この時期だと、(CP+が近いため)当たり前です(?)が、各社のカメラの発表が被ります。
キヤノンからはオリンピックイヤーに合わせた4年振りのフラグシップ機、EOS-1DX markⅡが発表になりました。
本来ならココに飛びつきたいところですが、恐らく月末のCP+前になれば、デジカメwatchさんがきっともっと見やすいイメージセンサの外観写真をアップしてくれると思いますので、それまでとっておくとして(^^;)、
今回はソニーのAPS-Cフラグシップのα6300と富士フイルムのフラグシップ機X-Pro2の2400万画素センサについて。
↑
USソニーのHPより α6300搭載APS-Cサイズ2400万画素センサ・・・と思われる外観写真
[4回]
”・・・と思われる”
と書いたのは、ここ最近の
日本法人のソニーのHPには、必ずしもそのカメラに実際搭載された撮像素子自身の写真を載せていない場合があるように思われ、
その点を鑑みて、これが100% α6300に搭載された撮像素子と信じて良いものやら懐疑的になっているためです(^^;)
で、これが本物(≒α6300に実際に搭載されているもの)であったとして、
そうすると、最近のソニーの裏面照射型センサの流れをくむ外観になっていますね
(参考1:
RX100M4及びRX10M2搭載積層裏面照射型1型センサ
参考2:
α7RⅡ及びRX1RⅡ搭載フルサイズセンサ)
ただし、どうやらこの
α6300搭載APS-Cサイズセンサは、裏面照射型では無いようで
↑同じく
USソニーのHPより
明らかに上図は表面照射型の画素断面模式図となっています。
個人的には(α6300搭載素子を裏面照射型にしないのは)少々意外でした。
フルサイズのα7RⅡ搭載センサで裏面照射型センサが出来た訳ですから、APS-Cサイズ素子を裏面照射型にすることも技術的には既に可能だと思われ、
また画素ピッチ的にも、計算上はα7RⅡ搭載素子が約4.5um□、このα6300搭載素子が約3.9um□で、α6300の方がより狭画素ピッチで、裏面照射型にする恩恵も大きいはず・・・
それでもα6300搭載APS-Cセンサを裏面照射型にしなかったということは、
①製造コスト (カメラ価格に大幅に転嫁出来ない機種搭載センサだからコスト増は許されない。製造歩留まり的にも)
②製造設備不足 (α7RⅡとRX1RⅡの出荷量ならカバー出来るが、α6300の出荷量を考慮すると、製造ラインの設備的にカバーできない)
上記① or ②、もしくはその両方が理由でしょうか?
しかし、1型以下のサイズの素子はジャンジャン今でも製造していることを考えると①の可能性の方が濃厚な感じでしょうか。
その他、上の写真からはっきりすることは、
α7RⅡに続き、α6300搭載素子のメタル配線もカッパー(銅=Cu)となったということ(そしてAPS-Cサイズ素子も従来はカッパーではなかった≒アルミだった様子)で、
今後のソニーの大判の撮像素子のメタル配線は恐らく銅配線になっていくことがほぼ間違い無いだろうということでしょうか。
またどうでも良い話ですが、上の写真の右下に”The world's most selected image sensors”という文字とロゴが・・・
純粋に直訳すると、”世界で最も選ばれているイメージセンサー”ということで、要は”俺たちNo.1”と言っているのだと思う訳ですが、
これって日本法人のソニーでは見られない文言とロゴですよね?
とすると、”やっぱり日本人とアメリカ人(外国人?)の違いが出るところだよな~”と、技術な話とは全く関係の無いところで感心して(?)しましました。
確かにこれを日本人に向けてアピールされると、事実だとしてもちょっと鼻に付くというか、好感度アップにつながるか微妙な宣伝手法だよな~と(^^;)
そんなソニー製であることがほぼ間違いの無いα6300搭載APS-C撮像素子ですが、撮像素子周りのスペックはというと・・・
(有効画角)サイズ:23.
5×15.6mm
有効画素数 :24
20万画素
静止画連写速度(max):11コマ/秒
4K動画 :UHD (20Mpix読み出しによる) 30fps?
