しばらく前に、Pentax及びCanonからそれぞれ、
K-3Ⅱ及び
EOS 8000Dというデジタル一眼レフカメラが発表されました。
双方ともセンサの光学フォーマットサイズ(=APS-C)及び画素数(約2400万画素)は等しいスペックなのですが、カメラ自体の位置づけは異なり、ペンタックスの方はAPS-Cフラグシップ機、キヤノンの方はどちらかと言うとエントリー機寄りの位置づけのカメラとなっている様です。
では今回はタイトルの通りなのですが、それぞれのセンサの外観を見てみたいと思います。
↑PENTAX K-3Ⅱ搭載撮像素子外観写真 ~
ペンタックス本家HPより
[0回]
K-3Ⅱのセンサ周りに関係しそうなカメラスペックは以下。
有効画素数 :2435万画素
静止画最高連写速度 :8.3コマ/秒
ISO感度設定可能範囲 :ISO100~51200
上記は全て初代K-3から同様。
その他、AF面のハード周り、センサシフト式の内蔵手振れ補正機能、ローパスフィルタレスのペンタックス独自のローパスセレクター機能、防塵防滴、視野率100%ファインダーも先代通り。
今回新しいのは、手振れ補正の能力upとペンタ部に押し込まれたGPS/電子コンパス機能、←その割を食う形で押し出されてしまい(?)内蔵フラッシュは先代と異なり非搭載といったところ。
そして何と言っても今回新しいのは注目の”リアル・レゾリューション・システム”。
今年のCP+で”技術展示”としてパネル展示されていたシステムが早くも実機搭載という形で登場。
オリンパスOM-D E-M5markⅡの”
40Mハイレゾショット”に僅かに先を越されてしまったものの、ほぼ同時期に開発されていたことは搭載カメラの発売時期からして間違い無く。
各社同じ様なことを考えるなーと個人的に感服しきり。
ただ、両者で思想が若干異なるのは、オリンパスの方はフォーサーズフォーマットの宿命、APS-Cイメージャに対しては素の解像度(=画素数)の点では劣ることが多いため、
同時に8枚の画像を(RGGBのベイヤの三原色を全て撮る1画素ズラしの4枚+それらそれぞれに対して斜め0.5画素ズラしの4枚の計8ショット)取得し、
”1画素で3原色の色解像度up+画素数的な解像度もup”
という”ハイレゾリューション”を求めたもの。
対して、ペンタックスの方は堅実に(?)、純粋な1画素ずつズラしての4枚ショットでの
(数字上の=画素数上の解像度upは無いものの)色解像度upを果たすという正に”リアル・レゾリューション”を求めたもの。
当然オリンパスの方式の方が(同じ撮像素子と処理エンジンとレンズ同士で比較すれば)原理的には解像度アップは間違い無い訳ですが、
これも当然ながら、同じ(メカ等の)システムで比較すれば、1shotの撮影時間と画像処理時間が長くなり、被写体ブレはしやすくなる(手持ちであれば当然手ブレも)、待ち時間が長くなるというデメリットも発生する訳で、
この辺エンドユーザーの使用感でどちらに軍配が上がるのか興味深いところです。
まあ、もしかしたらどちらかに軍配が上がる頃には両社共睨み合って、
次のカメラでは両社とも双方の方式をユーザーが選択可能なシステムに仕上げてくる可能性もありそうですね(^^;)
(特許等の障壁があるとそこまではいかない可能性もありますかねー・・・)
で、引っ張った本題(?)なのですが、
先代のK-3の撮像素子はソニー製であることが分かっており、
そして
K-3搭載センサの外観と今回のK-3Ⅱの撮像素子の外観(=冒頭写真)がそっくりなこと、
及び、二つのカメラのセンサ周りのスペックが同様であることから
順当に
ペンタックスK-3Ⅱ搭載撮像素子はソニー製であり、かつセンサ的にも同じものを使っていると見て良いのではないかと思います。
さて、お次はCanon。
こちらはほぼ同時期に3機種の2400万画素APS-Cが発表&発売。
EOS 8000D
EOS KissX8i
EOS M3
↑
本家キヤノンのHPより ~8000D搭載APS-Cサイズ撮像素子
↑
本家キヤノンHPより ~X8i搭載APS-Cサイズ撮像素子
↑AVwatchさんより EOS M3搭載APS-Cサイズ撮像素子
キヤノンとしては2400万画素機は初めてなので、搭載撮像素子も以前のいずれかの機種の流用ということはあり得なくて、新規のものであることは間違い無いはずです。
そしてあえて3機種とも写真を載せましたが、見た限り8000DとX8i搭載センサはパッケージまで含めて全く同じ。
M3搭載撮像素子も、はみ出している金属形状が異なるのでパッケージは異なりそうですが、中身のイメージセンサについては(M3だけ写真を180°回転させて向きを合わせれば)やはり同じに見えます。
センサ周りのスペックの点でも、3機種とも
有効画素数 :2420万画素
ISO感度設定可能範囲 :ISO100~12800
静止画最高連写速度 :5.0コマ/秒@8000D&X8i 4.3コマ/秒@M3
いずれの機種搭載撮像素子も像面位相差AF搭載
連写スピードについてはM3だけ少し遅くなって異なっていますが、これもカメラ側の都合の可能性が高く、センサの見た目と合わせて考えると、
”今回のキヤノンの3機種搭載の撮像素子は新規センサで、そして3機種ともセンサ自体は同じもの”
という見方で良いと思います。
まあ同じ時期のカメラでこんな似たスペックのセンサでわざわざ異なるものを用意する方が普通では無いと思いますので(過去、
NikonがD3200とD5200の同時期の24Mpixカメラでそれぞれルネサス製と東芝製の二つのセンサを使い分けてきたことがあるので、「絶対無い!」と強く断言出来なくなってしまったのですが^^;)、これは妥当なことだと思います。
で、
”どこ製のイメージャーなの?”という話も、今回のセンサは、
EOS7DmarkⅡ搭載撮像素子に最もよく似ていますね。
ですので、特に奇をてらわなくても、キヤノンのこれまでの傾向を考えても、今回発売されたカメラ搭載の撮像素子も素直に”キヤノン製”という風に見て良いと思います。
むしろ私が個人的に気になるのは、今回発売されたキヤノンのカメラに搭載された撮像素子も、
EOS7Dmark2搭載撮像素子と同じく、”センサパッドが4辺”に存在しているということです。
私が知る限り、キヤノンは7Dmark2搭載撮像素子で初めてセンサパッドを4辺に配置し、そしてその後
5Ds/5DsR搭載センサでは再び過去フルサイズ機種同様2辺のパッド配置に戻し、再び今回のセンサで4辺配置にしてきました。
これが何を意味するのかはよくわかりませんし、法則も断言は出来ませんが、
少なくともAPS-C用の撮像素子に関しては、キヤノンは(も)今後パッドを4辺配置にする方向の様に思います。
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