デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)
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Point Grayが公開しているWhite Paper "How to Evaluate Camera Sensitivity"は、ICX414とIMX249を比較しながら、カメラの感度を分かりやすく解説しています。比較の結論としてはICX414に性能的な優位性は全くありませんが、それでもICX414を積んだカメラは既存システムの交換部品として必要です。
最大ダイナミックレンジは飽和電荷をダークノイズ(あるいは読み出しノイズ)で割った値の対数ですし、絶対感度はノイズと同じ電荷を発生する光子数なので、ご指摘のように共にダークノイズを下げることが出来れば向上します。そのもっとも簡単な方法は、センサーを冷却することです。10℃下がるとダークノイズは半分以下になりますので、-80℃まで冷却すれば20℃の少なくとも1/2^10になります。逆に、ダイナミックレンジと感度は数十倍向上します。
撮影時にセンサーを駆動し続け暖めているミラーレスは、センサーの性能をわざわざ劣化させていることになりますね。
>hi-lowさん
>Point Grayが公開しているWhite Paper "How to Evaluate Camera Sensitivity"は、ICX414とIMX249を比較しながら、カメラの感度を分かりやすく解説しています。比較の結論としてはICX414に性能的な優位性は全くありませんが、
POINTGREY社自体が、自社発売カメラの優劣をそこまで明確につけちゃってるんですね。
情報ありがとうございます。
ICX414くらい感度が高そうであれば、多少暗時ノイズが多くても割と明るいところでのみ撮影するのであればよもやIMX249相手でも優位性はあるかと思っていましたが、それも無いのですか・・・
>それでもICX414を積んだカメラは既存システムの交換部品として必要です。
カメラ自体が部品ですか。
確かにそれなりのシステムであれば、カメラ自体が部品になりそうですね。
そして、私の様に”カメラやセンサ自体に”興味がある者なら、カメラに寿命が来て交換が必要になったら、新しいカメラの導入を検討しちゃいそうですが(^^;)
もしそのシステムにおいて、特に以前のカメラ性能で必要な仕事のスペックを充足できる場合は、普通は新規カメラの検討をせずに、そのまま以前と同じカメラを入れちゃいそうですね、普通・・・
するとおっしゃられるように、POINTGREY社が古そうなカメラも多くラインナップに残しているのは、交換部品のためということになりそうですね。
hi-lowさん、
ダークノイズに関するコメントについて質問させてください。
ダークノイズ(読出しノイズ)はアンプやADC等で発生するので、センサー部を冷却しても殆ど変らない、と理解していましたがいかがでしょうか?
マイナス数度毎に半分になるノイズとは、ダークノイズではなく、ダークカレント(暗電流)かと思われます。(呼び名が紛らわしい・・・。)
ちなみに、
1 fps以上のフレームレートで取り込む場合、通常は暗電流よりも読出しノイズの影響の方が圧倒的に大きくなるので、ダイナミックレンジを見積もる時は、読出しノイズだけを考えれば良いことになると思います。
> Tantos さん
私の書き込みでは、ダークノイズを暗電流としていました。文献によっても示す範囲が異なる単語なので、気を使って使うべきでした。
仕事で使っているカメラの仕様を確認しましたが、仰る通りノイズに関しては読み出しノイズが支配的でした。2時間以上の積算で、ようやく暗電流ノイズが読み出しノイズを上回る計算です。思い込みはダメですね。
hi-lowさん、
わざわざ調べてくださり、ありがとうございました。
名称の定義が紛らわしくてイヤですね。
imagerマニアさん、
業務用カメラとなると、数年前に発表されたsCMOSと呼ばれる製品群が凄い性能を持っています。
現状ではセンサーの種類は少ないですが、
飽和電子数は30000e-で、読み出しノイズがなんと1e-程度(!)です。
例えば独pco社が製品化しています。(他には浜松ホトニクスとか)
https://www.pco.de/scmos-cameras/pcoedge-42/
センサーはFairchild社製品ですが、ファウンダリはおそらくTSMCではないかと思います。(ファウンダリについては私の憶測です。)
>Tantosさん
初めまして。imagerマニアです。
>業務用カメラとなると、数年前に発表されたsCMOSと呼ばれる製品群が凄い性能を持っています。
>飽和電子数は30000e-で、読み出しノイズがなんと1e-程度(!)です。
凄い数字ですね、ノイズの方がΣ(゜д゜)!