FHD動画最大フレームレート:120fps
常用ISO設定感度域:ISO100~25600
拡張ISO設定感度域:~ISO51200
対して、一足先に発表された、
↑
富士フイルムHPより 富士フイルムX-Pro2搭載APS-Cサイズ2430万画素センサ
残念ながら、経験則上、富士フイルムカメラ搭載撮像素子の写真は待ってもこれ以上のものは出てこないのではと思います。
まずパッと見て目に付くのは(
hi-lowさんおっしゃっていますが)
”センサ中央部の広い領域に正方形に近い形で見えるコントラストが異なっている領域が存在する”ということです。
これは”像面位相差AF配置領域(中央正方形箇所)か否(中央正方形以外の外側の領域)か”の違いだと思いますが、
メーカー公式のHPの写真で、私は未だかつて、像面位相差AF画素配置によるパタン(模様?)があるセンサ外観写真を見たことがなかったのです。
が、
ややもすると画質的には否定的に取られがちな像面位相差画素配置による違いをこうも堂々とわかるように写真を公開してしまう富士フイルムという会社の自信というか
”我々の出すカメラを愛してくれる人たちはこういう外観では無くてちゃんと写りでカメラを判断してくれる人たちだ”
とでも言う様な絶対的な信頼感がありそうなことに驚きました。
(か、穿った見方をしすぎていて、単にそんなことは深くは考えていないのか・・・^^;)
個人的にはこんなわかりやすい外観上のコントラストがついてしまうのであれば、”使わないかもしれないけどれ、周辺部にもそのまま同じ様なパターンで像面位相差AF画素を配置しちゃえば良かったのに” と思ってしまいました(^^;)
ちなみに
富士フイルムのHPを信じると、
↑像面位相差AF画素配置”など”を説明した図
X-TRANS CMOS初代の頃から、大枠の像面位相差AF画素配置に変更は無い様で、
6×6のX-TRANSカラーフィルタ配列(?)の内、上図の様な箇所に位置するGreen画素2画素に、像面位相差画素は配置されている様です。
そして、今回、上記撮像素子の見た目(像面位相差AF画素配置による見た目のコントラスト)の次に驚いたのが、
富士フイルムが、APS-C撮像素子の画素数を2400万画素にしてきたこと
です。
というのは、
2014年末のデジタルカメラマガジンのメーカーへのインタビューで、高画素化の流れはどこまで?的な質問の項で、
「APS-Cサイズ素子の画素数は、2500万画素程度が上限限界だと考える」
という回答をしていたからです。
いや、別に上記回答と今回のX-Pro2の2400万画素は何も矛盾しないのですが、
今まで富士フイルムはAPS-Cサイズ素子で、(サイズが相対的に小さい)フォーサーズ素子と同様の1600万画素にセンサ画素数を抑えてきて、他社よりも一歩引いた画素数を美徳としてきた(?)のに、
今回追い抜いてはいないですが、APS-Cで2400万画素としてことで他社並みとなり、
また自ら答えた「2500万画素あたりが限界」と答えたほぼ限界まで画素数を上げてきたことを意外に思いました。
てっきり”富士の次は2000万画素かな”と個人的に予想していたので・・・
しばらくはまた2400万画素でいくとして、数年後に”X-Pro3”の時のセンサ画素数はどうするつもりなのでしょうか・・・?
まあ部外者の余計なお世話ですね(^^;)。
またその時は「当時とはセンサの技術ベースが異なる。現在であればこの画素数でも問題無くて、現状はこの画素数がベストバランス」という風になるんですよね(^^;)
で、そんな富士X-Pro2搭載APS-Cサイズ素子の撮像素子周りのスペックは・・・
(有効画角)サイズ:23.
6×15.6mm
有効画素数 :24
30万画素
静止画連写速度(max):8コマ/秒
4K動画 :なし
FHD動画最大フレームレート:60fps
常用ISO設定感度域:200~12800
拡張ISO設定感度域:100~51200
最後に、
上記X-Pro2のセンサ周りのスペックは、何一つとしてソニーα6300のセンサ周りのスペックと同じところが無い・・・
状況なのですが、
しかし、双方は同一の撮像素子・・・ということはないでしょうか?
もちろんカラーフィルタ配列が異なるのは間違い無いと思います。ソニーα6300搭載素子の方までX Trans配列(?)だとは思いません(^^;)
カラーフィルタよりも下の半導体層レベルの”同一か否か”の話です。
センサの総画素数なんかがわかると、もう少しはっきりするのですが、残念ながら私が探した限り双方のセンサとも数値が公表されていません。
結局、異なるセンサ回りのスペック群も、カメラの性格の違いからくるものが支配的な気がして、センサそのもののスペックを反映したものか甚だ怪しいと、この2機種に関しては感じます。
有効画素サイズがα6300の方が長辺側のみ100um小さく、そしてその分有効画素数が10万画素少ない・・・
計算すると、約3.9um□の同一画素ピッチであれば、上記100umの長辺長の違いで10万画素の画素数の違いになる計算なのですが・・・
実際のところはどうでしょうね(^^;)
ps 同一かどうかはさておき、X-Pro2搭載撮像素子が”ソニー製か否か”という観点で言えば、今後は今まで東芝が作っていたセンサも”ソニー製”と称してよい前提であれば、個人的にはX-Pro2搭載撮像素子は限りなくソニー製であるように思いますが(^^;)
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