に、
直近のフルサイズ機=5Dsではキヤノンフルサイズ素子の伝統(?)、センサ短辺の2辺のパッド配置のままでした。
恐らく、
キヤノンがフルサイズ素子でパッド配置をセンサの4辺全てに配置したセンサは、このEOS-1D XMarkⅡが初めてなのではと思います。
そして、上記初めてのせいというのもあると思いますが、あまり今までのキヤノンのフルサイズ素子のどれともそこまで似ていない感じです。
あえて言うと、一眼レフEOS(?という言い方があるかどうかはともかくとして^^;)では無く、
例えばCINEMA EOS C300 MarkⅡの様なシネマEOS系のセンサに似ている感じです。
4K動画の様なセンサからの高速読み出しが必要になってくると、シネマEOS系のセンサチップの外観(レイアウト)に似ていく様ななにか理由でもあるのでしょうか?
あり得ることの内の一つとして、アナログ信号出力センサからデジタル信号出力センサに変わったという可能性はあるように思います。(←シネマEOS系のセンサが、既にデジタル信号出力センサであったという前提ですが)
少なくともキヤノンのHPに(7DMark2や5DSの様に)”
CMOSセンサーから16チャンネルで読み出した信号を、4チャンネルでA/D変換”という様な、センサ外部でAD変換をしている様な記述は、
CINEMAEOSと1D X MarkⅡのページには見られないように思います。
逆に”デジタル信号出力センサです”という様なストレートな記述も見られない様に思いますが(^^;)
また、CINEMA EOS搭載センサもこの1DXMarkⅡセンサも、”キヤノン製である”という証拠は無いものの、
まあ歴史的(?)に見ても、他社でこの様な外観のセンサを見たことが無いという点からも、センサに絡む仕様にDualPixelCMOSAF(≒フォトダイオード2分割の像面位相差AF)が存在する点から言っても、
まあ小難しいことを考えずとも、まず”キヤノン製である”と考えて問題無いでしょうね(^^;)
最後に、過去のキヤノンのフルサイズ系センサのチップ外観を見比べていて気づいたことをひとつ。
”1DX系のセンサの長辺側のチップ周辺回路部分の面積が、他のキヤノンフルサイズセンサのそれと比較して圧倒的に大きい”
というものです。(
こちらのエントリの後半部分にキヤノンの現役カメラ機種のセンサチップ写真を並べています)
上記周辺回路部分は、列ごとの読み出し回路(信号処理回路?)などが並んでいるところだと思うのですが、
やはりフラグシップカメラ搭載センサ、何か他のクラスのセンサとは異なる”手厚い(?)”信号処理を施されたりしているのでしょうか
PR