正直本能的には信じれなくて、
もしも私が何かのカメラの設計の主担当者であれば、ひとまずサンプル一個買ってみて自分で評価してみないことには納得しなさそうです(^^;)
6.5um□で飽和電子数30000e-の方は凡庸というか特に驚きませんが、
読み出しノイズが1e-というのは、余程FD容量が小さいか、同じ信号データを複数回サンプリングしての平均化処理の結果とかじゃないと達成不能な数字なのでは?という気がします。
約400万画素で40fps出るみたいで、そんなに遅い読み出し速度でも無いので複数回サンプリングの平均化という線は薄そうに思いますし、TSMCとかだと最新の微細プロセスを用いればかなりなFD容量の低減が出来て達成可能な数字だったりするのでしょうか?
それとも別の私の知らないウルトラCな方法が存在するのか?
いずれにしても、sCMOS知りませんでした。覚えておきます。
情報ありがとうございました。
http://www.pco.de/fileadmin/user_upload/pco-product_sheets/BR_pco_edge42_111_online.pdf
ちなみに↑に目を通してみたのですが、
このカメラ、なんで電源電圧が12Vとか24Vとか必要なんでしょう?
消費電力がtypで10Wとかmax20Wとか、民生カメラは無論のこと、シネマやENGカメラの様な業務用カメラでもそんな数字はあり得ないと思うのですが・・・
もしかして、この辺に低ノイズ化の秘密もあったりするのでしょうか?
あと上の資料で、ローリングシャッタの走査が方向変えたり、分割できたりと色んな走査方法が選択できるというのもおもしろいですね。
いったい使う側の人は、どういうことしたい人がこのモード変更の恩恵に預かるんでしょうか?
いずれにしてもTantosさん、今後も出来れば何かとよろしくお願い致します。
> imagerマニアさん
Scientific CMOS (sCMOS)の読み出しノイズについては、以下のURLに簡単な説明があります。
http://www.andor.com/learning-academy/read-noise-understanding-scmos-read-noise
「CDSが重要」程度の情報ですが…。
なお、AndorはFairchildと共にsCMOSの開発に関わったカメラメーカーです。
Tantosさんの方が情報をお持ちかもしれません。
>hi-lowさん
>Tantosさん
imagerマニアです。
お二方に返信したく、新たなコメント欄にしてしまいました。
http://www.scmos.com/files/low/scmos_white_paper_2mb.pdf
検索かけていたらこんなの↑を見つけました。
しかしまだ読めていません(^^;)
hi-lowさん紹介のページから、
http://www.andor.com/learning-academy/dual-amplifier-dynamic-range-scmos-dynamic-range
↑ハイダイナミックレンジを紹介しているこんなページも見つけました。
このページは読みました。
直接低ノイズ化については書かれていませんでしたが、
とにかくこのsCMOSセンサは、1列にひとつずつアンプとADを持っており、同じ画素信号をhighゲインとLowゲインで読み出して合成?するモードがあるというのはわかりました。
個人的にこの回路構成が気になり、というのも、弊blogで恐縮ですが、
http://imager.no-mania.com/Entry/131/ ←昨年のISSCCのソニー件
http://www.imagesensors.org/Past%20Workshops/2015%20Workshop/2015%20Papers/Sessions/Session_14/14-05_KitamuraLast.pdf
↑昨年のIISW NHKなど件
上記双方とも、1列に複数のADを持っており、複数のランプ信号により1画素信号を複数回サンプリングによる平均化で低ノイズ化を図っているのですが、
sCMOSの回路もランプ信号配線をもう一本余計に通せば、上記方式を採用できるので、もしや?と気になりました。
ちなみに前者のソニー件は、1.3e- (IMX252で2.3e-ですから、かなり低減していますね。しかしそれでもsCMOSには及びませんが)
