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Imager マニア

デジカメ / デジタルビデオカメラ / スマホ用の撮像素子(イメージセンサ/imager/CMOSセンサ)について、マニアな情報や私見を徒然なるままに述べるBlogです(^^;)

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IISW2015のchipworks発表資料和訳 ~前半:2014年は画素の遮光層間などにカラーフィルタを埋めるのが最新トレンドだったよう

今回もソニーネタに走りたいところですが、二回続けてというのも何ですので(^^;)、次週以降に持ち越して、今週は一足早く開示された、IISWチップワークスの発表資料を、頭を使わず芸が無いですがそのままほぼ和訳してみました(^^;)。

今年に入って発表された様なセンサの最新情報までは網羅されていない感じですが、
昨年一年間の主要分野(主にスマホ向け素子)のイメージセンサの動きがよくまとめられているように感じました。
後に「あ~この年はこんな動きがあったんだな」と振り返るには良い内容と思い残しておこうと思います。
(もちろん今まで知らなかった新たな情報もありました)

以下からですが、例によってオレンジ色の文は私の補足や感想などです。

拍手[6回]

Abstract(要約)
・ここ3~5年のCMOSイメージセンサ(CIS)出荷の原動力はモバイルphoneの堅実な成長
・そのお陰でCIS市場は収益をあげることが出来、企業は研究開発にお金を投じ、特許を出している
・その結果として以下の様な先進的なモバイルカメラシステムが実現できている
 高速AF用の位相差AF画素
 低照度感度が改善された1um世代の画素
 ISPと裏面照射型CISを積層した先進的なチップ
 4Kビデオ
・競合企業のこれらhighボリュームな市場争いは続くけれども、多くのIDMsとファブレス企業は以下の様な利鞘の大きい用途向けのイメージセンサチップも開発している
 車載
 監視
 医療 etc・・・
・モバイルイメージングからこれら成長領域へ技術革新領域は遷移しつつある


Ⅰ.Image Sensor Market Conditions
・イメージセンサ市場は成長フェーズを続けている
・2014年のCIS市場規模は、$90億というのが多くの市場調査組織の一致した見解
・Yoleは、2014年から2020年まで、10.6%CIS市場が成長すると予測
・主にモバイルフォンとタブレットカメラチップにより、これら市場シェアは、ソニー、Samsung、OmniVisionの3社で全体の2/3の売り上げを持っていくと見積もられている
・モバイルPhone市場単体では、2014年から2020年まで、13%の成長が期待されている
・現在の市場は、以下の様なモバイルイメージングシステムにより牽引されている
 画質の改善
 消費電力の低減
 AFの高速化


Ⅱ.Inventions:A Benchmark Of Sector Maturity


↑ 1994年から2014年までの、年毎のイメージセンサ特許の出願数
 「特に近年、システム特許とプロセス特許の増加が目立つ」と言いたい?


Ⅲ.Evolutionary Technical Events : Isolation Schemes, Phase Pixels, Non-Bayer CFA
 (革新的な技術イベント:画素分離法、位相差画素、非ベイヤカラーフィルタ配列)

・コンシューマ製品の革新トレンドで最も目立つのは、光学積層の薄型化と画素間クロストーク抑制技術
パナソニックのSmartFSIの特徴であった、カラーフィルタ間の光分離壁のコンセプトが、最近の裏面照射型センサで採用されている
・最も近い例が、ON Semiconductor (Aptina)のClarity+チップ

・裏面上に堆積された酸化膜をエッチングした穴にカラーフィルタを埋め込む特徴を有す
(酸化膜でも光の障壁にある程度なるんですね、やっぱ。そして、酸化膜をエッチングすることでこのひょろ長い壁の様な構造を作るという方法なんですね)
・この構造は、画素ごとのLight-Pipe(≒導波路)を形成し、1.5umの光学積層厚と相まって、効果的
・この素子は、メタルのaperture grid(遮光枠と訳すべき?)が存在しない。しかし代わりにlight pipe効果とマイクロレンズに頼って光学的な画素分離をしている

・ソニーとサムスンは双方とも、裏面側のメタルaperture gridを用い、そしてそのgridメタル間にカラーフィルタを埋め込むことによって、smartFSIの様な構造を採用している

↑ソニーの裏面照射型センサの断面ですが、本文には触れられていませんが、少なくともソニーの裏面照射型センサのフォトダイオードの深さ=厚さは、2.7um程度なのですね。
どこかでもしかしたら過去見ていたかもしれませんが、改めて裏面照射型センサのフォトダイオード深さのイメージが出来ました
そして、遮光gridの材料はW(タングステン)というのも改めて確認

・前世代では、いずれの製造業者もカラーフィルタアレイの真下に、有機の緩衝層でメタルグリッドのギャップを埋めていた
(つまり、上の写真では、タングステン間がカラーフィルタで埋まっておらず、なんらかの有機材料でタングステンで出来た段差を埋めて、その後カラーフィルタを積んでいたということですね。
しかし一つ前のONSemiの構造の方が、理屈上は優秀な様に思います。少なくともこのソニーのセンサの断面は、周辺部なのかマイクロレンズの中心とフォトダイオードの中心がずいぶんとオフセットしています。対してONsemiの方に同様なオフセットは存在していないように見えます。断面を見た場所がたまたまチップ中心だったということもあるかもしれませんが、恐らくONsemiの構造であれば、チップ周辺部でもオフセットをつけずともlight-pipeのお陰でクロストークが起きにくいということを意味しているのでは?と思います)

・ソニーは、この埋め込みカラーフィルタを実施することにより、1.5umの光学積層厚を達成している
・ソニーの報告によれば、この1.5um厚に薄くしたお陰で、周辺が祖の感度が改善したとのこと



 いっきに全部行こうかと思いましたが、約半分で力尽きました。
残りは次週以降ということで・・・(^^;)



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Clarity+チップの写真

ON Semiconductor(Aptina)のClarity+チップの写真ですが、多孔質というか、しわというか、そんな感じに見えます。光学的にどうなんでしょう??

で、ソニーの裏面センサーの話に戻してしまって恐縮ですが(苦笑)、Imaging Resourceで新型センサーの話題を中心としたソニーのシニアマネージャーのインタビュー記事が出てたんですね。

http://digicame-info.com/2015/06/post-719.html

カラーフィルターのSEM像

> toshi さん
カラーフィルターは有機系材料製のようですが、そのような素材はシリコンや金属に比べて柔らかく、チップ用のソーや研磨では断面が毛羽立ちます。そのため、走査型電子顕微鏡で断面を観察すると、多孔質あるいは皺が寄ったように見えてしまいます。

Re: カラーフィルターのSEM像

hi-lowさん

なるほど! 断面を作る際にそうなったのですね。確かに、、、 ^^;

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