http://www.chipworks.com/index.php?option=com_wpmu&Itemid=104
以下、全てchipworks発表写真より
(※
最新のEOS 70D搭載の像面位相差AFに関してはこちら)
1) Canon Kiss X6i 搭載撮像素子(=CMOSセンサ / CMOSイメージャー) 拡大顕微鏡写真
2) Canon Kiss X6i 搭載撮像素子(=CMOSセンサ / CMOSイメージャー)引きの写真
3) Nikon V1搭載撮像素子(=CMOSセンサ / CMOSイメージャー)引き写真
先日、冒頭のリンク先で、Canonの一眼レフカメラ EOS Kiss X6i 搭載撮像素子の顕微鏡写真などがupされていました。
imagerマニアとして一番の興味のポイントは、キヤノンとしては初の像面位相差AF搭載センサである点です。
像面位相差AFは私の知る限りでは、さきがけとしては富士のコンパクト機、その後Nikon V1のミラーレス機に搭載され、上記キヤノンのKissが3番目かと思います。
chipworksでは、Nikon V1の撮像素子の解析も行っているようで、両機の写真を一緒に載せてみました。
今回chipworksが無料で開放しているのは、平面の顕微鏡写真だけなので、位相差AF画素の断面構造などはお金を出さないとわかりません。
しかし、平面の写真を比較しただけでも、一口に”像面位相差AF”と言っても、異なるものであることがわかります。
2)と3)の引きの写真を比べてみると(←縮尺率が異なるのでご注意ください)、
ニコンの方(Aptina製センサ=イメージャー)は、とあるところから横一列に全て位相差AF用の画素です。
一方、キヤノンの方は、かなり不規則に位相差AF画素が配置されている様です。
私は、AFには疎いので、像面位相差AF画素がどのような配置になっているのが、後ろのAF用データ処理としてBestなのかわかりません。
しかし、素人目にもニコン機の方の並びの方が、横一直線でかつAF画素が多いことから、AF用としては適している様に感じられます。
そのネガな部分としては、キズ扱いの画素が増える=補正されてしまって実際の写真に使われる画素が横一直線にいない行がある というのも、素人目には不安になるところです(^^;)。
翻ってキヤノン機のイメージャーは奇怪な並びに見えて仕方がありません。
全くランダムに配置されているということはあり得ないと思いますが(←それでは後処理が大変)、2)の引きの写真を見る限り、数十画素以上の結構長周期な周期性しか見られないようです。
これのAF性能が如何なものなのかは、ニコン機とキヤノン機のAF速度及び正確性の世間の評判を見ることにして、一つ良いことがあるとすれば、キズ扱いの画素は確実にニコン機より少なくかつその配置もランダムに近いため、実際の写真としては像面位相差AF画素が補正されてもかなり目立ちにくいであろうことでしょうか。
↑AFをするためのデータ後処理として、どの様な位相差AF画素配置が良いものなのか、詳しい方がいらっしゃいましたら是非とも教えてくださいm(__)m。今回の両機に限らず一般論で構いませんので何卒。
さて、最後にもう一つ。写真1)キヤノンのイメージャーの方。
像面位相差AF画素に充てている画素の色がRedかBlueであり、Greenは潰していない(=AF画素にはしない)ことがわかります。
これは恐らくそれだけGreenの輝度情報が写真として重要であるということの証なのでしょう(≒少なくともキヤノンの画像を作る技術者はそう考えているということなのでしょう)。
普通に考えれば、ベイヤ配列であればGreen画素はその他の色に対して2倍の画素数あるのですから色情報としてAF用に明け渡すならGreenを潰すのが自然に思います。
それを行わずに、RedとBlueの方を潰してAF画素に充てるということは、人間の視感度特性としてGreenに最も高い感度を持っていることからの判断と予想されます。
画作りをするのに、Greenの情報を補正してしまうのは画として破綻し(≒撮った人に見破られ)やすいということなのでしょう。
今後両者を含め、像面位相差AF画素配置が何かのスタンダードな配置に収斂していくのか、各社オリジナルな配置を極めていくのか?
そして像面位相差AF画素を置かないPANA,olympusの4/3rds連合と、ソニーがそのままコントラストAF方式で突き進むのか?
興味は尽きないところですね。
[2回]
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