後者のNHKのは出力ノイズのまま書かれているので、電子数はわかりませんが、仮に8回サンプリングすると、14bitのAD分解能で1LSB以下となることになっています。
ちなみに私が今まで見たことがある、最も低ノイズなものは
http://image-sensors-world.blogspot.jp/2015/11/027e-rms-read-noise-sensor-paper.html
↑これで、なんと0.27e-です。
が、何か凄い高電圧を用いるようですし、よく理解できません(^^;)
どのくらい実用的なのかも理解できませんでした・・・
しかし、とにかく低ノイズ化というのは調べ始めると面白いですね。
これも近々の弊blogネタのひとつにさせてもらいたいと思います(^-^)
imagerマニアさん、hi-lowさん、
私もこんな低ノイズをどう実現しているのか分かりません。
少なくともhi-lowさんのおっしゃる通り、CDSは重要なのだと思います。
ただ、それ以外にも工夫してるようです。あまり参考になりませんが、浜ホトの一世代前のsCMOSの技術資料に、CDS以外にも工夫してる、とだけは書かれています。(以下のファイルの5ページ目です。)
http://www.hamamatsu.com/resources/pdf/sys/SCAS0070J_C11440-10C_tec.pdf
私自身はカメラを使う側の人間なので、これ以上内部の事は分からず、お役に立てそうにないです。
消費電力についてお尋ねされましたが、なぜ消費電力が高いか、という質問ですか?
その質問ならば、暗電流低減のためのペルチェ冷却を行っているから、が答えになるかと思います。
暗電流が気になるようなケースってそんなに多くないので(長時間露光の天体観測とか)、個人的には冷却は要らないから安くしてほしいと思ってしまいます。現状は安いのでも200万円くらいしますし。
>Tantosさん
※メインの返信コメントは、便宜上hi-lowさんの方の欄にさせていただきました。そちらも見ていただければと
>その質問ならば、暗電流低減のためのペルチェ冷却を行っているから、が答えになるかと思います。
そういうことなんですね。
ありがとうございます。いくら科学用途(?)とはいえ、そんなに必要なものなのか?!と思ったもので(^^;)
冷却の電圧や消費電力の感覚はよくわかっていませんが、そのくらい必要なものなんですね。
>暗電流が気になるようなケースってそんなに多くないので(長時間露光の天体観測とか)、個人的には冷却は要らないから安くしてほしいと思ってしまいます。現状は安いのでも200万円くらいしますし。
そのくらいのお値段になっちゃうものなんですね。
やっぱ台数出なさそうなカメラですし、
スペックシートを信じれば、ノイズなどはかなり稀有というか唯一感が漂う感じなので、強気の値付け設定されちゃいそうですよね(^^;)
↑もし低ノイズがゆえの強気の値段設定だとすると、冷却機構外してもお値段かわらなかったりとか・・・(^^;)
長時間露光時の暗電流ノイズ対策だけでなく、画面均一性とインターバル撮影時のフレーム間安定性を確保するためにも、センサーの冷却は必要ですね。
仰る通り、カメラヘッドの価格はセンサー単価よりも販売台数が重要でしょう。また、高額なカメラはその後のサポートも手厚いので、その経費も価格に入っているでしょうね。
hi-lowさん、
情報ありがとうございます。
ここまで低ノイズになると暗電流以外でも冷却効果が出てくるレベルなんですね。
PCOカメラでは冷却能力の違う2種類(5℃、-30℃)のカメラがラインナップされていて、暗電流以外のスペックが同じ表示だったので、冷却効果はまだ大きくないのか(=冷却が効いてくるのはもっと低ノイズの場合か)と勝手に思っていました。たしかにhi-lowさんのおっしゃる通り、このレベルになれば冷却が必要になってもおかしくないと私も思います。
imagerマニアさん、
情報ありがとうございます。
image sensors worldの記事、出た当初に内容を読まなかったので、時間のあるときに読んでみようと思います。
低ノイズネタ、面白そうですね!
非公開技術も多いでしょうが新技術の紹介など期待しています。
さらなる貴blogの充実、楽しみにしています。
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